どんどん質問すべきだと思います。
知恵袋なんか見ていても、「私はこういう診断されたんだけど、これってどういうことですか?どうすればいいですか?」といった投稿がよくあって。せっかくクリニックに行ったなら、僕たち医者に直接聞いてよ〜って思うよね(笑)。ネットで声をかけるより、自分の担当医に聞いたほうがいい。
もちろんクリニックによっては常に混雑していたり、医師が冷たい態度をとったり、聞きにくい雰囲気を醸し出してしまっていることがあるのも確かなんですけどね……。ただ医師は患者の質問に答えるのも仕事なので、不安があるなら臆せずに聞いてみたほうがいい。
知恵袋なんか見ていても、「私はこういう診断されたんだけど、これってどういうことですか?どうすればいいですか?」といった投稿がよくあって。せっかくクリニックに行ったなら、僕たち医者に直接聞いてよ〜って思うよね(笑)。ネットで声をかけるより、自分の担当医に聞いたほうがいい。
もちろんクリニックによっては常に混雑していたり、医師が冷たい態度をとったり、聞きにくい雰囲気を醸し出してしまっていることがあるのも確かなんですけどね……。ただ医師は患者の質問に答えるのも仕事なので、不安があるなら臆せずに聞いてみたほうがいい。
うちの場合は、最初から最終手段である顕微受精をするしかないと言われてしまって。私も不安なので論文を読み漁って、先生にも色々聞きました。
不妊治療って見えないから怖いというか。だから疑問も多くなるんだと思います。私たちの卵子と精子を、知らない誰かがラボのなかで人為的に選定する。患者からするとできれば全プロセスを見せて欲しいぐらいの勢いです(笑)。
実際精子と卵子を取り違えるという事件も起こってるし、怖くなったり疑問に思うのは自然な感覚だよね。どんな治療もそうですが、特に不妊治療の場合、患者さん自身がよくわからないまま始めて、いつまでもやめられないでいると、生殺しのようになってしまうからね。聞くのはすごく重要。
私の場合ですが、そういう不安も含めて医者に聞いたり、不妊治療をしている友人とオープンに話すことで、怖い思いも薄れてくる。不妊治療をやっている人って実はたくさんいるのに、日本では「なるべくなら人に言いたくない」という風潮がある気がしています。
友人同士でお互い話せると、それだけで気持ちがだいぶ楽になるのにね。意外と周りにも似た境遇の人がいたりして「自分だけじゃないんだ」と安心できることもあるだろうし。ただそこは個人差も大きい。オープンに話すのが嫌な人も多いからね。
特に男性同士だと「俺精子が少なくってさー」「俺も少ないんだー!」とはなりにくいよね。
特に男性同士だと「俺精子が少なくってさー」「俺も少ないんだー!」とはなりにくいよね。
確かに、女性同士でも言いにくいときっていうのはやっぱりあって。みんなが子持ちとか妊娠中で、その話で盛り上がってるときに、以前なら「私も早く欲しいなー」とかガンガン話題に入っていけた。でもいまは、もし自分に注目されて「まみは?」と聞かれたとき、「これから不妊治療するんだ」と言ったら、せっかく盛り上がってるのにみんなが気を使ってしまって変な空気になりそうとか。それでなるべく注目を集めないように気配を消してみたり(笑)。
■不妊治療がだめだったときの、養子という選択肢
オープンに話さないといえば、養子縁組もその一つ。私も夫も、身近に養子の人がいることもあって、もともと養子を受け入れることに抵抗がなくて。もし不妊治療してもできなかったら選択肢として養子も考えよう、という話をしているんですが、日本の現状って?
日本だと特別養子縁組の件数は、増えてきてはいるもののまだ少ないんですよね。年間400件とか500件とか。日本は血のつながりを重視する傾向にあってオープンにしないから、周囲だけでなく子ども本人にすら養子だということを隠していることもある。
年間500件!アメリカの約12万件に比べると件数がここまで違うんですね。
そう、まったく違うんです。文化の違いが大きいのでしょうが、日本の場合、子どもを支えるシステムも欧米とは違ってるんです。
母親がなんらかの理由で赤ちゃんを育てられない場合、欧米だと基本的には「家庭養護」といって、血のつながりはなくても家庭の中の安定した環境で育てていくべき、という考えが自然ですよね。でも日本では、まず乳児院に入れて、そこから18歳、20歳まで施設で育てるという「施設養護」が普通の認識です。
でもこの「施設養護」って、大抵の日本人は気づいてないけど、子どものための福祉でなく、大人の事情を優先したものでしょ。国際社会からは、「子どもを施設に入れっぱなしにして家庭を与えないというのは国家のネグレクトである」と散々批判されてきて、2011年ぐらいからようやく政府も「できるだけ家庭養護」でという方針を出して、法律も整えようとしている段階。国民の意識も含めてまだまだこれからですよね。
母親がなんらかの理由で赤ちゃんを育てられない場合、欧米だと基本的には「家庭養護」といって、血のつながりはなくても家庭の中の安定した環境で育てていくべき、という考えが自然ですよね。でも日本では、まず乳児院に入れて、そこから18歳、20歳まで施設で育てるという「施設養護」が普通の認識です。
でもこの「施設養護」って、大抵の日本人は気づいてないけど、子どものための福祉でなく、大人の事情を優先したものでしょ。国際社会からは、「子どもを施設に入れっぱなしにして家庭を与えないというのは国家のネグレクトである」と散々批判されてきて、2011年ぐらいからようやく政府も「できるだけ家庭養護」でという方針を出して、法律も整えようとしている段階。国民の意識も含めてまだまだこれからですよね。
■オープンアダプションで養子をタブー化しない
欧米だと小さい時から自分が養子だと普通に知っているケースが多いですよね。「私養子なんだー」って周囲にオープンにしている子も多い。
そうだね。そもそも養子として受け入れる子どもの人種が違う場合も多いので、見た目からして明らかに違うケースもあるしね。
これまで日本では、養子に出す側の実親にも、「全て隠すのが善」という考え方が強かったんですよね。
例えば養子に出す子を出産する場合、母親は子どもと会えないことが普通だったんです。生まれた瞬間に赤ちゃんは連れていかれる。目隠しをしてお産をさせられることもあったようです。「赤ちゃんを見ると忘れられなくなるだろう」という考えのもと、見せないことで「なかったこと」にしようとする考えからそんな風にするんです。
これまで日本では、養子に出す側の実親にも、「全て隠すのが善」という考え方が強かったんですよね。
例えば養子に出す子を出産する場合、母親は子どもと会えないことが普通だったんです。生まれた瞬間に赤ちゃんは連れていかれる。目隠しをしてお産をさせられることもあったようです。「赤ちゃんを見ると忘れられなくなるだろう」という考えのもと、見せないことで「なかったこと」にしようとする考えからそんな風にするんです。
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