よく「要介護者の心に寄り添って」と言われます。もちろん介護者は、要介護者の希望を叶え、要介護者が心身共に満ち足りた環境で過ごしてほしいと願うでしょう。しかし、要介護者は心身が弱っている状態ですから、いろいろと無茶なことも言います。健全な頃には決して言わなかった、自分本位な願いもぶつけてきます。
私の場合もそうでした。両親が元気なころは常々「自分たちで施設に入るから世話はしなくていい」「同居なんて必要ない」と言っていたのに、介護が始まった途端「なんで離婚して世話してくれないんだ」「仕事も辞めて同居して」と泣いて懇願するのです。見事なまでの手のひら返しでした。大阪で生計を立てていた私が、突然三重の実家で同居し、両親のすべての世話をできるはずもないですし、そもそも離婚する気などありません。子供もかわいい盛りです。それをどうにかしろと言ってくる両親や周囲の人たち。私が我慢すればすべて丸く収まるのか?と追い詰められました。そこで試してみてほしいのは、「3世代で考える」ことです。
私の場合もそうでした。両親が元気なころは常々「自分たちで施設に入るから世話はしなくていい」「同居なんて必要ない」と言っていたのに、介護が始まった途端「なんで離婚して世話してくれないんだ」「仕事も辞めて同居して」と泣いて懇願するのです。見事なまでの手のひら返しでした。大阪で生計を立てていた私が、突然三重の実家で同居し、両親のすべての世話をできるはずもないですし、そもそも離婚する気などありません。子供もかわいい盛りです。それをどうにかしろと言ってくる両親や周囲の人たち。私が我慢すればすべて丸く収まるのか?と追い詰められました。そこで試してみてほしいのは、「3世代で考える」ことです。
「将来、我が子にさせたくないことは、自分もしない」という判断基準をもって親の介護にあたりましょう。将来、我が子に離職してもらってまで同居して介護してほしいのか。我が子の貯蓄に頼ってまでキレイでサービスがよく利用料金の高い老人ホームに入りたいのか。そう考えることで、要介護者の要求の取捨選択がラクになります。
――要介護者の気持ちにより添うことは大事だけど、介護者が犠牲になっては意味がないということですね。横井さん、本日は介護に関する貴重なお話をいただきありがとうございました。
取材・文:西尾 真澄
横井さんほか介護ガイドが解説<親の介護に関するアンケート調査>はコチラ
人生100年時代、生活者が漠然と感じている「不安」を探る 第1弾は「アラフォー世代×親の介護」「まだ先?」は大間違い。40代から準備すべき「親の介護」~介護経験者の4割が40代前半までに親の介護へ。「準備はアラフォーのうちに」と7割が断言。 一方で、現アラフォー世代の準備率はわずか1割。9割が「親と介護話をしたことが無い」~
■これまでの「ガイドと●●シリーズ」はこちらから
Back Number
Rankingランキング
- MONTH
- WEEK