ヒト

「あなたの明日が動きだす」をコンテンツ×マーケティングで具体化

オールアバウトの成長や変革に寄与した人物に話を聞き、仕事に対する価値観や取り組みを深掘りしていく「プレイヤーズ」。今回は、オールアバウトが現在推進しているバーティカルメディア構想をより具体化していく人材として、新設されたビジネス開発本部のコンテンツ開発グループで切磋琢磨する、コンテンツ開発グループ マネジャーの水落真之さんをご紹介します。

水落 真之(みずおち まさゆき)
ビジネス開発本部 コンテンツ開発グループ マネジャー 兼 SEOスペシャリスト/メディアプロデューサー

ITアウトソーシング企業でヘルプデスク業務を経て2012年よりSEOコンサルタントを始める。WEB専業広告代理店でのコンサルティング業務を経験後、WEBメディア企業のインハウスSEO担当者として勤務。2017年4月にオールアバウト入社。総合情報サイト「All About」をはじめ、海外事業の「All About Japan」や新規事業の「PICUP(ピカップ)」、グループ会社運営の「サンプル百貨店」など、全社横断的なSEOを担当。同年10月より新設されたビジネス開発本部 コンテンツ開発グループのマネジャーも務める。趣味は音楽で学生時代からバンド活動を続ける。

■SEOスペシャリストから見た「All About」の強みと弱み

—この春、入社した水落さんから見て、「All About」のコンテンツやサイト構造をどのように感じられていますか?

まず15年以上、きちんと続いていることが素晴らしいと思います。コンテンツメディアはやり続けないと伸びていかない世界なので、止まらずにずっと続けられていることがまずスゴイことですね。また、ここまで幅広いテーマを扱うメディアも他にありません。記事の制作プロセスはじめ”きちんとやる”というのが徹底されていて、仕事が丁寧です。

一番印象的なのは、「日本を良くしたい、人々の生活をより豊かにしたい」という経営理念が全くぶれていないこと。キチンとその理念に紐付いているサービスだけを立ち上げていくという考え方をしています。WEBの世界は流行に乗る傾向が強いので、一時的に流行っているものに取り組む新規事業がたくさんありますが、オールアバウトにはそういったものがありません。
 (3143)

—一方で「All About」の弱みはどこだと思いますか?

マネタイズポイントが、どうしても広告に寄ってしまい、それ以外のところでは中々作ってこられなかった。そこが課題だと思います。記事を見せたいのか、広告をみせたいのか、たまに良くわからないケースもあったりします。

Web業界全体として、これまでは面を取ることに偏りがち、検索キーワードに関係なく広告が表示されることや、それを見たユーザーがどのように感じるかは、あまり注目されてこなかったというのがあります。しかしマッチングの精度を上げられれば、もっと便利なものになると思っています。もちろんオールアバウトは、ユーザーに役に立つ広告を届けるためにシステム面だけでなく、人の手を介した運用体制に取り組みはじめています。

あとは16年という積み上げた歴史が故に、小回りがききにくい部分も弱みかもしれません。従来のシステムや仕組みを長い目で見て少しずつ改善していくことも重要ですが、新しいサービスとして切り出すことも考えていく必要もあります。

広告以外での新たな収益ポイントを生み、ユーザーにも新しい価値を提供するという意味で、また別の柱を作らないといけない。そういう背景から今回、新たにビジネス開発本部という部署が立ち上がりました。

■これからのWEBサイトに求められるSEO対策

—そもそもSEOに目覚めたきっかけは?

元々、就職活動をしていた2005年くらいに、WEB業界が注目を浴びていたことがきっかけです。最初は単純にカッコいい、面白そうという気持ちからでしたが、現場の人と話をする中で、WEB業界にいる人の方が、新しい考え方でビジネスを捉えている、本質的な考え方を持っている人が多いように感じました。そんな環境の方が早く成長できるかなと思ったんですね。

そんな業界でSEOコンサルタントを選んだのは、需要と供給のバランスがマッチしていなかったから。つまり、SEOで成果を出したい企業は多くいてもそれに応えうるプレイヤーが圧倒的に不足していた。それは当時も今も大きく変わっていないように感じます。自分でもWEBサイトを作っていたのでSEOがどういうものかは体感的に知っていたし、自分がそこでデキる人になったら仕事が集まってくるのではないかという期待もあって、Web業界に転身する時に、SEOを専門に選びました。
 (3147)

—「All About」でのSEO対策は具体的にどのようなことをしているのですか?

SEOは大きく分けて、技術的なSEOとコンテンツ軸のSEOの2つがあると自分では捉えています。技術的なSEOというのはいわゆるデータベースサイトと言われるものに多いパターンで、代表例を挙げるならSUUMOやゼクシィなど、全国の物件・式場を網羅し、それをサイト内検索で、必要なコンテンツを出すタイプのサイトで行うもの。そのサイト自体がひとつのシステムになっているので、情報構造やデータの表示による重複コンテンツを防ぐなど、技術的なアプローチが必要になってきます。

一方、今までの「All About」や私が前職からやってきたのは、コンテンツ軸でのSEO。例えば、そのキーワードで検索してくる人が何を求めているのか、こちらの意図とずれていないかを検証して。不安な部分が解消されるような内容をきちんと盛り込んでいるか、ちゃんと答えに行き着いているかを考えてコンテンツを作っていきます。

今はもう検索エンジンがコンテンツの文脈まである程度読み込んでいると自分では想像していて、そういった背景も踏まえて、技術的なアプローチよりも、コンテンツそのもののクオリティが、「All About」としてはウエイトが大きいと考えています。

—仕事をするなかで、楽しさややりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

自分の立てた仮説が証明されて、想定した結果が出るのが楽しいですね。今年の7月に立ち上がったばかりのコンテンツコマースサイト「PICUP(ピカップ)」では割とそういうところがあって、小さな施策が1週間後のページビューに反映されます。結果から仮説が正しいことが証明されれば、それをマニュアル化して、後はオペレーションとして、ほかのページに横展開できるか。こういう掛け算の繰り返しがコンテンツメディアのSEOのベーシックな手法です。
「All About」の場合、台風が来ると雨に関する記事が瞬発的に伸びたり、TV番組で紹介された商品の記事がよく読まれるなど、ページビューは外部要因で変動することが多いですね。今の時期だとインフルエンザ。このタイミングで注目されることが分かっているので、9月くらいから古い情報がないか調べて修正しています。季節に合わせて記事をリライトするという施策も積極的に行っています。
 (3157)

—「All About」は信頼性を強みにしていますが、水落さんにとって”信頼性”の定義とは?

今のWEB業界では、「信頼できる人が書いたから信頼できるコンテンツ」ということがフォーカスされがちであるように感じるのですが、Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNといった、多くの人に利用されているECサイトも、十分信頼性がありますよね。専門家が書いたレビューがあるわけではないのに、多くのユーザーが購入していく。つまりそのサービスを信頼しているわけで、その信頼性はどこからくるのかと考えた時に、サイトが使いやすかったり、翌日配達してもらえたり、ユーザーのレビュー数が多くて参考になるなど様々な要因があります。

ですので、自分にとっての信頼性の定義は、ただユーザーに読んでもらうだけでなく、その先にアクションをしてもらって、この商品を買って良かった、この場所に行って良かったと満足してもらえるもの。それは簡単に数値化できるものでもないし、無理にする必要もないと思います。そういったバリエーション豊かな信頼性を「All About」に持ち込めたらいいなと思っています。

■「All About」を進化させるバーティカルメディア構想

—バーティカルメディア構想を推進する上で重要なポイントを教えてください。

オールアバウトが今まで培ってきた18万本の記事やそこに集まる月間3,000万人のユーザー、900人のガイドといったアセットを使って、掲げている「あなたの明日が動きだす」というサイトスローガンを体現できるビジネスにチャレンジします。きちんとコンバージョンポイントをもって、広告収益だけではないマネタイズを目指しています。その中でリーチという面では検索流入(SEO)が重要な役割を果たすので、そこの部分をコンテンツ制作含めて我々の部署が担っています。

お金や住まい、暮らし全般など、オールアバウトが得意としている分野でユーザーがアクションを起こせる出口(資料請求・申込みなど)まで誘導して、そこから実際にアクションしてもらって、本当に「明日を動きだしてもらう」ことを実現しようとしています。例えば保険の窓口に行ってもらったり、「PICUP」をみて商品を買ってもらったり、さらには不動産の内覧や購入までもしてもらうなどですね。人材領域の場合は、就職・転職を含む人のライフイベントに繋がるところを、きちんと出口まで繋いでいくということ。そして記事を読みに来た潜在層を顕在層にまで引き上げて、アクションしてもらう気持ちになってもらうことが大事です。

SEO的観点で言うと、そのキーワードで検索してくる人が何を求めているのか、こちらの意図とズレていないかを検証することが重要です。そのうえで量だけに頼らず、他では見れない情報やその見せ方という意味での質もきちんと見ていき、価値のある記事を制作します。
 (3162)

—課題はどのようなことでしょうか?

立ち上げたいサービスに対して純粋に人材が足りていません(笑)。積極的に採用をかける中、これまで20~30人くらいの方と面談をしましたが、1~2割くらいしかマッチしそうな人がいませんでした。その理由は、求めている人材がかなりレアだからです。

記事を作りたいというモチベーションだけではダメで、アクションに繋げてもらわないと、我々の目的が達成しません。そこも含めて考えられるスキルが必要。そうなると、メディアや雑誌での編集経験も必要なんですが、Webマーケティングの知識や経験に長けていることも重要になってきますね。

つまり、コンテンツ軸で入り口から出口まで考えられるマーケッターでなければいけません。Webマーケティング的な視点もあって、その上でコンテンツの良し悪しも理解できる。最近はアメリカでも出版社が運営するWebメディアがECサイトの経験者を採用して、コンテンツとコマースを繋げる戦略を取っていたりもするので、一気通貫でできる人材は間違いなく市場価値が高くなると思っています。

今それが出来なければいけないというわけではなく、Web編集、またはWebマーケティングの実績があってもう片方にポテンシャルの感じられる方であれば、それでもマッチすると思います。
最近、ジョインしてくれたメンバーだとECサイトのコンサルタントや、自分でメディア運営している人。そういうバックボーンの方がいますね。

—周囲からは水落さんの目標達成へのコミット度合いがスゴイ!と評判ですが?

営業職の経験からでしょうか。代理店でSEOコンサルタント兼営業をやっていた頃に入社3ヶ月でMVPを受賞し、実績を認められ地方の営業所の立ち上げを任されたのですが、そこでは全く数字が上がらないという悔しい経験をしました。その時から数字、つまり結果で示すことがとても重要になりました。
結果至上主義という考え方はあまり好きではないんですが、結果を示すということは、自分のやりたいことをやりやすくするための必要条件と思っています。
 (3166)

—今後、どのようなキャリアパスを歩んでいきたいですか?

複数のサイトを横串で見るよりも、何か特定のメディアやサービスを専任でみた方が成果が上がるという成功体験があるので、いつかは自分がゼロから起案した新規事業を専任で担当したいですね。そうするためには、他の多くのサイトを私が直接見なくても、ちゃんと動かしていけるような体制を作らなければいけないと思っています。

サービスのテーマでいうと、個人的には人材領域に一番興味があります。元々やりたいこととは違うところから社会人人生を始めて、途中で覚悟を決めて転職をして、今は楽しみを得て仕事ができるようになった経験があるので、同じような境遇の人が適材適所に移ることが出来れば、それももっとマッチングの精度が高い形で実現できたら、ということを考えています。

■オールアバウトでは一緒に働く仲間を募集中です!

(取材・文 綿谷禎子)
35 件

おすすめの記事

ヒト <リーダーズvol.13> 目指すべきは持続可能なエコシステムの構築

オールアバウトでは、2017年にアドベリフィケーションツールを導入し、優良メディアのみに絞ったアドネットワーク「All Aboutプライムアド」をローンチしました。次いで2018年5...

ヒト <リーダーズvol.12> 不確実な世の中で”長く続く会社”になるために

今年3月の決算説明会にて、7期連続増収・過去最高売上高更新を発表したオールアバウト。2020年に迎える創業20周年に向けて、今、順調に業績を拡大している背景について、代表の江幡さんに...

専門家 看護師の経験を生かして、お金の悩みに寄り添う「がん患者さん専門のファイナンシャルプランナー」に話を聞いてみた

All Aboutの専門家のお仕事を聞くコーナー。今回は、日本でただ一人、看護師の経験を持つがん患者さん専門のFPとして活躍する、All About「看護師FP/がんとお金」ガイドの...

人気記事ランキング

専門家 “あるもの” で「サンタ専用ソリ」をつくったら意外とよく出来た

総合情報サイト「All About」が誇る900人の専門家(ガイド)に色々聞いて、教えてもらうこちらのコーナー。 今回は、All About「工作・手作りグッズ」ガイドのトモコ ガル...

ヒト <部署紹介 Vol.12>オールアバウトの強みの源泉、個の力を引き出すビジネスモデルを支えるガイドサービス部

オールアバウトに関わる様々な”ヒト”のほか、部署にもフォーカスし、その内情を分かりやすくご紹介する本コーナー。第12弾はオールアバウトの強みの源泉、個の力を引き出すガイドモデルを支え...

ヒト 重要なのはポリシーと決定力。レガシー化した社内CMS移行プロジェクトの舞台裏

オールアバウトの成長や変革に寄与した人物にお話を伺い、仕事に対する価値観や取り組みを深堀していく「Players」。今回はガイドメディアツールのリニューアルプロジェクトを牽引した株式...