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<オピニオンvol.3>イルカ問題の裏にある問題から、私たちが学ぶこと ― 意見の違いの、その先 ―

2018.9.21

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<オピニオンvol.3>イルカ問題の裏にある問題から、私たちが学ぶこと ― 意見の違いの、その先 ―

業界で起きているニュースを取り上げ、解説や分析、意見を掲載するコーナー「Opinion」。今回はオールアバウトのChief Administrative Officer(最高経営管理責任者)の森田さんが登場。グループ全体の中期戦略のほか人事カルチャーづくりまで関与している立場から、異なる意見がぶつかった際の心得について語ります。

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9月1日、和歌山県太地町(たいじちょう)でイルカ漁が解禁となる日だ。この日を前にしてイルカ漁への反対活動のために入国しようとした反捕鯨団体「シー・シェパード」の活動家が関西国際空港で入国拒否された、とのニュースを目にした。ブラジルはじめ世界各地で、太地町のイルカ漁への抗議デモが行われた、という報道もあった。

この地域で行われているイルカ追い込み漁を批判的に描いた映画『ザ・コーヴ(The Cove:「入り江」の意)』の公開を機に、人口約3,000人の町が世界の注目を浴びるようになって、10年近く経とうとしている。

イルカ漁に賛成か、反対か?

今ここでは、イルカ漁をめぐる問題そのものに自分の意見を述べるつもりはない。ただ、太地町で直面している問題から、学ぶことがあると思っている。

たとえば、イルカ漁反対を掲げる側の主な主張には、以下のようなものがある。

「イルカを捕獲することは、海洋資源の破壊である」
「イルカの捕獲方法が残虐である」

これに対する賛成側の主張として、以下のようなものが挙げられる。

「地域の特性上、イルカを食料とすることが伝統・文化となっている(ので、捕獲する必然性がある)」
「鯨やイルカの肉を食べることは、牛肉や豚肉を食べることと同じ(だから、いけないことではない)」
「国際的なルールを尊重して、必要な範囲で捕獲している(ので、破壊はしていない)」

私の乏しい知識からすると、基本的な論点は、ざっとこんなところだと思う。しかし、この論点の周囲には、冒頭に挙げた入国拒否のほか、イルカ殺生の現場撮影に絡んだ賛成派と反対派のトラブル、反対活動家の逮捕、「水銀汚染されたイルカが食べられている?」問題、「イルカ肉を鯨肉として不正表示販売している?」疑惑(注1)……などなど、数多くの現実の事件が積み重なり、問題がこんがらがっていくわけである。
注1:ざっくり言うと、イルカとクジラを区別する違いは大きさくらいで、明確な違いはない。イルカもクジラも生物学的には、同系統の種類に属し、一般には、ハクジラの一部の小型種(成長したときの体長がおよそ4メートル以下の種)をイルカと分類している。日本語では「クジラ」と呼んでいる種を、英語では「Dolphin」と呼ぶなど、その分類は微妙である。
もはや、「何の問題か」を一言で表現することはできないが、どちらが正しいか・正しくないかは、さておき、それぞれの基本的な主張に対しては、イルカ漁賛成派からすれば、「おいおい、前からやっているのに、勝手に外からルール押し付けんなよ」という反応が返ってきそうだし、反対派からすると、「(賢いしかわいい)イルカを食べるなんて、なんてひどいことしてんの!牛肉と一緒にするな!」となりそうである。

お互いが主張していくこと自体は大事だし、必要だけど、議論がなかなか噛み合わないと感じる。

ただ、これと同じようなことが、私たちの日々の仕事のなかで起こっている。

「売上を上げるのが何より大事だ」と思っている人と、「お客様や一緒に働く人に喜んでもらうのが一番大切なことだ」と思っている人

「人は、放っておくとサボるもの」と思っている人と、「人は、他人が見てようが見ていまいが、目標の実現に向けて努力するもの」と思っている人

たとえば当社でも、「成果主義の評価制度」や「リモートワーク」など、何らかの人事制度・人事施策を選択しているわけだが、何かを選択すれば、反対意見をもつ人は必ずいるし、反対表明までしなくとも、制度導入当初の目的とずれた運用をする人が出てくる。

こういうときに、「人事制度」のような具体的な事象そのものよりも、その基になっている考え方・価値観が争点になっていて、そこから紐解かないといけない、と痛感する。

仕事をしていて、他人の理路整然とした意見に「なるほど」と思う場面が山ほどある。一方で、その多くが、その人の思う意見や結論が先にあって、それに合うように証拠やロジックを集めてるな、とも感じる。

一見もっともらしい「証拠、ロジック」で装った本心は、質(タチ)が悪い。そんな怪しげな「証拠、ロジック」なんだったら、私は、その人の考え方・価値観の方を知りたい。

お互いの「考え方・価値観」に丁寧に触れあうことが大事なのに、でも、現実の世の中では、もっと手前の、質(タチ)の悪い「証拠、ロジック」のレベルで翻弄されている気がする。ちょうど、イルカ漁の問題が、様々な周辺に起きた事件で複雑化しているように。

「考え方・価値観」を扱っていくために大事なことは、「この人がこんな考え方をする背景は何だろうか?」と、相手のことを深く理解したり、相手になったつもりで物事を理解しようとする、という姿勢だと思う。よく言われることだけど、実際にやるのは難しいし、自分も甚だ怪しい。

ただ、これができる人は強い。自分を信じることは大切だけど、過信しないで、相手の目線から自分を見つめて、自分にダメ出しできる人は、そこからさらに成長できる人だと思う。
当社では、事業に関しても、当社で働く人に対しても、「自立」がキーワードになっている。だから、私たちのサービスを通して、パートナーやお客様の自立を微力ながらお手伝いできていると思うとうれしいし、自立している人と働きたいと思っている。

ただ、果たして「自立」とは何なのか、を考える時に、自立している人の足元を見てほしい。

「自立」と言うが、たとえば「宇宙空間に立つ」ことをイメージしてみるとよい。地面も何もない空間のなかで自分だけが立っている、ということはできない。立つためには、その土台が必要だ。

そして、今、私自身が使っている、この「土台」という言葉も要注意だ。「土台」という言葉には、立っている人が主役で、土台は脇役、という価値観を暗に含んでいる可能性がある。

「だまし絵」で有名なエッシャーの作品に、以下のような絵がある。

M. C. エッシャー 「モザイクⅡ」(1957年)
この絵を見ると、「自分が主役だ」と暗に思っているその考えが、あるひとつの見方に過ぎないことに気づかされる。

自立するとは、自分「だけ」が頑張れば、自分だけがよければ、可能になるものではない。周りの人や置かれた環境の中で自分が立っている、さらに言えば、生かし、生かされている、ということを忘れず、そのなかで、自分の考え方・価値観を常に刷新して、自分をさらによくしていこう、という意志を持つことを「自立」と言うのだと思う。

そんなことを、太地町の問題から思った。

太地町の問題そのものにも、そこから派生する様々な問題にも、そして、太地町の問題と同じ構造をもつほとんどすべての問題についても、他を認める気持ちや、意見の違いを乗り越えて、その先にあるものを求める気持ちをもって進むことは、決して悪いことにはならないんじゃないか。

その意味で、”The cove”には”Hope”がある。
執筆者:森田 恭弘(もりた やすひろ)
1991年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。イギリス・ランカスター大学、ロンドン大学インペリアル・カレッジ(現インペリアル・カレッジ・ロンドン)マネジメントスクールにて学び、MBA取得。王子製紙株式会社入社。人事、経理、経営企画など担当。2000年11月に株式会社オールアバウト入社。マネジメントグループジェネラルマネジャー等歴任後、2009年6月退職。新興企業のCFO、コンサルティング、大学非常勤講師等を経て、2014年11月に株式会社オールアバウト 執行役員 CAOに就任。2018年6月に取締役に就任。
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