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Googleも知らない、世界の片隅で受け継がれていく言葉

2019.7.11

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Googleも知らない、世界の片隅で受け継がれていく言葉

社員が大切にしている言葉を紹介する連載企画「Quotes」。第3回に登場していただくのは、制作部の片山さん。小さい時におばあちゃんと起こした事件から生まれた言葉を紹介してもらいました。

  • 制作部
  • オールアバウト
  • 社員コラム

長男のプルプル

週末に子どもたちを連れて商業施設に行けば、売り物を壊し、人にぶつかり、他の子を泣かしと、いろんなことが起きます。なので身も心も物質でさえも『来たときより美しく』あったためしがありません。結果いつもハラハラして怒って注文の多い料理店の厨房にいるような感じになっています。

でもここ最近4歳の長男の方に少し気になる変化が出てきました。誰かとぶつかったりちょっと注意されたりすると、「なんか眠たくなっちゃった……」と言いながら、口をとがらせ涙をこらえプルプル震えるのです。

「さすがにそれくらいで泣かなくても……」とは思いますが、この世に出てきてわずか4年で打たれた杭みたくなっているとしたら親として申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

「のびのび育ってほしい」という想いと「人に迷惑をかけてほしくない」という想いのジレンマ。さてどうしようかとモヤモヤするたび、とある出来事を思い出します。そして自分も共鳴するようにプルプルするのです。

知らない少年につけられた記憶の名前

小学校低学年だった頃のぼくは、週末になるとよく家族+祖母でデパートに行っていました。当時はミニ四駆が全盛の時代。若者の車離れとは真逆で車から離れない子どもがたくさんいました。家族でよく行ってたデパートには大きなコースがあり、わがマシンを自慢したい小学生がたくさんいたことを覚えています。

そんなある週末のこと。自分より大きな少年たちの隙間をかいくぐりコースの前にやってきたぼくは、持ち主離席中のスペースを見つけました。そしてよそ様のミニ四駆や工具セットを勝手に触っていました。すると……

「なんしよんかちゃ!」

怒った少年がやってきてまくしたてられました。当然です。カーシェアなんて聞いたこともなかった時代、その小さな車は間違いなく彼のものでした。

小学校低学年からしたら彼はほぼ大人の高学年。遠足のお菓子を駄菓子中心で準備するのが低学年だとしたら、カルビーのポテトチップスなどの高単価商材をチョイスしてくるのが高学年です。あきらかな力の差がそこにはありました。

そんな高学年の威圧感を前に『ヘビににらまれたカエル的』になっていたぼくに、少年はたたみかけるようにこんな言葉を投げかけてきました。
「マミージェ」
なんだそりゃ。小学生の語彙力のせいではありません。世界から無知を無くそうとしてるあのGoogleでさえ、いまだに教えてくれない言葉です。もしかしたら「ちゃきいぜ」(※)の聞き間違いだったのかもしれません。その可能性は多分にありますがもはや確認のしようがありません。聞き間違いでも何でもいい。ネッシーの存在だって信じます。
※ちゃきい/横着という意味の方言ですが、この変形そのものが言葉の意味を何よりも表現していると言えるでしょう
年上の威圧感と初めて聞いた言葉の妙。今思えばこの2つだけで充分だった気がしますが、ぼくを『ヘビににらまれたカエルそのもの』に変えたのはこのあとでした。最後の藁です。

うしろで戦況を見つめていたらしい祖母がスッとやってきて、ぼくがやったことを忠実に再現しはじめました。ここまでのできごとを関係者間で丁寧に振り返っていくように。結果、これ以上ないほど自然に少年たちと言い争いになりました。最後は祖母です。

「ばあちゃん頼むからやめて」

カエルになったぼくは心の中で叫びました。「けんかをやめて」の名曲もまだ知りません。ただただ恥ずかしい気持ちでいっぱいだったことを覚えています。デパートからの帰り、祖母とものすごく距離をとって歩いたことも覚えています。2人の距離の開きようを訝る母がいたことも覚えています。心の複雑骨折ってこういうことを言うんです、きっと。

頭の中の記憶の引き出し。その中身が分かるように貼られるラベルシール。それに見ず知らずの少年が鉛筆で「マミージェ」と書き、祖母が上から油性ペンでなぞる。消しゴムでも消えない、洗濯しても落ちない、記憶の名前が記された瞬間でした。

記憶はやがて概念に

子どもが間違ったらちゃんと諭す。それが家族や大人の役割です。なので祖母の行動はおかしいのです。「もう孫がごめんなさいね。これ飴ちゃんよ。よかったらどうぞ」くらい言ってほしかったと今でも思います。

とか言ってるぼくですが、自分が親になって数年後、少し似た状況で祖母と同じような行動をとってしまいました。なんて感情的、なんて利己的、なんて近視眼的。なんて遺伝。やはり正義は立場によってころころ変わるあてにならないものです。絶対的な正義なんておそらくないのでしょう。

こういうことがあるたび気づけばまた「マミージェ」の引き出しを開けています。「引き出しマミージェ」にはいろんなものが詰まっています。カエルも2匹暮らしています。

■人のミニ四駆は勝手にさわらない
=世間のルールや常識
■勝手にミニ四駆をさわられた少年
=ルール違反の被害者
■ちょっと言い過ぎかもしれない少年
=ルールや常識が力をもって暴走
■お門違いに怒った祖母
=世間のルールや常識のゆらぎ
■カエルになったぼく
=羞恥心や理解不能や恐怖からの逃げ

このよくわからない状況。もう少し頑張れば一言で表現できるのかもしれませんがまだ整理ができません。一言で伝えられることなんてきっと大したことないんです。でもどういうときに引き出しを開けるのかはだんだんわかってきました。それは小さな恐怖や怒りを感じてぼくの中で何かしらの葛藤が生まれたときです。

初対面の人にあったとき。何のリスクも背負ってないとき。ただの批評家になってるとき。できることしかやってないとき。数字に逃げてるとき。長いものに巻かれようとしているとき。『壁と卵』を読んだとき。中央線に乗ってるとき。そんなとき臆病なカエルと勇敢なカエルがケンカを始めます。ここでもケンカです。

「“桜木花道のジャンプシュートの左手“みたいな生き方してんじゃねえよ」
不安や迷いや怒りを前に立ち往生すると飛んでくるカエルパンチ。

「わからないことに“主体的に”身を投じろ」
勇敢なカエルは続けます。

「危機管理は危機を知らんとできんよ」
実家が葬儀屋の友人シゲも悟ったように言ってきます。

ここに自分の弱さと理想があります。のびのび生きたいと願うのは「マミージェ」に亀甲縛りされてるからです。これはもうどうしようもありません。縄も含めて自分です。でもこの「マミージェ」があるからこそ、大小問わず『危機を乗り越える自作自演』への葛藤が生まれるのもまた事実。

そう考えると「マミージェ」はもうぼくを縛る記憶の名前ではありません。カエルジャンプを後押しし、不安や恐怖の縄をほどこうとする概念そのものなのです。

世界の片隅で受け継がれていく呪文

さてそうは言ってもです。いざ小さな危機に身を投じようと思ってもこれまでの経験が大体ジャマをします。こういうとこで調子に乗って骨折したなとか。もう1回スズメバチに刺されたら死んじゃうとか。

それらに負けないためにはプログラムが必要です。そしてプログラムの発動には呪文が欠かせません。「リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール」と言ったら飛行石が光ってラピュタを指し示すように。「バルス」と言ったらラピュタが崩壊するように。カエルジャンプを発動させる呪文……それはもう「マミージェ」しか考えられません。「マミージェ」こそすべてです。

これからの時代、人間的すぎるのはもうあてになりません。機械的でカエル的であることが重要です。飛行石にかわる意志をちゃんともって。地に足をつけてジャンプする。土から離れては生きていけないのよ。

そんなことをあれこれ考えてたら、長男のプルプルは彼の中でカエルがケンカしているんだと合点がいきました。今は記憶の名前でもなく概念でもないただの葛藤。やがていろいろ経験することで形を変えていくものです。そこからのびのび生きるための気づきを得ていくものです。

ぼくにできることは、子どもたちを見守り、もう少し大きくなったら名前を、そして呪文を教えてあげることです。そしてぼく自身がこれからも呪文を唱えてジャンプし続けることです。長男のプルプルがぼくのプルプルを引っ張り出したように、カエルの輪唱がちょっとずつ世界を変えていくと信じて。

いつもGショックをつけているのは呪文の言葉を隠すため。Gショックはお札のようなものですね。Gのショック(通称ゲロゲロショック)に耐えうるのはやっぱりGショックの時計なんです。
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