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検索ママのスマホ消費
主婦の2人に1人がスマホを使用している。これまでインターネットは、家族全体のものであるパソコンを使うしかなかった。それが今やスマホで自由自在に使えるようになり、家計管理アプリやネットスーパーが多く活用されるなど、主婦の消費行動に変化が表れてきた
25~49歳の主婦では2人に1人がスマホ利用者
通信各社のスマートフォン顧客争奪戦が激化するなか、主婦のスマホ普及率が上がっている。
今年5月下旬、凸版印刷株式会社が運営する電子チラシポータルサイト「Shufoo!」が全国の25~49歳の主婦5,031人に行った調査によれば、スマホ所有者は48.7%と、ほぼ2人に1人の割合に。昨年6月に行った同様の調査と比べ、約17%伸びたという。また、1日あたりの利用時間は、ガラケー利用者の約半数が「10分未満」なのに対し、スマホ利用者は4人に1人が「2時間以上」と回答。
便利なアプリも続々と登場するなか、スマホは主婦にとっても身近な情報端末になっていることが浮き彫りになった。
「子供が欲しがるので、一緒にスマホへ切り替えたという人が周りにも多かったですね。家族割が切り替えを加速した面もあるでしょう。主婦にとってパソコンはあくまで家族のための端末ですから、スマホという自分専用端末を持つようになった影響は大きいです。私のところにも、去年あたりから、主婦からネット経由で返事がすぐに返ってくるようになりました」と、「時短生活」ガイドのももせいづみ氏は実感している。
ネットスーパーで買い物アプリで家計管理
消費にかかわる部分では、主婦はスマホをどう活用しているのだろう。
「ネットスーパーが流行ったのは、スマホのおかげだと思います」と指摘するのは、「家電」ガイドの戸井田園子氏。旧来型の携帯電話ではサイトが重すぎて利用しづらかったが、ダイエーやサミットのようにスマホ専用アプリを用意するところも出てきている。
さらに、スマホが手元にあることで、主婦の情報収集や家計管理の形も変わる。
今年7月、トレンド総研がスマホを使用している20~30代の主婦500人に行った調査では、半数以上の51%が「スマホを節約や家計管理に利用したことがある」と回答。具体的には、家計簿アプリで家計管理をする、近所のスーパーのチラシ情報をアプリでチェックする、買い物の内容をアプリで管理して余計な買い物をしないようにするなど、節約アプリを活用している人が多かったという。
また、前述の「Shufoo!」では、インターネットの情報が実店舗での消費に影響を及ぼす、いわゆる「O2O(Online to Offline)サービス」の利用状況についても調べている。クーポンサイトや電子チラシサイトなどが「O2O」にあたるが、スマホ主婦の70%超がこれを日常的に利用していることが判明。なかでも、複数の店舗や商品やサービスが比較できる情報比較系のサイトが、利用度の高さで上位に多くランクされた。
「私の専門である家電で言えば、炊飯器などは高くても良いものが売れています。今の消費者はただ安ければいいということではないのです」(戸井田氏)
多くの商品やサービスを比較して、その内容と価格が適正かどうかという価値観で選択する──それが、スマホを手に入れた検索ママの消費傾向なのだ。