妊娠・出産部門
新型出生前診断と向き合う
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日本産科婦人科学会は今年3月9日、妊婦の採血検査による新しい出生前診断の指針をまとめ、発表した。新たな出生前診断は、妊婦の血液検査でダウン症など3種類の胎児の染色体異常を調べることができる。対象者は超音波検査などで胎児の染色体異常の可能性を示唆された妊婦や、高齢の妊婦。羊水検査なども含め、陽性だった場合のことも考慮して受診を決断するか否か、新たな選択肢が増えた。
妊娠・出産 ガイド
河合 蘭
「新しい出生前診断は今年一番大きな問題だったのではないでしょうか。妊娠初期に胎児のリスクについて考えなければならないので、妊娠の喜びも減りがちです。昨今の晩婚化、晩産化が根本にありますが、先天異常というものについて社会が考えたことがなかったのです。出生前診断をどう考えるかは大変難しい問題ですが、現状はリスクが高い人ほど検査を望むというわけではなさそうです。妊婦健診の現場にいる医師や助産師にヒアリングをすると、新型検査について熱心に質問をしてくる人には若い人、もしくは孫の心配をする祖母も多いという声をよく聞いています」