妊娠・出産部門
里帰りせず産後院へ
部門別ランキング3位
このところ、里帰り先の両親の高齢化などの影響で、“里帰り出産”が減り、「産後院」や「ドゥーラ」といった産後ケアを活用する動きが活発になっている。例えば「武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町」では、出産後4ヶ月未満の乳児と母親を対象に、母子の身体のケアから育児サポートを行っている(宿泊/日帰り)。また、「ドゥーラ」とは、出産前後の時期に、母親の体だけでなく心をサポートする存在として、アメリカをはじめ海外では既に広まっている職業である。
審査員
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母乳育児 ガイド
浅井 貴子
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産後 ガイド
丑田 香澄
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妊娠・出産 ガイド
河合 蘭
産後 ガイド
丑田 香澄
「いままでの日本は海外にはない 『里帰り出産』の習慣があるなど、血縁関係や隣近所で産後を支えてきました。最近は、核家族化や祖父母世代の仕事や介護、高齢化などで『頼らない/頼れない』例が増えてきました。アメリカだとベビーシッターを利用する文化などありますが、日本では母親が一人で抱え込みすぎてしまいがち。今年は韓国の『産後調理院』が話題になりましたが、産後ケアは富裕層だけのものではなく、だれでも産後には無理せず人の手を借りて養生することが大切です」
母乳育児 ガイド
浅井 貴子
「厚労省も産後ケアの整備についてモデル事業を推進していて、自治体だけでなく多くの病院も産後ケア施設を考えています。ただ、産後ケアも里帰り出産と一緒で、夫がお風呂に入れたり、新生児期の世話をしない傾向があり、夫が蚊帳の外になりやすく、父子分離の影響が懸念されます。産後ケアの今後は、夫をどう巻き込んでいくかが問題となるでしょう」