結婚・離婚・再婚部門
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お互いが人生をより楽しむために
離婚より卒婚する決断
婚姻関係は維持しつつもお互いに自立して生活する
熟年離婚が増えている。厚生労働省の人口動態統計にある「同居期間別離婚件数」(昭和22~平成26年)の推移をみると、同居20年以上の離婚件数はここ10年で横ばいだが、そのうち、同居35年以上の離婚件数の割合が多くなっているのがわかる。
そんな時代に夫婦のあり方として近年注目されているのが「卒婚」だ。婚姻関係は維持しながらも、互いに自立して生活する。具体的には、別居や半別居をしたり、同居であっても家事など自分のことは自分でする、生活費を別々にするなど、夫婦によって生活スタイルは様々だ。
お互いの人生を大切に 距離を置くことで見えるものも
オールアバウトが10月中旬、50代以上の既婚男女を対象に行ったインターネット調査(有効サンプル数208)によると、卒婚に「興味がある」と答えた人は28.6%。既に「卒婚している」と答えた人3.4%と併せると、32%が卒婚に前向きな姿勢を示した。男女を比較すると、「興味がある」は男性20.7%、女性36.0%と、女性のほうが卒婚に意欲を見せた。
また、卒婚のメリットだと思う点を聞いたところ、「お互いの人生を大事にできる」が過半数の52.3%。「適度な距離を保つことで、この先も仲良くいられる」が49.2%、「自身のやりたいことができる」が30.8%と続いた。男女の比較では、「離れることで、相手の魅力を再確認できる」(男11.5%・女25.6%)、「やりたいことができる」(男23.1%・女35.9%)、「家事をすることで伴侶への敬意がうまれる」(男15.4%・女30.8%)といった回答で女性が男性を10ポイント以上も上回り、女性のほうが卒婚に感じるメリットが多いことがわかった。
夫婦がそれぞれの人生を振り返り、これからの幸せな生き方を見据えたとき、離婚という選択ではなく、今の結婚形態を維持しつつお互いを認めあった上で自分流のライフスタイルを作り上げようとする『卒婚』が生まれました。感謝を礎にした夫婦の集大成として『卒婚』を決断することで、新しい夫婦のステージが誕生すると考えています。
~未来予測~
断然円滑「婚前契約」
婚姻前に、結婚生活に関するさまざまな事柄(資産の取り扱い、離婚の条件、生活上の義務や役割分担など)について取り決め、公正証書を作成しておく「婚前契約」。アメリカの弁護士事務所向けに行われたアンケート調査(2013年10月発表、N=1,600)では、63%が「過去3年間と比較して、婚前契約の数が増えている」と回答した。
オールアバウトが10月中旬、20代~40代の未婚男女を対象に行ったインターネット調査(有効サンプル数312)によれば、過半数の52.9%が「婚前契約に興味がある」と回答。男女別では、興味を持っている男性は55.4%、女性は50.6%とわずかに男性が上回った。
相手から婚前契約を提案された際に思うことを聞いたところ、1位「トラブルがあった時でも安心」46.2%、2位「夫婦の約束事が可視化できる」43.6%となった。相手から婚前契約締結の提示を受けた際も肯定的にとらえる人が多いと考えられる。日本でも女性の社会進出や婚姻の欧米化に伴い、今後、婚前契約の一般化が進むかもしれない。
粂 美奈子
結婚 ガイド
昔に比べると、離婚への抵抗感は少なくなり、結婚を神聖視する傾向は格段に低くなっています。結婚生活においては我慢や忍耐をする必要はなく、トラブルがあったらお互いに話し合い、歩み寄れなければ離婚もやむなし、というのが現代の若者の結婚に対するスタンス。そのような中で、結婚生活を円滑に進めていくために、また不幸にも離婚となった場合にも泥沼化せずに別れるための一つのツールとして、婚前契約が存在感を増してきているのではないかと思います。