消費・購買部門ランキング
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アナ雪、妖怪ウォッチ etc.
“やってみた”を見て、買ってみた
一緒に踊ってYouTubeにアップSNSが話題を拡散する
今年の大ヒットといえば、何と言ってもディズニー映画『アナと雪の女王』だ。公開から24週目の8月25日には国内の観客動員数が2,000万人を超え、興行収入が254億円を突破。これは、国内で上映された映画では歴代3位の興行収入となる。また、オリコンによれば、DVD、ブルーレイなどがパッケージになった同作品の映像商品MovieNEXは、初週売上枚数(7月14日~20日)が151.4万枚と全映像作品を通じて歴代最高を記録。その後も好調に売上を伸ばし、300万枚に達している。こうしたヒットを後押ししたのが、映画館で観客が一緒に主題歌を歌うという現象だ。
これについて「マーケティング」ガイドの新井庸志氏は、「アナ雪だけでなく、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』やアニメ『妖怪ウォッチ』のテーマソングに合わせて踊った動画をYouTubeにアップするなど、消費者が『参加する』という動きは広がりつつあります。さらに、それを拡散したのがSNSでしょう」と見る。
消費者が参加することでさらに消費が加速される
今年夏に発売されたニンテンドー3DS専用ゲームソフト『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』は累計出荷本数300万本を突破。TVアニメが始まった今年1月以降は、各社から関連グッズも発売されて人気となっている。たとえばバンダイナムコホールディングスは、第1四半期の決算発表時には、妖怪ウォッチの上期売上を100億円超と見込んでいたが、実際は225億円に上った。
子供は「妖怪ウォッチ」や「妖怪メダル」などの関連玩具を欲しがるが、供給が追い付かないほどの人気ぶりでなかなか手に入らない。そこで、身近な材料で親が手作りするという動きも。それがネットで話題になり、ますます『妖怪ウォッチ』人気に拍車をかけた。
「消費税アップで節約モードですが、我慢しての節約ではなく、楽しみながら節約する流れができていると思います」(新井氏)。
このように今年の消費は、消費者自身が参加することで話題が広がり、さらに消費が加速されるという動きが特に顕著だった。
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気軽で抵抗なく個人間売買
不用品や手作り品を手軽に個人間で売買できるフリマアプリ。その利用が、今年は活況を呈した。女性向けフリマアプリ「Fril(フリル)」を一昨年の7月にサービス開始した株式会社Fablicによれば、今年10月現在、同アプリのダウンロード数は200万に、月間物流総額は5億円以上に上る。また、同業の「メルカリ」は、昨年7月の配信開始から約1年強でダウンロード数は600万を突破。月間流通総額は数10億円に上るという。消費者がネットオークションなどを利用しない理由として挙げる「トラブルになりそう」という点については、受け取り後決済サービスの導入など企業側の努力もあって、警察庁に寄せられるインターネット・オークションに関する相談も2005年をピークに減少傾向にある。
★「節約」ガイド 矢野きくの氏
「ヤフオク!」や「楽天オークション」なども出品数が明らかに増えている感じがします。スマホのカメラで撮影して出品できる手軽さが、主婦などの利用につながったのでしょう。
★「通販・ネットショッピングの活用法」ガイド 遠藤奈美子氏
個人間取引には消費税がかからないので、今後は増税の影響もじわじわと出てくると思われます。
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スマホ片手に、思い立ったら即購入
博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンターが今年1月に、全国のスマートフォンユーザー1,000人(10代~60代)への調査結果を発表した。これによると、スマホでネットショッピングをしたことがある人は全体の65%に上り、そのうち利用理由として最も多かったのは、「思い立った時すぐ利用できる」で約74%(複数回答)。
一方、調査会社のMM総研は9月、スマホの契約数が「ガラケー」(従来の携帯電話)の契約数を初めて追い抜いたと発表した。その背景にあるのは、いわゆる「格安スマホ」の増加だ。たとえばイオンが4月に全国の総合スーパー約170店で発売したのは、端末と通信サービスのセットで月額2,980円(税別)と大手通信会社の半額以下。こうした動きが、今年は消費者のネットショッピングの利用を促進した。
★「節約」ガイド 矢野きくの氏
イオンの「格安スマホ」参入は、これまであまりネットショッピングをしなかった主婦や高齢者に与える影響が大きく、今後もスマホでの消費を後押しするでしょう。
★「通販・ネットショッピングの活用法」ガイド 遠藤奈美子氏
電子決済サービスも増えてきているので、「格安スマホ」の普及によって、主婦のお金の持ち方も変化するのではないでしょうか。