健康部門ランキング
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やめるべきは酒、タバコ、運動不足、不摂生
“健康寿命”を延ばすため、生活習慣を改善する
言葉の認知度はまだ低いが意識は高い「健康寿命」の延伸
WHO(世界保健機構)による「世界保健統計」では、今年も日本が長寿国世界一に輝いた(女性1位/87歳、男性8位/80歳)。しかし、長寿の中には一人で日常生活ができない高齢者も含まれ、膨張し続ける医療費が財政を圧迫しているのは周知のとおり。そんななか、注目され始めたのが、介護などを必要とせず健康で自立した生活ができる期間である「健康寿命」だ。
国民の健康寿命を延ばすことについては、安倍内閣の成長戦略の中にも盛り込まれたところだが、リサーチバンクが今年7月、40歳以上の既婚男女を対象に行ったアンケート調査(有効回答1,200件)では、「健康寿命」という言葉の認知度は14%どまり。しかし、健康寿命を「意識して延ばしたい」「出来れば延ばしたい」と回答した人は74%に上った。
フィットネスクラブに通う健康志向のシニア層が増加
経済産業省が2012年までの10年間にわたる第3次産業活動指数を分析した「産業活動分析(平成24年年間回顧)」でも、スポーツ施設提供業(全体)が横ばい傾向である中、その内訳の一つである「フィットネスクラブ」は上昇傾向で推移している。同分析では、それを支えているのはシニア層の健康志向であると指摘。こうした傾向について「食事ダイエット」ガイドの浅尾貴子氏は、「病気になってから病院に行くのは当たり前ですが、手術などとなると莫大なお金がかかります。それを未然に防ぐために、ジムや健康診断にお金を使ったほうが消費としては前向きだという事にそろそろ気づき始めたということでしょう」と話す。
また、労働時間の長時間化が問題視され、ストレス社会と言われる中、「睡眠ビジネス」も活況だ。寝装リビングタイムスによると、ベッドリネン・寝具市場規模は2011年に100.3%とプラス成長に転換。その牽引役は、質の高い睡眠を得るための「機能性寝具」であるという。「睡眠ビジネス」の裾野は広く、アロマや照明、サプリメント、睡眠時無呼吸症候群のための医療機器など、様々な企業が参入。来年以降もそれぞれの取り組みが話題になりそうだ。
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脂質NO!から糖質NO!へ
これまでのダイエットはカロリー重視で展開されてきたが、最近は糖質の摂取を抑える人が増えている。発泡酒も、糖質とプリン体をほとんど含まないタイプの売れ行きが好調。サッポロビールが8月中旬、第三のビールから発泡酒に変更して発売した「極ZERO」に続き、他のビール大手3社も9月に同様の商品を発売した。また、ローソンは、小麦粉より糖質の少ないブラン(小麦や米の外皮)を生地に使ったパンや菓子を展開し、高いリピート率を記録している。
★「食事ダイエット」ガイド 浅尾貴子氏
モデルたちも低カロリーな食事ではなく、焼き肉やグラノーラ、パンケーキなどを食べ、SNSに載せている。カロリー重視でない風潮は、そうした影響もあると思います。
★「家庭の医学」ガイド 菅原道仁氏
以前は、美容と健康に悪影響を与えるとして「酸化」が注目されていました。しかし、最近では、食事で摂取された余分な糖が悪影響を及ぼす「糖化」のほうが注目されています。そうした影響も大きいでしょう。
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郵送で手軽に遺伝子検査
昨年から話題になり始めた遺伝子検査。今年は民間企業が続々と参入し、多くの人が利用しやすくなった。ネットで検査キットを注文し、検体を郵送するというもので、価格も検査内容により数千円から3万円くらいと手ごろ。夏から秋にかけて、ディー・エヌ・エー(DeNA)やヤフーといった大手インターネット企業も相次ぎ、この分野に参入した。
遺伝子検査サービス「マイコード」を提供するDeNAライフサイエンスが6月、20~50代の男女800名を対象に行った「日本人の遺伝子検査に関する意識調査」では、遺伝子検査に関心がある人はおよそ半数。遺伝子検査が病気のリスク管理・予防につながると考えている人は約8割に上り、人々の関心の高さを示している。
★「薬」ガイド 三上彰貴子氏
今年は本格的に一般の人へ近づいてきた遺伝子検査ですが、なお一層の普及は、これから国がどのように関与していくかにかかっているでしょう。
★「家庭の医学」ガイド 菅原道仁氏
今のところ、検査の種目はどこも似たようなもの。検査業者を選ぶ際の目安になるチェックリストを経済産業省が作成しています。検査に基づく判定について、根拠となる論文や研究結果を持っていることを説明しているかなど事前の確認が重要。また、遺伝子による体質判定などはまだ研究途上で、研究の進展によって結論が変わり得る事も念頭におく必要があります。