モヤフォー研究所 SHARE ON vol.4マネーにモヤモヤ 貯蓄2000万円世帯から見えた “お金との付き合い方” 西山さん、またお会いできて嬉しい! 恥ずかしながらうちは夫婦そろって貯蓄が把握できていないことが先ほど判明したのですが……。 洋子さん、お久しぶりですね!皆さんと同じくアラフォー世代を対象に、 貯蓄額を聞いた調査でも把握できていない家庭は16%もいました。また、「2000万円以上」が14%となった一方で、「100万円未満・貯蓄は無い」と答えた人は17%となり、2極化の結果がとなりました。 あなたの世帯の貯蓄額を 教えてください ええっ! もう2000万円以上貯めている家庭がこんなにあるなんて!でも~どうせ世帯年収が数千万とかなんじゃないですか? 貯蓄が2000万円以上の人の年収を分析すると、1000~1200万円世帯が全体の24%を占めましたが、一方で400~800万円未満世帯が26%となるなど年収額が必ずしも貯蓄額に比例するわけではないのですよ。 うわ、うちと同じくらいでも貯めてる人たちがいるんだ。やっぱり、きちっと家計管理しないとダメ? もう、うちと一体何が違うのぉ~~~! 老後を見据えたマネープランや その準備・心構えについて 当てはまるもの 貯蓄2000万円世帯とゼロ世帯との比較 貯蓄を増やすとなると「まずは家計管理をしよう!」と短絡的に思いがち。1か月の収支を把握したり、小さなお金を節約したりということは大切なことですが、それだけでは近視眼的で、なかなかうまくいきません。夫婦や家族のやりたいことを確認し、そのために必要なお金がいくらかを考えるなど、長い目で人生をとらえてマネープランを立て、家族で共有していくことが大切なんです。 長い目で人生をとらえるか……。 教育費や生活費、住宅ローンで精いっぱいで老後の計画までは全く気が回らないですよ。さすがにまずいと思って、ゴルフの練習回数減らしたり、コストコでまとめ買いしたり、結構節約してるつもりなんだけどな。 え? ゴルフの練習行くの減ってるっけ? う、うん。 節約しているはずなのに、なぜかお金が貯まらないという方もよく見られますが、小さな出費の頻度がものすごく多いというケースがあります。 ううっ。コロナ禍になってたまに出勤するたびに必ずコンビニ寄って余計なもの買ったり、会社近くでしか買えない限定のパン買っちゃったりとかしてる! (苦笑)そうですね。貯蓄2000万円世帯が、ゼロ円世帯に比べて「出費にメリハリをつける意識をしている」が非常に多い結果が出ているように、かけるべきお金と抑えるべきお金を見極めて、満足感を高めつつ、無駄な出費を減らすことも必要です。また、「今後の大きな支出をある程度把握している」や「マネープラン(長期的な家計の支出スケジュール)を立てたことがある」と答えた人も貯蓄2000万円世帯では大きな割合をしめているとおり、少し先のことを見通したうえで、貯蓄の計画を立て、実行に移していきたいところです。 出費にメリハリか~! 今までは目先のやりくりしか見えて無かったけど、しょう太の教育費も本格的にかかってくるし、会社もこれから完全リモートワークに移行したら海の見えるところにも住んでみたいし、安心した老後を迎えるにはもっと先を見なきゃ! 先のことを見通すことがポイントなんやな! 今が忙しい洋子はんたちには大変やけど、頑張りや! 老後は遠い先の話は不確定要素が多いうえ、目の前のお金のやりくりで精一杯という人も多いと思いますが、現在と老後は、地続きです。老後に向けて、仕事の引退時期をイメージしつつ、老後資金準備の方法のひとつであるiDeCoについても調べておくことや、老後の大きな支出になりうる老後の住まいイメージについても、夫婦で話し合っておけるといいでしょう。 夫婦で老後についてどう考えているかをすり合わせるだけでも、今後の収入・支出・貯蓄への意識も大きく変わっていくと思います。 今後の収入といえば、コロナの影響で航空業界に勤めてる大学の同期がしばらく給料がカットになったり、別の業界の人も希望退職者を募る話もあったりして、何が起きるかわからない大変な時代になってきたと感じるよ。 テレビでみたけど、住宅ローンが支払えなくなった人も増えてきてるんでしょ? うちは大丈夫なの? 住宅ローンの見通し・ これからの住まいとは? 今回の調査結果では、住宅ローンに不安を持つ人が約7割と高く、先行き不透明なコロナ禍においては、当然の数字のように思えます。 うちも金利が上がってしまうと、かなり負担が増えるので、住宅ローンに対しての不安は大きいです。 今後の金利動向としては、「景気が良くならない→所得が増えない」という状況では、金利だけが上昇するという可能性は低いといえます。そのため、心配すべきは、金利の変動リスクではなく、いかに収入を確保できるのかという点になります。 金利が上がらない見込みなのは、ひとまず安心しました! でも収入の確保ってどうしたらいいんだろう。 調査でも今後の収入に不安を持つ人に、収入アップのため検討していることを聞いたところ、女性は「共働き」が、男性は「副業」がそれぞれ4割となりました。しかし、「検討していない」と回答した人が全体の3割もいて、これは非常に危険な状況だと思っています。 副業か。うちも副業を解禁するかもって話もでてきたし、そろそろ考えなきゃな。 コロナ禍において、 今後の収入面での不安有無 今後収入面で不安を持つ人に 聞いた、 収入アップのため 検討していること 住宅ローンの完済はどのくらいの年齢ですか? 完済が70歳の予定です……。 ちなみに、繰り上げ返済はしてますか? 全くしていません。最後に退職金で繰り上げられればいいかな~って。 調査でも定年退職以降も住宅ローンを支払う年数を組んでいる割合が過半数ですが、年金があてにならないアラフォー世代にとっては、機動力のある今だからこそ、安定した収入の確保によって、住宅ローンへの不安を払拭するとともに、計画的な繰り上げ返済を実行することが、老後への備えとなるポイントといえるでしょう。 定年退職以降も住宅ローンを 支払う年数で組んでいますか? 在宅勤務が続いて、価値観が変わったというか、都心で便利なことよりも実家により近いところでもう少し広い家にすみたいな~なんて妄想したりするんですが。実際問題どうなんでしょう? 実はいま、多くの人に価値観の変化が起きており、調査結果でも、三密回避や働き方の多様性の後押しもあって、郊外への移住を検討している割合が4割にも上っています。安定した収入を確保する一方、比較的、物価の安い郊外に移住することも一つの対策といえるかもしれません。 なるほど~!郊外だったらぐっと安く住めるもんな~。 しかし、安易な郊外移住は禁物です。移住先が、地元などの地縁のある場所ならまだしも、Iターン的に移住を検討しているのであれば、まずは、「週末だけ訪れてみる→賃貸で暮らしてみる」というように、段階を踏むことがお勧めです。なぜならば、住宅ローンの最大のリスクは、月々の支払いリスクではなく、売却する時に希望額で売れないことが最もリスクだからです。 結構バブルな時期に土地買っちゃったしな……。郊外移住の夢は一旦保留かな。 くぅぅぅ~! 海が見える家の庭でしょう太にサッカーさせるのは、老後のお楽しみか!あれ、そん時は孫か? これまで以上に、先行き不透明なコロナ禍においては、様々な対策をしていたにもかかわらず、収入減などを起因として、住宅ローンの返済が苦しくなるといった事態に直面するかもしれません。万一、そんな時であっても、金融機関に無断で滞納することだけは、絶対に避けてください。状況に応じて、返済計画を見直してもらえることがほとんどであるため、まずは、返済が苦しくなっている状況を金融機関の窓口に相談してみましょう。 悠々自適な老後を迎えるにはどうする? お金や住宅ローンとどう向き合えば良いかは分かってきました。あとは、老後の備えかな~。今の生活レベルは落としたくない!でも世の中が変わりすぎて、老後のイメージが全くわかない……。 年収もあんまり上がる兆しもないし、教育費と住宅ローンを完済したらすっからかんになりそう。親の世代の老後って悠々自適な人も多いけど、私たちの時代ってどうなるの?! まず、老後どのくらいの生活費をイメージしているのか調査したところ、6割以上の方が老後の生活費として400万円以上を希望しており、現在の老後の生活費の平均値(324万円)より高め。現在の老後世帯の持ち家比率が高いことや、アラフォー世代が老後にもらえる年金が目減りする可能性があることを考えると、老後によりよい暮らしをするには、早めに老後資金の備えをしっかりしていく必要があるでしょう。 悠々自適に老後を過ごすために必要だと思う 「年間生活費」 でも老後までのお金の計画って、いったい何から考え始めていいのか……。教育費・住宅ローンの支出やこれからの収入をシュミレーションするとかってこと? 今回の調査でも、「世の中が変わりすぎて、老後のイメージがわかない」「何から始めたらいいかわからない」という理由で、老後資金計画が立てられない人は多いです。先行き不透明な時代、自分たちだけでは老後の資金計画まで実施することは難しいので私たちFP(ファイナンシャルプランナー)やお金の相談先を見つけるのも一つの手ですね。 洋子はん、このあいだ「賢い女子のためのマネーセミナー」ってやつに興味津々やったやん。そういうのに参加してみたらいいんちゃうん? あれね~。結局、何か売り込まれるのな~って参加するの止めたんだよね(汗) 「何か売り込まれそうで怖い」という声はたしかにあると思いますが、美容院やレストランなどと同じで、自分との相性もあるので、複数のプロに相談してみるとよいでしょう。プロに相談したうえで金融商品を買ったり、保険に加入したりすることを検討する場合は、その場で即決せず、一度持ち帰って家族でじっくり考えてからを鉄則に、自分に合う人を探してみてください。 あとは、日本FP協会のサイトにある、無料で利用できる「ライフプラン診断」で、夫婦で話し合いながら数値を入力してみることもおすすめです。将来の収支や貯蓄の目安がグラフで見ることができ、ある程度の“たたき台”があることでイメージがわき、夫婦や家族でお金の話がしやすくなります。 老後破綻をしないためにもまずは老後を考えることを先送りせず、夫婦でイメージをすり合わせること。そして目標に向かって、小さなお金でも毎月確実に貯めていくことが重要です。お金について考えだしたときが悠々自適な老後へのスタートライン。ぜひ家族で今後のライフプランについて話し合いながら、同時に毎月積み立てていくことで、将来家族みんながやりたいことを叶えられるように準備していきましょう。 調査結果の詳細はこちら モヤフォー研究所 コンテンツ vol.1 親の介護 詳しく読む vol.2 キャリア 詳しく読む vol.3 子育て 詳しく読む vol.4 マネー 詳しく読む PAGETOP
貯蓄2000万円世帯から見えた
“お金との付き合い方”
あなたの世帯の貯蓄額を
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老後を見据えたマネープランや
その準備・心構えについて
当てはまるもの
貯蓄2000万円世帯とゼロ世帯との比較
夫婦で老後についてどう考えているかをすり合わせるだけでも、今後の収入・支出・貯蓄への意識も大きく変わっていくと思います。
住宅ローンの見通し・
これからの住まいとは?
コロナ禍において、
今後の収入面での不安有無
今後収入面で不安を持つ人に
聞いた、
収入アップのため
検討していること
定年退職以降も住宅ローンを
支払う年数で組んでいますか?
悠々自適な老後を迎えるにはどうする?
悠々自適に老後を過ごすために必要だと思う
「年間生活費」