情報はオタク化が求められている?! All AboutとPR TIMESが語る 個人がメディア化する時代の次世代広報活動の在り方とは?
去る9月4日、PR TIMESとオールアバウトが業務提携契約を締結。これにより、PR TIMESを利用する企業は、All Aboutで活動する約900名のガイドに向けて、プレスリリースを直接配信できるようになりました。専門家の観点から使用感など、コメントをフィードバックする専門家サンプリングサービス「ガイドPR」も同時期にローンチしたオールアバウト。 両社はどのような未来を見据え、ここから何を変えていこうとしているのか。PR TIMES 経営管理本部長の三島映拓さん、営業本部の土佐雪奈さんを迎え、オールアバウトのメディアビジネス本部で「ガイドPR」を担当する高橋幸代によるナビゲーションで、この提携に至った背景に迫ります。
株式会社PR TIMES 取締役 経営管理本部 三島映拓 2005年ベクトルグループ入社。2007年4月のPR TIMESサービス開始と同時に株式会社PR TIMESにジョイン。PRプランナーやサービス企画運営など経て、同社のアライアンス、広報、事業開発、経営管理を担当。2015年に執行役員、2017年に取締役に就任。 |
株式会社 PR TIMES 営業本部 土佐雪奈 2018年2月PR TIMESへ入社。営業本部に所属し、セールス&マーケティングを務める。幅広い業種のクライアントに対して、プレスリリース配信サービスをはじめとしたデジタルコミュニケーションサービスを提案するほか、500名集客のイベントPR TIMESカレッジの全体統括も担当。 |
株式会社オールアバウト メディアビジネス部ガイドプロデュースグループ マネジャー 高橋幸代 メディアビジネス部ガイドプロデュースグループマネジャー。2004年にオールアバウト入社。広告営業・商品企画担当として他媒体との共同商品開発等に従事。さらに編集部、メディア企画部を経て、NTTドコモとの共同メディア「イチオシ」や、「ガイドPR」企画の立ち上げを担当。 |
■企業とガイドとをつなぐ橋渡し
業務提携のお話は、確か今年のまだ早い時期にスタートしたんですよね。
まだ寒い時期でしたよね。最初は夏ごろの締結を目標にしていたと記憶しています。結局は春、夏と2シーズン跨ぐことになりましたね。(笑)
もともとは、All Aboutガイドの方へのサンプリングサービス「ガイドPR」のローンチにあたってPR TIMESと何かできないか、というところから話が始まって。ただ当社のお客様に紹介するだけではつまらないですよねという話から、どう組むとPR TIMESを利用する企業にとってメリットがあって、さらにAll Aboutガイドさんにもプラスになるか徐々に煮詰めていったと記憶しています。
そうでしたね。最終的に、当社のプレスリリース配信サービスの配信先に、All Aboutガイドさんという選択肢を入れ込むことになって。メディアだけでなく、専門家にも情報が届けられるという、当初想定していなかった取り組みが加わることになったんです。本当によかった!
専門家にプレスリリースを届けよう | PR TIMES×All About
PR TIMESとAll Aboutは、「広報担当者」と「専門家」のリレーション強化をお手伝いいたします。専門家へのリリース配信、無料の専門家リレーション広報勉強会、「ガイドPR」といったオプションサービスで広報担当者が持つ課題解決の一つの手段となることを目的といたします。
PR TIMESさんとして、メディア以外に個人で活躍する専門家に情報を届けるって、プラットフォームの拡張としては予定されていたんですか?
そうですね。企業の情報をお届けする先として、メディアに限らず幅を広げていきたいという理念はもともとあって。そういう大前提がある上で、専門家であるガイドさんをメディアと同様に捉えて、そこから新たなコミュニケーションが生まれていってほしいという思いが今回結実しました。
All Aboutガイドの中でも、プレスリリースから情報を得ているという方が4割ほどいらっしゃるんですよ。やはり日ごろから取材をうけたり、記事を書くことが多いので、日々の情報収集で活用されているんですよね。そういう声を聞いていたこともあって、企業から発信されるプレスリリースを、ガイドに効率的に届けられる仕組みができれば、おそらく活用してくださる方は多いだろうと感じていました。弊社としては、All Aboutガイドの方々には、総合情報サイト「All About」のみならず、専門家として活躍の場を広げていってほしい。そのためにも、ガイドが企業の広報さんとじかにつながりを持つことは、双方にメリットがあると思っていて。今回ご一緒できて本当に良かったと思っています。
■広報担当者が持つステークホルダーへの高い意識
企業広報の方と日々話す中で、ここ数年でステークホルダーへの意識の高まりを感じています。今はいろいろなステークホルダーを意識しないと、ということを異口同音におっしゃる。
そうですね。「メディア配信はしているが、情報をインフルエンサーにも届けたい」「製品情報だけじゃなく、発表情報に第三者コメントを足したい」といった声をよく聞きます。メディアだけでなく、もっと専門的な知識を持っている人に対してリリースを届けたいという意識が高まっているんですよね。今回、情報の届け先としてガイドさんという選択肢を増やせたことは、企業側のニーズにもかなっていると思います。
オールアバウトは来年で20年目を迎えるんですけど、記事の書き手であるAll Aboutガイドに情報を直接届けたいという申し入れは最近特に増えていて。長年運営するなかで、企業にとって重要性が増しているなと感じます。プレスリリースだけじゃなく、商品を使ってもらって専門家の意見を聞きたいというニーズもあり、オールアバウトでは「ガイドPR」をローンチしたんですよね。
誰もが自由に発信できる時代ですから、個人がメディア以上に力を持つこともあります。世間的にメディアへの信頼性が時に揺らぐ中で、個人として信頼されている方の発言は、メディア以上に信用されることもある。対個人だからこそ身近で、真似しやすかったり、受け入れやすかったりする。今回の提携は、そういった時代の流れにも後押しされていると思います。
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