ポストコロナ時代の新しいワークスタイルを模索!SDGsにも配慮したオールアバウトのオフィス移転の裏側に迫る
コロナ禍で多くの企業が新しい働き方を模索する中、いち早くリモートワークにも取り組んできたオールアバウト。今回のオフィス移転をきっかけに、今後ワークスタイルはどのように進化していくのか? さらに環境配慮した独自の工法とは? 移転プロジェクトの推進者である代表の江幡さんと、長年のパートナー・dada株式会社の野村さんのインタビューを通じて明らかにしていきます。
※本インタビューは、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施し、写真撮影時のみマスクを外しています。
野村 大輔氏 dada株式会社代表。建築デザイナー。2005年のオールアバウトのオフィス立ち上げから今回6回目の移転に至るまですべてサポート。ほかに、ジャニーズ事務所、資生堂、電通などのオフィスビルを手掛けている。デザインワークを主軸にディレクションからコンストラクションマネジメントまでを担い、クリエイティブな造り手達とプロジェクトを築き上げる。 |
◆オールアバウト6回の移転のすべてを手掛ける強力パートナー
―江幡さんと野村さんとのお付き合いは、長いと伺っていますが、きっかけを教えてください。
江幡
オールアバウトが創業して5年目の2005年に、初めてちゃんとしたオフィスを作ったときからの付き合いです。当時、彼は設計事務所の中のイチデザイナーさんでした。僕は、建築とかデザインとかインテリアとか好きなものですから、考え方にも結構こだわります。その僕の考え方をしっかり咀嚼してくれてかつ、施主側の立場にも立ち、非常にフラットに、まっとうに、筋道立ててちゃんとやってくれるというキャラクター。なので、ずっと一緒に仕事をさせていただいています。
―野村さんにとって、江幡さんはどういう存在なんでしょうか?
野村
本当に人生の目標ですね。生き方含めて、ずっと十何年前から追いかけて、生き方、豊かさ、常に学ばせていただいています。
―代表自ら移転プロジェクトにコミットしてくることのメリットってありますか?
野村
メリットしかないですよ。オフィスデザインって、経営戦略になり、広告宣伝になるプロジェクトだからトップとやるのが一番いいオフィスができてくる。ただこんなに関わってくれる方は、なかなかいないんです(笑)。
―江幡さんが空間デザインや移転そのものに毎回コミットしているのには、何か理由がありますか?
江幡
建築関係が好きで楽しいから!というのが大前提にあるとして、オフィスはグループ経営におけるワークスタイルやカルチャー醸成に直結することで、経営成果にとってとても重要なことですから。また、オールアバウトグループはグループ経営でビジョンの達成を目指しているので各社の個別最適ではなくグループマターとしてトップが担わないとうまくいきませんからね。
◆リアル+リモートワークの良さを最大限活用できるオフィスに
―6月末にオールアバウトは6回目の移転をします。その理由は何でしょうか?
江幡
一番大きな要因は新型コロナウイルスです。オールアバウトはコロナ禍にいち早く対応し、2020年2月末からフルリモートになりました。やってみると、リモートワークのいいところってたくさんありましたね。満員電車に乗らなくていいとか、ライフスタイルと合わせて時間の調整ができるとか。社員の健康にとっても、いい面があった。
しかし、一方でリアルなコミュニケーションもすごく重要だと再確認もしました。不確実な世の中に対して付加価値を出していくには、リモートのコミュニケーションだけでは不十分。アフターコロナに、リアル+リモートワークの良さを最大活用するために、オフィスの環境も大きく変えていく必要を感じました。たまたま恵比寿駅の近くに、意にかなうようなスペースが見つかったので「野村さん、一緒に考えない?」と声をかけ、プロジェクトをスタートさせました。オフィス面積はそれほど減らしていません。
しかし、一方でリアルなコミュニケーションもすごく重要だと再確認もしました。不確実な世の中に対して付加価値を出していくには、リモートのコミュニケーションだけでは不十分。アフターコロナに、リアル+リモートワークの良さを最大活用するために、オフィスの環境も大きく変えていく必要を感じました。たまたま恵比寿駅の近くに、意にかなうようなスペースが見つかったので「野村さん、一緒に考えない?」と声をかけ、プロジェクトをスタートさせました。オフィス面積はそれほど減らしていません。
―新しい時代のオフィスの環境は、どう変わるべきなのでしょう。
江幡
今まではワークスペースと会議室などのパブリックスペースの割合が大体7:3くらいでした。これを逆転させる。オフィスの方がスムーズで発展性のあることが何かを考えると、複数でコラボワークをするとか、1on1などで密なコミュニケーションをとるとか。リモートワーカーとオフィスワーカーがシームレスに働ける環境にするとかも考えたい。みんなで集うということでいえば、仕事以外のある種“遊び”に近いようなコミュニケーションやつながり、エンタメ要素としてのオフィスですね。
◆多機能型の映像配信スタジオを内在化する
―今回、新たに「映像配信スタジオ」の機能を持ったオフィスももう一つ用意されていますが、その狙いはなんでしょうか?
江幡
コロナ禍では、働き方だけではなく、仕事自体も進化をしました。営業スタイルもお客様のところに伺っての1対1の対面式ではなく、オンラインでのセミナー形式にして多くの潜在クライアントに来ていただき、ニーズの高い方をフォローするインバウンド型セールスになっています。また、「サンプル百貨店」を運営するオールアバウトライフマーケテイングはリアルのイベント開催も多かったのですが、コロナ影響でオンラインイベントに移行し、大きな成功を収めています。
「RSP LIVE成功の舞台裏」
オールアバウトグループで、日本最大級のサンプリングサービス「サンプル百貨店」を運営する、オールアバウトライフマーケティングは、YouTube上で、サンプリングを活用したプロモーションイベント「RSP Live(リアルサンプリングプロモーションライブ)」を2020年6月24日(水)に開催。大成功に終わったその舞台裏をキーマンである二人に聞いてみました。
江幡
このような状況から、動画の配信や素材の撮影などスタジオのニーズが高まってきました。そこで、道を隔てた反対側にスタジオを併設したワークオフィスをもう一つ借りることにしました。天井高が5メートル近くあり、編集ルーム、控室、サブスタジオもあるので、高品質な番組の配信や収録が可能です。
野村
スタジオは天井高がないと成り立たないので、よく出たな!という好物件でしたね。
スタジオ機能を持ったオフィス
◆コンセプトは「アフターコロナで進化するオフィス」「価値が長く続き、色あせない」
―そういったニーズや背景があっての移転となったわけですが、新オフィスのコンセプトを教えてください。
野村
ひとつ目は「コロナ禍で進化するオフィス」です。コロナ禍によってワークスタイルは激変しました。オフィス業界は、縮小してオフィスがいらなくなるところと、これを機に進化していくだろうというところに2分化されましたが、オールアバウトは後者と考えています。
まずは、先ほど江幡さんがおっしゃっていたように「何のためにオフィスに来るの?」というところが一番大事だと思います。オフィスでなくてはできないというところを大切にしています。
これまでも常に進化し続けているオールアバウトのオフィスですが、コンセプト部分のワークスタイルの概念が、大きく広がって進化したという意味では6回目の今回が一番落とし込まれているんじゃないかと思います。
まずは、先ほど江幡さんがおっしゃっていたように「何のためにオフィスに来るの?」というところが一番大事だと思います。オフィスでなくてはできないというところを大切にしています。
これまでも常に進化し続けているオールアバウトのオフィスですが、コンセプト部分のワークスタイルの概念が、大きく広がって進化したという意味では6回目の今回が一番落とし込まれているんじゃないかと思います。
江幡
そうですね。
野村
もうひとつ、オールアバウトのオフィスコンセプトとして以前からあるのが「価値が長く続き、色あせない」です。
江幡
色あせない価値には二つの意味があります。機能的な価値と、デザイン的な見た目とか意匠とか、ビジュアルの価値。両方とも長続きするコンセプトが重要だと思いますね。
野村
今までは、ある程度確実性が見えていた中での「色あせない」だったかもしれない。ただ、今回の「色あせない」というテーマは、不確実性のある今の時代においては重みが違うと思っています。
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