――森さん
「そうですね、言葉をそのままに受け止めるのではなく、その中にある信頼性や意味などをきちんと理解することがヘルス・リテラシーだと思います。キュレーションサイトの件など、この数年の間にいろいろなことがあったので国民全体にヘルス・リテラシーの意識が上がったのではないかと思われます。本来あるべきこのリテラシーが欠けることで、マイナスの健康被害が生じる危険性もありますし、受けるべき診療を見逃すこともありえます。健康面で損をすることになるので、リテラシーを上げることは大事なことです」
−しかし、なかなか素人が判断するのは難しかったりします。コツなどはあるのでしょうか?
――森さん
「最近は誤った健康情報でも生活者にいかに信頼性高く見せるか工夫されているものが多いです。ただ、それでも見破るコツはあります。大きく3点あるのですが、
・『医療や健康に絶対はない」を前提にすること
・その情報で誰が得をするのか考える
・常識と照らし合わせて考える
です。 例えば、『コクランレビュー』というサイトがあるのですが、運営母体は非常に信頼性の高い情報を発信している団体です。世界中の医療従事者が参考にしていて、医療を大きく改革したと言われています。市民とも協力体制をとっているので、こうしたサイトを参考にすると良いと思いますね」
・『医療や健康に絶対はない」を前提にすること
・その情報で誰が得をするのか考える
・常識と照らし合わせて考える
です。 例えば、『コクランレビュー』というサイトがあるのですが、運営母体は非常に信頼性の高い情報を発信している団体です。世界中の医療従事者が参考にしていて、医療を大きく改革したと言われています。市民とも協力体制をとっているので、こうしたサイトを参考にすると良いと思いますね」
Our evidence |コクラン
コクランは世界中の協力者と協働して、権威があり重要かつ信頼性の高い科学的根拠(エビデンス)をコクランレビューとして提供しています。
−今年は著名人がガンに罹患したり亡くなったりしました。そこで話題になったのはセカンドオピニオンですね。
――森さん
「この数年でかなり浸透しましたね。セカンドオピニオン外来や窓口などもでき、診療報酬としても正式に認められました。ただ、国民全員が知っているわけではないですし、知っていても最初に診療した医師に遠慮して受けないという人もいます。でも、より多くの人に知っていてもらいたいので、自信をもって、遠慮せずどんどん利用して欲しいですね」
――大塚編集長
「健康において、このような言い方は少々不適切かもしれませんが、知らないと損をすることは多いようです。これはマネー部門でも同じことが言われていましたね。」
最後に1位です。
【1位】(キャリア)『意外にできた「働き方改革」~定時に帰る決断』
今年は、“働き方改革”という言葉がニュースなどで多く取り上げられていました。出生率を上げることの妨げにもなっているとも考えられている長時間労働の是正と、主要7カ国で最も低い労働生産性を向上させることは国や企業にとって急務です。このテーマは社会性も強く、多くの人に影響がある課題であること、またオールアバウトが行った調査によると、この「働き方改革」に対し約9割が「好意的」に捉え、約半数の方が何かしら「働き方改革」の実施、検討を行ったことから総合ランキングの1位に選ばれました。
これについて、All About「マネジメント」ガイドの大塚万紀子さん にお話しをうかがいました。大塚さんからは事前にコメントをいただいています。
『意外にできた「働き方改革」~定時に帰る決断』解説
via www.youtube.com
――大塚さん(動画より)
「9割の人が働き方改革に好意的だという結果に驚きを感じています。これまで他人事として捉えていた人が、自分事として進めていきたいと思うようになったのではないでしょうか。
最近は仕事以外の学びを大切にする人もいれば、育児や介護との両立などが求められる人もいます。会社に言われたからではなく、自ら選択して働き方をつくっていく、今はそんな過渡期にいるのだと思います。
40年前と今では、企業が勝つための戦略が180度変わったといっても過言ではありません。40年前は働き手がたくさんいましたし、組織の中に多様性は必要なく、いち早く消費者の元に商品やサービスを届けることが求められてきました。今は、男女ともに働けて効率的に成果をあげることができる、そういった組織を作らないと企業として生き残れません。かつての勝ちパターンから、これからも生き残るためにどうしたら良いのかを考えたほうが良いでしょうね」
――大塚編集長
「勝ちパターンが変わった、これに気付いた企業が今後も生き残っていくのでしょうか。一方、従業員サイドにももちろん課題はあるそうで、働き方を変えようにもどうしたら良いかわからない、という人もいるようです。まずは自分事にした上で、業務の棚卸しから始めると良いかもしれません。」
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