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「すまし」「白味噌」……だけじゃない!社員の“実家雑煮”を調べてみた

こんにちは、広報グループのやなぎです。 突然ですがみなさん、今年のお正月もお雑煮食べましたか?それ、どんなお雑煮でした? 我が家は割とスタンダードな関東風雑煮を食べますが、地方によって、味やお餅の形、調理の仕方も変わるというのは有名な話です。 噂に聞くと、お餅にあんこが入っているような地方もあるとか。 その地方の特産物を具に使うというのはわかるのですが、なぜスープやお餅の焼き方、形までも地方ごとに異なるのでしょう……? 正月シーズンのみならず、いつでもお餅が食べたい“餅ラー”な私はいてもたってもいられず、All About「暮らしの歳時記」ガイド三浦さんにお話しをお伺いすることにしました。

「暮らしの歳時記」ガイド 三浦 康子

「暮らしの歳時記」ガイド 三浦 康子

和文化研究家、ライフコーディネーター。
わかりやすい解説と洒落た提案が支持され、
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ、講演、商品企画などで活躍中。
様々な文化プロジェクトに携わり、子育て世代に「行事育」を提唱している。
順天堂大学非常勤講師。著書、監修書多数。
-お雑煮って、そもそもなぜ食べられるようになったんでしょう?
お雑煮は年神様に供えた餅をいただくために作られた料理です。
神様にお供えしたものをいただくことで、その1年を生きる気力を授かる、という意味があります。

-なぜ味のつけ方に差があるんですか?
これは日本における文化にキーがありそうです。
もともとお雑煮は味噌でいただくことが多かったのですが、関東は醤油の食文化が盛んなうえ、武家文化の影響で、「苦労する、失敗する」という意味のある「みそをつける」行動を嫌ったため、すまし汁に移行していったと言われています。
京都を中心に宮廷文化が栄えた関西では、神様の好む色である「白」を重視した結果、白味噌が受け継がれていったのでしょう。

-餅の形が違う理由は?
お餅の形についても、これらの文化の影響が強いと考えられます。
年神様に供える鏡餅を模すことから、もとは丸餅がオーソドックス。伸して切り分けるようになったのは、寒冷地でもカビやひび割れさせないため、江戸時代以降の爆発的な人口増加に対応できるよう効率性を求めたため、敵を「のす」ためなど諸説あります。
丸餅文化圏では、より伝統を重んじている傾向がありそうですね。武家社会と公家社会の差、と言えるでしょうか。

-餅を「焼く」「煮る」の違いがあるのはなぜ?
丸餅を煮るのが本来のお雑煮なので、角餅の場合には、焼いて角がとれれば丸くなると考え、焼くようになったと言われています。

-三浦さんが「特徴的だと思うお雑煮」はどこのものですか?
特徴的なものというと、香川の「あん入り餅」のお雑煮が有名でしょうか。
香川は砂糖(和三盆)の名産地で、これが特産品として幕府へ献上されていました。ただ、当時の砂糖は非常に希少で高価なものでもあったため、特産品と言えども気軽には食べられませんでした。でも、正月くらいは甘いものを食べたいと、餅にくるんで隠したのが「あん入り餅」を使う理由と言われています。
ぜんざいのような甘いお雑煮を食べる文化も中国地方の一部に存在するようですが、この「あん入り餅」のお雑煮は香川でのみメジャーなようです。
あとは、一度お椀からお餅を出して別皿のタレを付ける岩手の「くるみ雑煮」、雑煮文化のない沖縄で広く食べられている料理なども面白いかなと思いますよ。
日本の長い歴史を感じる理由に、ただただ関心するばかり…… 三浦さん、ありがとうございました。
ざっくり分けると関東と関西で味付けなどは変わるのですが、「自宅は関東だけど夫/妻が地方出身」などで、その家庭独自の進化を遂げていることが多い、というお話しもお伺いしました。
これ、オールアバウトの社員に聞いて回ったら何か変わりダネを発見できるかも……?
と、思いついた私は約40名にアンケート調査を行いました!

その結果、(私が関東出身だからかもしれないですが)めずらしいお雑煮を色々と発見。
ということで、社員から寄せられた情報と、三浦さんに伺った情報の中から、「コレちょっと食べてみたい」と思ったお雑煮を、料理部の協力のもと、「食べ部」(※)の皆さまと食べてみました。
(※食べ部:社内・社外で行われるフード系イベントにひょこっと現れる、おいしいものが大好きな人たちの総称。会社公認の部活ではありません!)

~社員より~

①出汁に工夫あり!伊藤さんち(広島県)の「ハマグリ雑煮」

うちのお雑煮は「貝・昆布・イカ・しいたけ」のあわせ出汁!
すまし風で丸餅を焼いて頂きます。
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「ハマグリ雑煮」

②具まで真っ白、菱倉さんち(京都府)の「真っ白雑煮」

小芋、大根、焼き豆腐と、具も真っ白なのがうちの雑煮。
丸餅を煮て、シンプルな昆布出汁のおつゆで。
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「真っ白雑煮」

③北海道風?(※)独自の進化を遂げた、新婚・鈴木さんちの「おろし雑煮」

北海道の嫁の実家で食べているもの。
鶏、かつお、昆布のあわせ出汁にたっぷりの大根おろしと、海苔、野菜が入っています。

※実際には汁が入ります
※三浦さんによると、北海道も沖縄と同様、お餅の入ったお雑煮を食べる文化は存在しないそう。
 しかし、本州からお雑煮の文化を持ち込んだ人が多く、沖縄よりも喫食率は高い傾向にあり、その家庭で独自に進化している傾向が高い……とのことです。
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「おろし雑煮」

~番外編~

“甘い”と“しょっぱい”のコラボ、 香川の「白味噌あんこ餅雑煮」

いりこ出汁と白味噌のおつゆに、大根、ニンジン、里芋の具入り。
今回は(私の独断により)こしあんのお餅で。
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「白味噌あんこ餅雑煮」

いざ、実食。

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①出汁に工夫あり!伊藤さんち(広島県)の「ハマグリ雑煮」
・シイタケ、かつお、貝のだしでうまみが強烈!(岐阜県出身・男性)
・思ったよりさっぱりしているけど、出汁の香りがいい。(北海道出身・男性)
・旦那が関西出身のため家では白味噌雑煮。白味噌文化圏の人間からすると、ちょっと物足りないかも?(東京出身・女性)


②具まで真っ白、菱倉さんち(京都府)の「真っ白雑煮」
・甘めのみそと昆布出汁が優しい味。(広島県出身・女性)
・シンプルでお上品。お豆腐など、胃に優しい感じ。(岐阜県出身・男性)


③北海道風?独自の進化を遂げた、新婚・鈴木さんちの「おろし雑煮」
・大根とのり、出汁の相性がとてもいい(新潟県出身・女性)
・大根おろしでさっぱり、野菜もたっぷりなので七草がゆの代わりになりそう。(京都府出身・男性)
・汁のおかげか大根おろしの辛味はなく、さっぱり食べられた(神奈川県出身・女性)


~番外編~甘いとしょっぱいのコラボ、香川県の「白味噌あんこ餅雑煮」
・「あんこ入り」に驚くが、味としてはアリ!(岡山県・男性)
・いりこだしの香ばしさと餡入り餅の相性がいい(広島県・女性)
・お雑煮としては驚きがあるけど、意外と普通に食べられる。(神奈川県・女性)
実食前は満場一致で番外編のあんこ入り餅雑煮が人気でしたが、実食後は③の、大根おろしたっぷりのお雑煮が大人気。私もいただきましたが、本当にさっぱりしていておいしかったです!奥様の家庭の味をほめられた新婚ホヤホヤのSさん、頬のゆるみが抑え切れていませんでした。(笑)

ちなみに・・・社内から寄せられた情報を日本地図に集約した「オールアバウト的雑煮マップ」は以下のようになりました!
 (82)

 (83)

 (84)

 (85)

というわけで、季節度外視で唐突にお雑煮について調べてみた私ですが、普段はなかなか知ることのできない社員のルーツが垣間見えて面白かったです!
「何やってんの?」と普段はあまり話ができない方に声をかけられたりと、嬉しいことも!
今年の正月もお餅で3キロほど増量した私は、食べ過ぎには気を付けよう、と思いつつ筆をおくことといたします。
お読みいただき、ありがとうございました。
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