All About「女性の健康」ガイドに働く女性の“つらい症状”コントロール術を聞いてみた ~セミナーレポ~
広報グループの安田です。All Aboutにはさまざまな専門分野を持つガイドが約900名います。そんなAll Aboutガイドを講師に迎えて不定期に行っている社員向けセミナーのなかで、今年1月に実施した“女性の健康セミナー”をレポートします。
■労働損失は4,911 億円?! 働く女性の健康に社会の関心が高まる
女性にとって常にベストコンディションで仕事に臨むのは大変なこと。 多くの人が毎月の生理痛や生理前のイライラ、貧血や冷えによる不快感などに悩まされているのではないでしょうか。
今後企業が生き残るための必須課題とされる「健康経営※1」の観点において、特に女性特有の健康問題への対策は重要な要素として高い関心が寄せられています。経済産業省の発表では、月経随伴症状※2による1年間の社会経済的負担は“労働損失”が71.8%と最も高く、その推計額は4,911億円にものぼると試算されています。
※1:従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法のこと
※2:月経前や月経中の不快な症状の総称
今後企業が生き残るための必須課題とされる「健康経営※1」の観点において、特に女性特有の健康問題への対策は重要な要素として高い関心が寄せられています。経済産業省の発表では、月経随伴症状※2による1年間の社会経済的負担は“労働損失”が71.8%と最も高く、その推計額は4,911億円にものぼると試算されています。
※1:従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法のこと
※2:月経前や月経中の不快な症状の総称
講演資料より
オールアバウトグループの社員にとったアンケートでも、月経随伴症に限らず、女性社員の約8割がなんらかの不調を感じることがあると回答。そこで、今回の社員向けセミナーでは、内科医であり、All About「女性の健康」ガイドの山本 佳奈先生を講師に招き、女性の健康に関するさまざまな症状とその予防・対策法について教わるセミナーを実施しました。今回はその模様をお伝えします。
■「citrus」での解説動画の再生回数は約14万回! 人気ガイド山本 佳奈先生が講師
今回講師に招いた山本先生は内科医で、現在新宿ナビタスクリニックに勤務されています。専門分野は“貧血”ですが、“低用量ピル”“性感染症”“不妊”“痩せ”“更年期障害”など、女性の健康に関する症状・病気について研究を行い「女性のための総合医」を目指して日々活動されています。
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Red Ball Awardインタビュー記事はこちら
教科書に載ってない医療情報を、正しく、わかりやすく、やわらかく伝えていく。【女性の健康ガイド 山本佳奈】 - About All About
6月8日に開催したRed Ball Japan2019で発表された Red Ball Awardの、「citrus」部門で受賞したAll About“女性の健康ガイド”の山本佳奈さん。内科医として日々多忙な中、山本さんにはアラフォーの女性に伝えたいことがたくさんあるという。山本さんとcitrusの荒井編集長に、山本さんの記事作りやそこにかける思いや方向性について伺った。
そんな女性の心強い味方である山本先生にセミナーではこのようなことを解説いただきました。
女性が毎日ベストコンディションで活き活きと過ごすには?
・ 私たちを悩ませる、女性特有の症状はこんなにたくさん
・ 女性のカラダについて知っておきたいコト
・ 女性の貧血の現状と対策
・ 婦人科系疾患は軽減できる!
・ プレコンセプションケアについて
・ 毎月やってくる“PMS”への対策
■女性のライフステージの変化に伴って起こる“不調”への対処法を伝授
セミナーでは、貧血や月経前症候群(PMS)、妊娠に備えたプレコンセプションケア、婦人科系疾患の予防など、女性特有の悩みや疾患に対して、世界の研究エビデンスに基づいた最新の情報を伝授いただきました。ここでは貧血、そしてPMS対策について先生の解説の一部をご紹介します。
山本先生講演 - 貧血について - “貧血”とは、体内の組織が酸素不足の状態、つまり「酸欠状態」のことを言います。貧血の症状としては、頭痛・めまい・肩こり・倦怠感・息切れ・動悸など、そして、氷を年中食べてしまうといったことも特徴的です。 ある調査では、50歳未満の日本人女性の22.3%が貧血※3という結果もありますが、実は、貧血であっても無症状の人は多いんです。 ※3 引用文献:Kusumi E, Shoji M, Endou S, et al. Prevalence of anemia among healthy women in 2 metropolitan areas of Japan. International Journal of Hematology 2006; 84: 217-9. 「毎日なんとなくだるい……」といった人が実は貧血だったということも。 そんな“隠れ貧血”は、ヘモグロビン値は正常範囲であっても体が鉄欠乏症状である「潜在性鉄欠乏症」と診断されます。ヘモグロビン値は正常でも、鉄を貯蔵するフェリチン(貯蔵鉄)値が低くなっている状態が続いているのです。 その目安となる血清フェリチンが15ng/ml未満の日本人女性の割合は、かなり多くなっています。 20歳代 45.3 % 30歳代 48.3 % 40歳代 48.4 % 50歳代 14.2 % (平成21年 国民健康・栄養調査より) 基本的な治療としては、定期的な血液検査を行いながら、フェリチンが十分な数値になるまで鉄剤を飲む治療を継続することになります。最近の研究では、鉄剤を隔日と毎日服用するのを比較しても、鉄吸収率に大差ないことがわかっており、毎日飲む必要はないとお伝えしています。 【 鉄剤服用による鉄吸収率について 】 対象:serum ferritin ≤ 25ng/mLの18-40歳女性 期間:14日または28日、鉄剤(60mg)を内服 毎日行う群→ 鉄吸収率16.3%,累積鉄吸収量 131.0mg 隔日行う群→ 鉄吸収率21.8%,累積鉄吸収量 175.3mg (Stoffel N, et al. Iron absorption from oral iron supplements given on consecutive versus alternate days and as single morning doses versus twice-daily split dosing in iron-depleted women: two open-label, randomised controlled trials. Lancet Haematol. 2017 Nov;4(11):e524-e533..) 健康診断ではヘモグロビン値のみで判断していますので、もし思い当たるふしのある人、病院でフェリチンの検査をしてみるのも良いかもしれません。そして、普段の食生活のなかでも対策できることはあります。お肉の中でも赤身肉を選んだり、魚でも赤い魚、たとえばカツオやマグロなどでも鉄分が多く摂取できるので意識してみてください。 |
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