【前編】子育て中のママたちと「すてても やめても うまくいく」方法をAll Aboutガイドに聞いてみた ~書籍発売記念イベントレポート~
昨年の12月5日、八重洲ブックセンターにて、All Aboutモヤフォー研究所『すてても やめても うまくいく』 の出版を記念して、書籍編集者と著者であるAll About専門家の二人の対談イベントが開かれました。
コラムニスト犬山紙子さんも推薦! 書籍のご紹介はこちら
ママたちの「こうしてやめれば大丈夫」BOOK - 妻として、母として「もっとこうあれ」「もっとこうしなきゃ」にがんじがらめの日本中のママへ「All About モヤフォー研究所」初の書籍、11月22日より全国書店にて発売中。
イベントでは、WAVE出版の大石さんがモデレーターとなり、書籍の第1章「料理の『しっかり』を捨てる」および第2章「家事の『ちゃんと』を捨てる」を執筆した、All About「時短生活」ガイド・ももせいづみさん、All About「家事・掃除・子育て」ガイド・藤原千秋さんをゲストに迎え、捨ててもいい家事やその捨て方、家族とのコミュニケーション方法まで、トークショーを展開しました。
イベントには多くのママたちが参加してくださいました
――イベント登壇者はこちら
モデレーター:大石聡子(おおいしさとこ)WAVE出版編集部部長 雑誌編集者を経て大好きな本をつくる世界へ。得意分野は女性エッセー、生活本、子育て本。担当書籍に『若杉ばあちゃんの子宮を温める健康法』『心屋先生のお母さんが幸せになる子育て』 『可愛いままで年収1000万円』など、初めての著者発掘、著者の違う魅力を深堀する本づくりに力を入れており、書籍名も読者のリアルが感じられるもの、読者の心に強いインパクトを与えるものが多い。 |
時短生活ガイド ももせ いづみ 暮らしを楽に、豊かにする情報を発信する生活コラムニスト。子育てをしながらフルタイムやフリーランスで働いてきた経験をもとに、忙しくてもすっきりと豊かに暮らすアイデアを発信し続けている。『書くだけで運と幸せが集まる 新版「願いごと手帖」のつくり方 (主婦の友社)』 などいままで出版した著書は約50冊以上。豊富なアイデアは男女、年代を問わず支持され、メディア出演や本の執筆、講演活動などで幅広く活躍中。 |
家事・掃除・子育てガイド 藤原 千秋(ふじわら ちあき) 家の事・子どもの事・仕事の三つ巴を愉しむ三児の母。ずぼら掃除を提唱。大手住宅メーカー営業職を経て、主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆し19年目。現在は監修、企画、広告、アドバイザリー等の業務にも携わる。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)などを執筆・監修。マスコミ出演も多数。 |
■子育て中のママの「やめたい家事ランキング」を発表
大石: はじめにこの本が誕生したきっかけを会場の皆さんにご紹介しますと、家事に育児にお仕事に、頑張りすぎているママたちに「これ、やめてもいいんだ」と少しでも気持ちが軽くなってもらいたい。そんな想いから本書の制作がスタートしたんですね。ママ達のリアルなお悩みに専門家たちが優しく指南。「やめるって意外と簡単なことなんだ」と、ママたちの「やめる」を後押しをしてくれる一冊になっています。
今日は「料理」と「家事」の専門家お2人にご登壇いただくということで、子育て中のママたちに「家事」のなかで何を捨てたいかを聞いたところ、このような結果に。 見ていきますと、「浴槽・トイレの掃除」それから「洗濯物をしまう」を捨てたいという方は多いですね。あとは「夜ご飯を作る」も。これは毎日のことですからね。会場でも頷いていらっしゃる方も多いですね。
今日は「料理」と「家事」の専門家お2人にご登壇いただくということで、子育て中のママたちに「家事」のなかで何を捨てたいかを聞いたところ、このような結果に。 見ていきますと、「浴槽・トイレの掃除」それから「洗濯物をしまう」を捨てたいという方は多いですね。あとは「夜ご飯を作る」も。これは毎日のことですからね。会場でも頷いていらっしゃる方も多いですね。
大石: このランキングを見ても分かる通り、ひとくくりに「家事」といっても日本の女性に求められることは、非常に多く、その現状に悲鳴をあげているママもたくさん。
今日はそんなママたちに向けて、ももせさん、藤原さんの豊富な経験と知識をもとに「これ、やめて大丈夫だよ」というお話を伺えればと思っています。
■一汁三菜は原点じゃない。世界の食事風景をのぞいてみよう
大石: 初めに、「料理の『しっかり』を捨てる」というお話をももせさんから伺いたいと思います。「やめたい家事ランキング」では会場でも頷きが多かった、料理。実は私も一番料理が大変です。
朝、夜、ちゃんとしなきゃ。色どり、栄養も考えなきゃ。そんな呪縛にとらわれている私たちに、ももせさんより“一汁三菜じゃなくていい”というお話を伺えればと思います。
朝、夜、ちゃんとしなきゃ。色どり、栄養も考えなきゃ。そんな呪縛にとらわれている私たちに、ももせさんより“一汁三菜じゃなくていい”というお話を伺えればと思います。
ももせ:
よろしくお願いします。まずね、食卓の基本は一汁三菜が正解と思っている方が多いですが、じつはこれ、原点ではありません。
一汁三菜の原点は、精進料理の「おもてなし」料理なんです。もともと日本では戦前、女性は農家や家業に、休む間もなく働いていたので、一汁一菜が当たり前だったんですよ。それが戦後「専業主婦」という新しい職業ができたことで、家庭料理もこうした新しい役割に見合うレベルに引き上げようと様々な工夫がされてきました。その中で、それ以前の日常の食事とはかなり違う理想型が生み出され、広まってしまった部分もかなりあります。
なので歴史的にも浅いわけですね。最近は土井善晴さんなどプロの料理人が“一汁一菜でもよい”と提案されている本も出版されていますが、私もね、囚われなくていいのでは思います。
一汁三菜の原点は、精進料理の「おもてなし」料理なんです。もともと日本では戦前、女性は農家や家業に、休む間もなく働いていたので、一汁一菜が当たり前だったんですよ。それが戦後「専業主婦」という新しい職業ができたことで、家庭料理もこうした新しい役割に見合うレベルに引き上げようと様々な工夫がされてきました。その中で、それ以前の日常の食事とはかなり違う理想型が生み出され、広まってしまった部分もかなりあります。
なので歴史的にも浅いわけですね。最近は土井善晴さんなどプロの料理人が“一汁一菜でもよい”と提案されている本も出版されていますが、私もね、囚われなくていいのでは思います。
大石: 一汁三菜は戦後に作られた理想形だったんですね。ちょっと心が軽くなりました。ほかにも罪悪感なくこれでいいんだと思えるような方法があればぜひ教えてください。
ももせ:
日本のママは食事の準備と配膳を全部整えてから「ごはんですよー」と声をかけて、わっと食べ終わっておしまい、そして一人で後片付けをする。というのがまだまだ普通だと思いますが、フランスには「アペリティフ」という前菜の習慣があるんです。
最初に簡単な一皿を出しながら、皆がいる前でメイン料理をオーブンに入れる。できあがった料理は夫が切り分ける。みんなで作りながら食べるんですよね。そうした“ダラダラ食べ”のいいところは、最初に出されたものから食べるところです。そうすると、子どもも例えばほうれん草など、苦手な野菜が出て来ても、お腹がすているから食べるんですよ。食べながら、さやえんどうの筋を取ったりするから、食育にもなりますよね。
最初に簡単な一皿を出しながら、皆がいる前でメイン料理をオーブンに入れる。できあがった料理は夫が切り分ける。みんなで作りながら食べるんですよね。そうした“ダラダラ食べ”のいいところは、最初に出されたものから食べるところです。そうすると、子どもも例えばほうれん草など、苦手な野菜が出て来ても、お腹がすているから食べるんですよ。食べながら、さやえんどうの筋を取ったりするから、食育にもなりますよね。
大石: 食事のプロセスにお子さんやご主人を巻き込んでいくって素敵ですね。ももせさんは最初から、一汁三菜をしなくていいと思えていたのですか?
ももせ:
私も最初は「こうしなきゃいけない」という考えに縛られてました。でもね、海外で生活をしてみると、アメリカだと食事は基本ワンプレートで済ませたり、お弁当はジップロックにプチトマト20個と食パンだけとか。最初は「え、これでいいの……?」と思いましたが、それがあまりにも普通のことなので次第に「いいんだね!」と思えるようになったんです。そうして日本以外の食卓を見たことで考え方を変えるきっかけになりました。
大石: 世界の食卓を知ると視野が広がりますね。ジップロックのお弁当、気持ちが楽になります(笑)
Back Number
Rankingランキング
- MONTH
- WEEK