山本先生講演 - PMSについて - 女性にとって毎月の悩みとして多くあげられるのが“月経痛”。生理休暇は制度としてあるものの、取得率は0.9%と低い状態※3となり、多くの女性が月経痛は「我慢」するものだと認識しているのではないでしょうか? ※3:厚生労働省:「平成 27 年度雇用均等基本調査」より 「月経困難症」とは、月経時に下腹部痛・腹痛など骨盤を中心とした堪え難い疼痛を主体とするもので、以下に分けられます。 ① 機能性月経困難症(原発性)器質的疾患を認めないもの ② 器質性月経困難症(続発性)子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮頸管狭窄などの疾患に伴うもの 病院では②に該当しないことを確認したうえで、月経困難症の治療薬として低用量ピルを出すことも可能です。低用量ピルといえば、避妊効果があることの認知は高いですが実はそれだけでは無く、月経困難症にも有効なのです。 講演資料より ピル服用率 フランス 41% ドイツ 37% 英国 28% 米国 16% 韓国 2% 中国 1.2% (2013年の国連人口部の統計より) 月経困難症の症状があってもなかなか病院に行くのははばかられる、という人も多いと思いますが、PMSは軽減できるもの。毎月の不快な症状を取り除くためにもぜひ選択肢の一つとして検討してみてください。 また、低用量ピルの飲み始めの時期は、吐き気や胸のはりなどのマイナートラブルが出る場合もあります。現在日本で処方されている低用量ピルは2種類あり、段階的にホルモン量を増やすものと一定量のものがあります。ピルを服用をしていても、なかなか安定しないなどがあれば、薬との相性もありますので別の種類を処方してもらうなどの調整もしてみてください。 |
終了後、参加者からはこのような感想が寄せられました。
受講前はなんとなく知っている内容かなと思っていたが、隠れ貧血や子宮頸がんワクチン、ピルに種類があることなど、学びが多かった
普段あまり考えていない女性の体のことや、妊娠などに関わるキャリアプランに対する気づきになったのでよかった
女性特有の疾患について短時間で網羅的に学べたことは満足で、足りていなかった知識を補うことができました
冒頭でもお伝えしましたが、このような女性特有の健康問題への対策は、企業や社会にとって重要な使命となっています。生理休暇取得のハードルを下げる取組みをしたり、PMSの対処法としての低用量ピルの服用に関して、正しい知識の啓蒙や会社の補助の検討など、今後日本社会として取り組んでいくべきだと感じました。
山本先生、貴重なお話有難うございました!
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