相談者の人生の行間を読み解きながら、気持ちよくお金とつきあっていける方法を見つけたい【投資信託ガイド・深野 康彦】
オールアバウトでは、年に1度、あらゆる領域の専門家が全国から一堂に会する「Red Ball Japan」を開催しています。18回目となる今回のイベントから、各分野で活躍されたガイド(専門家)の皆様に対し賞を授与する取り組み「Red Ball Award」を開始しました。今回は"相談コンテンツ部門"で受賞された「投資信託」ガイド・深野 康彦さんにお話を伺いました。深野さんは、オールアバウトの長寿人気コンテンツ、マネープランクリニックの相談役として、最も多い案件を担当いただいています。マネープランクリニックの立ち上げ当時の話から、本コンテンツにご協力をいただくパッションの源泉について、相談コンテンツ事業を行うコンテンツプロデュース部の中村友弥と聞きました。
All About「投資信託」ガイド
深野 康彦(ふかの やすひこ) 大学卒業後、クレジット会社勤務を経て、1989年にFP業界へと入る。金融資産運用設計を中心に研鑽し、1996年に独立した。オールアバウトの長寿人気コーナー「マネープランクリニック」において、読者の家計相談を受けるFPとして活躍。ほぼすべての相談に関わり、現在も高い人気を誇る。 |
■チーム深野でつかんだ賞
――「Red Ball Award」受賞、おめでとうございます。まずはご感想をお願いします。
深野 「私でいいのかな」というのが正直なところですね。一方で、私ももうすぐ57歳になりますが、この年で褒められることはそうそうないので、人に認められるということは嬉しいことだなとあらためて感じました。
そして表彰式でもお話ししたとおり、この受賞は私だけの功績ではなく、相談者との窓口になってくれているオールアバウトの担当編集や、実際に執筆しているライターの清水京武さんが一丸となって「チーム深野」として取り組んだ成果だと思っています。チームの中でたまたま私が「先生」として名前を出しているので私が表彰されただけで、今回の受賞はチームで得たものに相違ありません。ですから1人で壇上に立つことになって、チームのみんなには申し訳ないなと思いました。
そして表彰式でもお話ししたとおり、この受賞は私だけの功績ではなく、相談者との窓口になってくれているオールアバウトの担当編集や、実際に執筆しているライターの清水京武さんが一丸となって「チーム深野」として取り組んだ成果だと思っています。チームの中でたまたま私が「先生」として名前を出しているので私が表彰されただけで、今回の受賞はチームで得たものに相違ありません。ですから1人で壇上に立つことになって、チームのみんなには申し訳ないなと思いました。
――今回の受賞の決め手は、雑誌のあるじゃん時代から長らく担当されているマネープランクリニックにおける、圧倒的な相談件数でした。その数、4年半で350件です。
深野 「オールアバウトにそれだけたくさんの相談が寄せられているということですよね。
もちろん、著名な先生が多くいらっしゃる中で、相談相手として私を選んでいただいたことは大変光栄ですし、身の引き締まる思いもあります。深野に相談してよかったなと思ってもらえるように、これからも変わらず、ひとつひとつの相談に真摯に向き合っていきたいですね。
もちろん、著名な先生が多くいらっしゃる中で、相談相手として私を選んでいただいたことは大変光栄ですし、身の引き締まる思いもあります。深野に相談してよかったなと思ってもらえるように、これからも変わらず、ひとつひとつの相談に真摯に向き合っていきたいですね。
■気持ちよくお金とつきあえる手法を模索する
――深野さんがマネープランクリニックで回答される上で、重視されていることは何でしょうか。
深野 私自身、ダメなFPだと思っているんですよ。
相談者の家計収支データを見たときに、経済合理性から考えると、悪いところ、改善すべきところが見えてくるんですね。でも私はそれをバッサリ切ることをしません。
もっとバッサリ切れば、貯蓄ができたり、将来の不安が取りのぞけたりする。でも、私はそれをしないんです。
相談者の家計収支データを見たときに、経済合理性から考えると、悪いところ、改善すべきところが見えてくるんですね。でも私はそれをバッサリ切ることをしません。
もっとバッサリ切れば、貯蓄ができたり、将来の不安が取りのぞけたりする。でも、私はそれをしないんです。
――なぜバッサリ切り捨ててしまわないのですか?
深野 「私はFPである前に人間であり、相談者に寄り添いたいと思っています。
私は相談者の人生の行間を読み解きながら、相談者がいかにストレスなく、気持ちよくお金とつきあっていけるか。その方法を見つけてあげたいんです。
例えばアイドルの追っかけをしていたり、コレクションの趣味があったり。そうした嗜好性の高い支出は、普通は真っ先に切っていかなくてはならない項目です。切りやすい部分でもあります。しかし、その部分はその人の尊厳だと思うんですよ。むしろその尊厳を残す方法を考える、というのが私のポリシーですね。
私は相談者の人生の行間を読み解きながら、相談者がいかにストレスなく、気持ちよくお金とつきあっていけるか。その方法を見つけてあげたいんです。
例えばアイドルの追っかけをしていたり、コレクションの趣味があったり。そうした嗜好性の高い支出は、普通は真っ先に切っていかなくてはならない項目です。切りやすい部分でもあります。しかし、その部分はその人の尊厳だと思うんですよ。むしろその尊厳を残す方法を考える、というのが私のポリシーですね。
――節約するところはするけれども、その分のご褒美としての尊厳は守る、ということですか?
深野 そうです。それによって、私の助言が長続きするんだろうなと思います。
時間はかかっても、結果的に家計は改善していく。家計管理に逆転満塁ホームランはないんです。ですから急激な、無理な方法はお勧めしません。無理やり節約しても、ダイエットと同じで結局はリバウンドしてしまいますからね。
オンラインでの相談で行間を読むというのはとても難しいことで、その点、相談者との窓口である担当編集には大変助けられています。
時間はかかっても、結果的に家計は改善していく。家計管理に逆転満塁ホームランはないんです。ですから急激な、無理な方法はお勧めしません。無理やり節約しても、ダイエットと同じで結局はリバウンドしてしまいますからね。
オンラインでの相談で行間を読むというのはとても難しいことで、その点、相談者との窓口である担当編集には大変助けられています。
中村 深野さんは、相談者の本質を見極めながら、どういう生き方をしたいのかを引き出していくんです。対処療法的な西洋医学ではなく、体質改善……東洋医学的なアプローチなんですね。相談者とのやりとりも、ものすごく細かいんですよ。
例えば、家計が逼迫しているのに、毎月ペット飼育費として2万円使っている相談者がいたとします。マネープランクリニックでは、そのペットはネコなのかイヌなのか、何匹いるのかまで子細に調査していきます。そうすると、光熱費が平均よりも高いのはネコのせいかもしれないなど相談者の暮らしがより理解できるようになるんですよ。
そうした「チーム深野」の丁寧な「行間を読む」工程に支えられているからこそ、長年人気コンテンツとして維持できているのだと思います。
例えば、家計が逼迫しているのに、毎月ペット飼育費として2万円使っている相談者がいたとします。マネープランクリニックでは、そのペットはネコなのかイヌなのか、何匹いるのかまで子細に調査していきます。そうすると、光熱費が平均よりも高いのはネコのせいかもしれないなど相談者の暮らしがより理解できるようになるんですよ。
そうした「チーム深野」の丁寧な「行間を読む」工程に支えられているからこそ、長年人気コンテンツとして維持できているのだと思います。
■マネープランクリニックは社会貢献
――直近では月間20件超と、大変な相談件数をこなされていますが、深野さんの原動力となっているものは何でしょうか。
深野 マネープランクリニックは、社会貢献だと思ってやっています。
今現在、FPにお金を払って相談するというのは一部の人で、一般的にはまだまだハードルが高いですよね。FPの数は増えたものの、未だ黎明期であり、社会的ニーズには応えられていません。
今現在、FPにお金を払って相談するというのは一部の人で、一般的にはまだまだハードルが高いですよね。FPの数は増えたものの、未だ黎明期であり、社会的ニーズには応えられていません。
――そのための第一歩として、マネープランクリニックが機能しているんですね。
深野 FPとは何か、マネープランクリニックを通じて知ってほしいんです。
FPとしての宣伝ができて、相談者の方々にも喜んでいただける。こんなに有り難いことはないですよ。できることなら一生の仕事にしたいですね。
また幸いなことに、経済評論家をはじめ、さまざまな分野の専門家から「マネープランクリニックを読んでいますよ」との声をいただくことが多く、手ごたえはひしひしと感じています。ある意味、あの場に届く相談はお金に関する悩みの最先端だと思うんですよ。とてもリアルな情報が蓄積されているので、経済的な視野からもとても参考になるのだと思います。
我々FPもお互いに高め合いながら。ゆくゆくは「家計相談ならオールアバウト」と言ってもらえるまでにコンテンツとして成熟させていきたいですね。
FPとしての宣伝ができて、相談者の方々にも喜んでいただける。こんなに有り難いことはないですよ。できることなら一生の仕事にしたいですね。
また幸いなことに、経済評論家をはじめ、さまざまな分野の専門家から「マネープランクリニックを読んでいますよ」との声をいただくことが多く、手ごたえはひしひしと感じています。ある意味、あの場に届く相談はお金に関する悩みの最先端だと思うんですよ。とてもリアルな情報が蓄積されているので、経済的な視野からもとても参考になるのだと思います。
我々FPもお互いに高め合いながら。ゆくゆくは「家計相談ならオールアバウト」と言ってもらえるまでにコンテンツとして成熟させていきたいですね。
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