■時代に応じて変化していく相談に柔軟に対応する
――長期にわたり相談を受けられていますが、相談内容に変化は見られますか?
深野 うつ病を患う男性の相談を受けて以降、病気に悩む方からの相談が爆発的に増えたのを覚えていますね。その男性は30代後半の公務員で、仕事がつらく、とにかく蓄えはあるので仕事を辞めたい、早期リタイアをしたいが大丈夫だろうかという相談でした。
心の病を患っている方からの相談を受けたのはそれが初めてでしたが、その相談を掲載したところ、ものすごい反響があったんです。
心の病を患っている方からの相談を受けたのはそれが初めてでしたが、その相談を掲載したところ、ものすごい反響があったんです。
36歳公務員、貯蓄4000万円。今からリタイアできる? [お金の悩みを解決!マネープランクリニック] All About
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は36歳の男性公務員。退職し、セミリタイアという形での生活を望んでいるとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。
オンラインの相談の場でも、自分を出していいんだ、と、同じような病気の方に希望を与える結果になったのだと思います。同時に、早期リタイアに関する相談もどっと増えました。その頃はまだ早期リタイアに関するマニュアル的なものが確立されていませんでしたからね。
今では
「病気、ケガ、心の病等がある方のお金悩み相談」
「早期リタイア・セミリタイアしたい人のお金の悩み相談」
というカテゴリができています。マネープランクリニックと謳いながらも、その実は「人生クリニック」なんだと思います。
今では
「病気、ケガ、心の病等がある方のお金悩み相談」
「早期リタイア・セミリタイアしたい人のお金の悩み相談」
というカテゴリができています。マネープランクリニックと謳いながらも、その実は「人生クリニック」なんだと思います。
中村 オールアバウトのビジョンは「個人を豊かに、社会を元気に。」を掲げ、個人の自立を支援しています。代表の江幡は常々、人が自立するには「不安なく」「賢く」「自分らしく」生きることが必要だと話します。このマネープランクリニックは、まさにお金に関して「不安なく」の部分をフォローしています。
そして、年2000件集まるお金の相談と深野さんをはじめとするプロの回答がオールアバウトに蓄積され続けていることはとても大きな財産。専門家の知識と、相談者の本質を見抜くための知恵をスムーズにつなげて、お金に関する不安の解決量を今後も増やしたいと思います。
そして、年2000件集まるお金の相談と深野さんをはじめとするプロの回答がオールアバウトに蓄積され続けていることはとても大きな財産。専門家の知識と、相談者の本質を見抜くための知恵をスムーズにつなげて、お金に関する不安の解決量を今後も増やしたいと思います。
■チームのみんなでフォローしあえる関係づくり
――長期にわたりオールアバウトと仕事をしていただいていますが、弊社に対しどのような印象をお持ちですか?
深野 最初にお話ししたとおり、「チーム深野」は素晴らしい才能に恵まれていると感じています。
相談者と直接やりとりしている担当編集、すべてを確認し取りまとめている責任者、実際に記事に仕立てているライター、誰が欠けても私のマネープランクリニックは成り立ちません。
マネープランクリニックは人生クリニックだと言いましたが、ある意味、相談者の人生を深く知らなければ、本当の意味で相談者の役に立つ回答にはなりません。とてもセンシティブな作業をチームのみなで背負っているのです。
相談者と直接やりとりしている担当編集、すべてを確認し取りまとめている責任者、実際に記事に仕立てているライター、誰が欠けても私のマネープランクリニックは成り立ちません。
マネープランクリニックは人生クリニックだと言いましたが、ある意味、相談者の人生を深く知らなければ、本当の意味で相談者の役に立つ回答にはなりません。とてもセンシティブな作業をチームのみなで背負っているのです。
――相手の人生を背負う……伺っているだけで疲れてしまいそうです。
深野 はい。正直、疲弊する相談もあります。しかしチーム全員が「相談者を助けたい」「相談者の人生がいい方向に向かうことが嬉しい」という認識を共有しているからこそ、マネープランクリニックは長く続いているのだと思います。
そう言えば、まだマネープランクリニックが紙媒体「あるじゃん」に掲載されていたころは、実際に相談者に会いに行って、直接お話を伺っていたんですよ。ライターの清水京武さんと一緒に、遠いところだと岩手の花巻まで行ったっけな(笑)
とにかく、1人でやっていたらこんなに長くは続けられなかったでしょう。チーム全員がそれぞれをリスペクトしながらフォローしあって、絶妙なバランスを保っている。このチーム編成にしてくれたことに感謝しかないですね。
そう言えば、まだマネープランクリニックが紙媒体「あるじゃん」に掲載されていたころは、実際に相談者に会いに行って、直接お話を伺っていたんですよ。ライターの清水京武さんと一緒に、遠いところだと岩手の花巻まで行ったっけな(笑)
とにかく、1人でやっていたらこんなに長くは続けられなかったでしょう。チーム全員がそれぞれをリスペクトしながらフォローしあって、絶妙なバランスを保っている。このチーム編成にしてくれたことに感謝しかないですね。
中村 深野先生だから安心して受けていただける悩み相談内容も多いんですよ。例えば、先ほどのうつ病を患う相談者の方に対して、病気を踏まえてお金のアドバイスをするのは難しいものです。それでも逃げずに向き合っていくのが、深野さん。その相談に向き合う覚悟は、しっかりとチーム内で共有されている。社会貢献を原動力として、一枚岩で動いているなと感じます。
■自分のファンを裏切らない
――ガイド(専門家)として活躍する上で、大切にしていることを教えてください。
深野 自分のポリシーを曲げないということですね。
私を信頼してくださっている人を裏切ることはできないですから、世の中に迎合しないように生きていたいと常々考えています。
例えばマネープランクリニックなら、要らない保険は勧めない、とか、お金がない人には投資させない、とか。私は、お金がないのに投資をしている人には、やめなさいと言うんですよ。世の流れに反していたとしても、それが私のポリシーです。
また、FPとして多様な相談を受けて、さまざまな情報に接していると、いろいろなカラクリが見えすぎて辛いことがあります。世の中にフェイクニュース的なものが蔓延していて、みんながそれに煽られ、流されている。メディアも偏っている。つくづく生きづらいなと思います。正論は叩かれ封じられてしまう。しかし私は抗いたい。もっとまっとうなことを伝えたい。だからこそガイドとして情報を発信しているのかもしれません。
私を信頼してくださっている人を裏切ることはできないですから、世の中に迎合しないように生きていたいと常々考えています。
例えばマネープランクリニックなら、要らない保険は勧めない、とか、お金がない人には投資させない、とか。私は、お金がないのに投資をしている人には、やめなさいと言うんですよ。世の流れに反していたとしても、それが私のポリシーです。
また、FPとして多様な相談を受けて、さまざまな情報に接していると、いろいろなカラクリが見えすぎて辛いことがあります。世の中にフェイクニュース的なものが蔓延していて、みんながそれに煽られ、流されている。メディアも偏っている。つくづく生きづらいなと思います。正論は叩かれ封じられてしまう。しかし私は抗いたい。もっとまっとうなことを伝えたい。だからこそガイドとして情報を発信しているのかもしれません。
■FPをもっと身近に、ハードルを低く。
――今後活動を通して目指したいことを教えてください。
深野 FPがもっと身近な存在になってほしいと思いますね。普段の生活の中で、気軽にFPに相談できる場所が……例えばスーパーに、買い物ついでに家計や保険などの相談ができる場所がつくられるといいなと思います。
家計は意外と地域性が色濃く出るものなんですよ。地域、地域で商習慣、お金とのつきあい方はまったく違います。
家計は意外と地域性が色濃く出るものなんですよ。地域、地域で商習慣、お金とのつきあい方はまったく違います。
――確かに、冠婚葬祭の流儀なども地域ごとにまったく違いますよね。
深野 ええ。ですから本来は、都道府県ごと、市町村ごとに、その地域のお金のルールをよく知っているFPが、その地域の人たちの相談を受けるのが望ましいんです。カーシェアリングならぬ、“知のシェアリング”が広まっていってほしいなと思います。
――最後に、深野さんご自身はどんな相談に乗ってほしいですか?
深野 うーーーん......相談かぁ......あ! 自分の性格を変えたいんですよ(笑)。
正義感と責任感が強すぎてノーと言えず、さらに熱血漢で冷静になれず、ついつい仕事を抱えすぎてしまう。さすが年齢的にキツくなってきたので、この性格を変えるためにはどうすればいいのか、ぜひ相談に乗ってください。
正義感と責任感が強すぎてノーと言えず、さらに熱血漢で冷静になれず、ついつい仕事を抱えすぎてしまう。さすが年齢的にキツくなってきたので、この性格を変えるためにはどうすればいいのか、ぜひ相談に乗ってください。
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