教科書に載ってない医療情報を、正しく、わかりやすく、やわらかく伝えていく。【女性の健康ガイド 山本佳奈】
6月8日に開催したRed Ball Japan2019で発表された Red Ball Awardの、「citrus」部門で受賞したAll About“女性の健康ガイド”の山本佳奈さん。内科医として日々多忙な中、山本さんにはアラフォーの女性に伝えたいことがたくさんあるという。山本さんとcitrusの荒井編集長に、山本さんの記事作りやそこにかける思いや方向性について伺った。
All About「女性の健康」ガイド/内科医
山本 佳奈(やまもと かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、ときわ会常磐病院(福島県いわき市)非常勤医師。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)がある。 |
◆優しいドクターが正しいことを教えてくれる
―「citrus部門」でのAward受賞おめでとうございます。まずは感想をお聞かせください。
山本 びっくりしたし、ありがたかったですね。「citrus」に書かせていただくと、動画にしろ記事にしろ、「見たよ」「読んだよ」と言ってくれる人が多くてびっくりしています。いろいろな媒体で書いていますが、「読んだ」と言われることはあまりないので、そんな媒体で選んでいただけたのは光栄なことだなと思っています。
―ではまずその「citrus」というメディアの特徴について荒井編集長、説明をお願いします。
荒井 総合情報サイト「All About」との違いで言うとわかりやすいかな。「All About」は主に検索エンジン経由でユーザーが流入してくる辞書的なコンテンツですが、(グループ会社のオールアバウトナビが運営する)「citrus」は、いわば雑誌的コンテンツ。
検索で入ってくる「All About」とは違って、ユーザーはFacebookの投稿を通して「citrus」の記事に触れることがほとんどです。Facebookのユーザーは調べ物をしに来るわけではありませんので、それだけキャッチーなワード選びがポイントになります。
検索で入ってくる「All About」とは違って、ユーザーはFacebookの投稿を通して「citrus」の記事に触れることがほとんどです。Facebookのユーザーは調べ物をしに来るわけではありませんので、それだけキャッチーなワード選びがポイントになります。
カジュアルに知性をアップデート - citrus(シトラス)
citrus(シトラス)は各界の専門家が監修する「SNS配信型ウェブメディア」。「カジュアルに知性をアップデート」をコンセプトに、単なる一次ニュースではない、専門家ならでは視点・解釈をプラスした有益で信頼感のある情報をお届けします
―そんな特性の「citrus」部門で山本さんにRed Ball Awardを授与した理由を教えてください。
荒井 ドクターって、どこか怖かったり、お堅いイメージの方が多いけれど、山本先生は関西弁でちょっと柔らかい印象をお持ちなんですよね。親しみやすい。動画コンテンツの監修をお願いしたとき、うちの若手のスタッフにもうまく絡んでいただき、「ドクターがくだけた感じで正しい情報を発信してくださっている」というのが、「citrus」としては画期的でした。動画もかなりの数、再生されたんです。
それから、山本先生におうかがいして印象的だったのが、「教科書に載っていないけど、本当は知らなきゃいけないことがたくさんある」と。病院に行ったら病気の診断はもらえるけれど、それ以上のコトって教わらないですよね。でも、教科書で教えてくれないところを、ネットで正しく教えてくれる存在として、山本先生はとてもマッチすると思いました。
―教科書で教わらないことというのは例えばどういうことでしょうか。
山本 緊急避妊薬や低用量ピル、ワクチンの必要性、性感染症、HPVなど、いろいろありますよ。
荒井 山本先生は日ごろからそういったことを積極的に情報発信していらっしゃるんです。
―HPVというのは、子宮頸がんのワクチンの接種のことですね。
山本 はい。副作用の問題などがあり、接種率が落ちてHPVワクチンを打つ人が少なくなったため、これから日本ではどんどん子宮頸がんの罹患率が増えていくだろうと言われています。今の状況にはとても問題意識を感じているんです。
荒井 身近に知っておくべきことを正しく、やわらかく教えてくれるというのが、「citrus」で求めるものであり、それが山本先生にピッタリだった、というわけです。
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