◆「何気なく読んでいたら、とても有意義な情報をくれるcitrus」にしたい
―citrus編集部が医療情報を取り扱いたい背景は何なのでしょうか?
荒井 Facebook上で、ユーザーとの接点を作るのが「citrus」なのですが、メディアのPVだけ考えると芸能ゴシップ系の記事が一番効率がいいんです。でもそれだけでは物足りないですよね。やっぱりユーザーに対して、何らかの有益な情報を伝えていきたいんです。
―有益な情報とは、具体的に言うと?
荒井 ユーザーが知らないことで損をする情報です。それがまさに山本先生がおっしゃっていた「教科書では教えてくれない情報」ですね。メインは、お金と健康の情報ですが、自分自身が知らなくてきちんと知りたいと自覚している人は、検索をして「All About」にきます。
では、ニーズが顕在化していない人、つまり自分が知識や情報を持ち合わせていないことにすら気づいていない人に対してどうしたら伝えられるのか。そこで、Facebookで読まれるような化粧直しをして投稿し、ユーザーからすると、ふと読んでいくと実はすごく有益な情報があった。「citrus」はそういう風に作っていきたいんです。今後さらに医療・健康系の情報を増やしていく予定です。
では、ニーズが顕在化していない人、つまり自分が知識や情報を持ち合わせていないことにすら気づいていない人に対してどうしたら伝えられるのか。そこで、Facebookで読まれるような化粧直しをして投稿し、ユーザーからすると、ふと読んでいくと実はすごく有益な情報があった。「citrus」はそういう風に作っていきたいんです。今後さらに医療・健康系の情報を増やしていく予定です。
◆ドクター目線の押し付けにならないよう、患者のニーズに寄り添いつつも、正しいことは発信していく使命感を持つ
―山本先生がそもそも医師になろうと思ったキッカケはなんだったのでしょうか?
山本 高校は理系を希望するような子が多い学校で、がんばれば医学部に行けるという環境でした。両親は会社員で、医者になれとか言われたことはなかったんですよ。当時は医療ドラマもやっていて、いろいろ妄想しましたね(笑)。単純に白衣を着たかったとか、病院って清潔だし、感覚的にあこがれた部分もありますし、社会に貢献できるという思いもありました。
―医療系のガイドとしての活動で日ごろ心がけていることはなんでしょうか?
山本 ひとつには、ドクター視点で一方的に情報を流すのではなくて、目の前の患者さんに有益なことや知りたいことを意識したいですね。編集部からは、患者さんはこう思っているのでは? とか、これは知らないのでは? とか、そういう視点で提案していただけるから、ありがたいですね。
そういったニーズは、患者さんとのやりとりの中で気づくこともあれば、こういう機会をいただくことで気づくこともあります。常に、自分が押し付けるのではなくて、ユーザーにとって必要な情報は何だろうという視点で考えるようにしています。
ほかにも心がけているのは、正しい情報を伝えるということです。女性の健康関連の記事は多いですけれど、根拠のないことが書かれているダイエット記事や、ある一面だけ見た記事も多いですね。物事の本質や根拠、多面的な情報がすっぽり抜けているような記事にはしたくありません。
それからキャッチ―なタイトルも読むためには必要だけど、そこだけひとり歩きするのも怖いなと感じます。私はきちんと論文を引用して、自分なりにわかりやすく解説を加えたりしながら、正しい情報を伝えるよう工夫をしています。
そういったニーズは、患者さんとのやりとりの中で気づくこともあれば、こういう機会をいただくことで気づくこともあります。常に、自分が押し付けるのではなくて、ユーザーにとって必要な情報は何だろうという視点で考えるようにしています。
ほかにも心がけているのは、正しい情報を伝えるということです。女性の健康関連の記事は多いですけれど、根拠のないことが書かれているダイエット記事や、ある一面だけ見た記事も多いですね。物事の本質や根拠、多面的な情報がすっぽり抜けているような記事にはしたくありません。
それからキャッチ―なタイトルも読むためには必要だけど、そこだけひとり歩きするのも怖いなと感じます。私はきちんと論文を引用して、自分なりにわかりやすく解説を加えたりしながら、正しい情報を伝えるよう工夫をしています。
―ニーズの高い情報は、いろいろとあると思うのですが、ご自身の中で、どのように取捨選択をしているのでしょう。
山本 私が取り上げたいのは、同世代の女性に伝えたいことです。私が、終末期について語っても、あんまり現実的じゃないですよね? ワクチンって本当は必要とか性感染症が実は不妊症につながる話などは、大事なことだけれど皆さん意外と知らなかったりする。考え方の違いから、バッシングとかされることもたまにありますけど、そういうリスクは覚悟の上で発信するのは、医者としての義務でもあると思っています。
荒井 使命感が強い!
―All About ガイド(専門家)になったいきさつについて教えてください。
山本 以前、白金台にある医学研究室にいたのですが、「All About」ですでにガイドをしている先生も何名かいらっしゃって、そのときに紹介されました。執筆力のある面白い医師がいないかというときに、性感染症の記事も書いたりしていたこともあり、ぜひ書かせてくださいとなりました。
―受賞を目指すほかのガイドへのメッセージもこめて、重要だと思うことを教えてください。
山本 あくまでも患者さん目線になり、ニーズに寄り添うことでしょうか。情報って一方通行になりやすいですけれど、選択肢を与えるような書き方にしたりすることもできますよね。知ってほしいからといって、押し付けになると、すぐに相手にはわかってしまいます。
「宣伝色強いな」とか、「このことしか考えてないんだな」とか思われる記事にはならないように、自分も意識しています。自分が伝えたいことはあるのですが、まずは何を知りたがっているかをとらえるというのは、こちらが努力すべきかなと思っています。
「宣伝色強いな」とか、「このことしか考えてないんだな」とか思われる記事にはならないように、自分も意識しています。自分が伝えたいことはあるのですが、まずは何を知りたがっているかをとらえるというのは、こちらが努力すべきかなと思っています。
荒井 うん、うん。そうですね。そういったことを考えていらっしゃる書き手の方ってあんまりいない。ドクターで考えていらっしゃるってありがたいですねぇ。
◆日本の情報にとどまらず、世界の状況を伝えて、同世代の女性を応援していく
―今後活動を通して伝えていきたいテーマなど教えてください。
山本 まだまだ書きたいこといっぱいあるんですよ。日本だけで議論が終わらないよう、世界の状況を伝えていきたいですし、今後特に力を入れたいのは、ワクチンのことです。「女子旅で必要なワクチン」とか。
荒井 それ、いいですね。
山本 それから、プレママになる前にやりましょうという検査がありますが、いつ妊娠するなんてわからないじゃないですか。妊娠中に打てるワクチンと打てないワクチンとかもあったりもします。そういうことは、妊娠したいから準備するとかではなくて、もっともっと早くから知っておくべきことだと思います。
荒井 それは確かにそうですね。
山本 海外に行かないから、日本ではあまりなじみのない病気に対して危機感がないという人もいますが、これから東京オリンピックに向けて、多くの外国人が来る中で、とても重要なテーマだと思いますよ。
荒井 書くテーマは、まだまだたくさんありそうですね。ぜひこれからもよろしくおねがいいたします。
―ほぼすっぴんなのに、とても美肌の持ち主の山本先生。でも、やわらかくて優しいだけではなくて、女性のためにもっと伝えていきたいという使命感を強く持っていらっしゃることがわかりました! 今日はありがとうございました。
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