参入障壁がないオンラインの世界では、個人も企業もコンテンツを生成していて、供給過多の状態。有象無象にあるコンテンツの中には粗悪な広告在庫も多く、それが安価で流通しているのが現状。インプレッションのみで広告を評価するのではなく、その広告効果を指標にしなければ意味がない。
と説明。これに対し広告主である資生堂の中條氏は
アドベリフィケーションの導入では、ブランドリスクへの対策はもちろん、生活者をいかに態度変容させるか、ブランドリフトの観点からも期待している。マーケティングにおいて、ラストクリックではなくいかにユーザーを態度変容させるかが重要。適正なターゲットに広告を見てもらえているか、態度変容する経験を与えられているかツールを通してみていきたい。
現状ビューアビリティが50%であったところを、10%改善するだけでも投資に対してリターンが上回るのでは。広告単価そのものに意味はなく、広告の効果とセットで見ないと費用が適正かどうかはわからない。
と話しました。
電通デジタルの金塚氏は、国内のアドベリフィケーション導入率の低さの要因に統合的に広告効果を評価できていない現状を指摘。その要因として第三者配信の利用が限定されていること、アメリカ等と比べて国内市場の平均CPM単価が低いことをあげました。
電通デジタルの金塚氏は、国内のアドベリフィケーション導入率の低さの要因に統合的に広告効果を評価できていない現状を指摘。その要因として第三者配信の利用が限定されていること、アメリカ等と比べて国内市場の平均CPM単価が低いことをあげました。
日本には横断的な3rd Partyデータが充分になく、各サービスで分断されているゆえに統合的に広告効果を評価できていない。これを正すにはデータを正確に見ていく必要があり、そのためにはアドベリフィケーションやその他ツールの導入費、分析費がかかるし、当然CPM単価も高騰する。トータルで考えると従来と比較し広告費用が増すが、その価格こそが適正であるということを理解しないといけない。
今まで提供されていたインベントリーが質の悪い在庫を含んでいたために安価であっただけで、良質在庫だけを切り出せば価格は上がって見えるがそれが正規価格ではないか。CPM単価だけで見るのではなく、広告の質に重きをおかなければ広告主が満足する広告効果は出せず、メディアの収益も向上しない。双方でKPIを議論する機会が増えている。
と説明しました。
サイバーエージェントの羽片氏は、数値を正しく分析し態度変容に寄与する指標を見出す重要性について解説。動画広告において、動画総累計視聴時間(動画表示回数×累計視聴時間)が広告想起に大きく寄与している事例を紹介しました。
サイバーエージェントの羽片氏は、数値を正しく分析し態度変容に寄与する指標を見出す重要性について解説。動画広告において、動画総累計視聴時間(動画表示回数×累計視聴時間)が広告想起に大きく寄与している事例を紹介しました。
サイバーエージェントのアドテクスタジオが実施した調査の結果、動画総累計視聴時間が広告想起に寄与していることがわかりました。従来デジタルの世界で広告表示回数を重ね続ける提案が評価されることは少なく、一人に対する広告表示回数に制限を設けることが一般的。
今回の調査ではクリエイティブを変えれば、広告表示回数を増やして、総視聴時間を伸ばせば態度変容効果があることが分かった。何が広告効果に寄与しているか分析するという観点で、数値を正しく分析することは重要。
と、ビューアビリティ測定を第三者配信に導入することで活用の幅が広がるのではと意見を述べました。
■広告効果を適正に評価できなければ、デジタルマーケティングは破綻する。
アドフラウドやブランドセーフティへの対策はもちろん、広告効果を正しく評価するという観点で、アドベリフィケーションの必然性について議論を展開した本セッション。
最後に、今後期待することについて各社が述べました。
資生堂の中條氏は
最後に、今後期待することについて各社が述べました。
資生堂の中條氏は
IASのアドベリフィケーションツールでとれる指標をKPIの一つに組み込むことで、アドフラウドやブランドセーフティなどで被る損益をゼロにするだけでなく、広告効果を高めゼロをプラスにする活動をしたい。また、ちゃんとしたビジネスをやっている企業に、投資が循環するのがあるべき姿。業界をあげて正しいエコシステムをつくるのが理想。そういったところにもアドベリフィケーションが寄与するのでは。
と話しました。
サイバーエージェントの羽片氏は、
サイバーエージェントの羽片氏は、
広告は投資。投資に対し最大の効果を出すべく運用するのが重要。アドベリフィケーションはリスクに対する対策として導入促進を提案していたが、リスク回避というよりも、運用効果を最大化する機会として導入を提案したい。ビューアブルに基づく広告効果の実績を早く作り、広告主には広告効果の最大化、メディアには実績のフィードバックを返せるとベスト。良質な広告在庫が適正に評価される正しいエコシステムを作っていきたい。
と話しました。オールアバウトの箕作は、
単価について議論があったが、広告単価はいわば定価が決まっていない状態。未だ広告主においては、ビューアビリティやクリックにしても、一つ一つの価値が定義されていない。その中で悪質な在庫が安価で流通している。本当の効果が出せていない状態が続くと、デジタルマーケティングっていったい何だっけ?ということになる。
これまでは、見られてない広告を見られていると考えて評価するのがまかり通っていた。これからは本当のデジタル広告の効果に向き合わないと、デジタルマーケティングは崩壊する。メディア、広告主もエージェンシーも人を動かしたいという思いは一緒。それを実現する上で、ビューアブルの測定は必須の要項。
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