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「Advertising Week Asia」に執行役員・箕作が登壇~生活者をいかに態度変容させるか、ブランドリフト観点でのアドベリフィケーション活用について

世界各国からビジネスリーダーが集結し、マーケティング・広告など多くのテーマでセッションが展開されるイベント「Advertising Week Asia」。アドベリフィケーションに関するセッションにて弊社執行役員 メディア本部長の箕作聡がメディア代表として登壇。ツールを提供するインテグラル・アド・サイエンス・ジャパンのファシリテーションのもと、資生堂、サイバーエージェント、電通デジタルと5社で展開したパネルディスカッションの内容を紹介します。

ニューヨークやロンドンなど世界5都市で行なわれる世界最大級のマーケティング&コミュニケーションのプレミアムイベント「Advertising Week Asia」。2018年5月14日から4日間にわたり東京ミッドタウンで開催された本イベントに、弊社執行役員 メディア本部長の箕作もアドベリフィケーションに関するセッションに登壇しました。
広告商品の透明性、安全性の追及を目的に、インテグラル・アド・サイエンス・ジャパン (以下、IAS)が提供するアドベリフィケーションツールを昨年8月から導入したオールアバウト。
NHKクローズアップ現代でも特集が組まれるなど、ここ1年ほどで急激に注目を集めている同テーマの今後の課題や期待について、ツールを提供するIAS 山口 武氏のファシリテーションのもと、広告主代表として資生堂からメディア統括部 メディアバイインググループの中條 裕紀氏、代理店代表として電通デジタルよりアドソリューションズディレクターの金塚 尚樹氏、サイバーエージェントよりインターネット広告事業本部 次世代ブランド戦略室 統括兼データビジネス責任者の羽片 一人氏、そしてメディア代表として弊社の箕作聡が登壇し、全5社でパネルディスカッションを行いました。

■デジタル広告においてアドベリフィケーションの計測がなぜ必要か

国内のデジタル広告において、ビューアビリティ、インプレッション、ブランドセーフティなどの課題はグローバルと大差が無いにも関わらず、海外と比較しアドベリフィケーションツールの導入率が低い日本。そのような中、デジタルマーケティングに先進的に取り組む資生堂では、アドフラウドによる損害対策とあわせ、特にブランドセーフティの観点から課題意識を持ち今年から導入へ。そのきっかけの一つは、生活者から寄せられた問題のあるサイトへ広告が掲出されていることへのご意見だったと中條氏は話しました。
ブランドは企業だけのものではなく、利用しているお客様のものでもある。お客様に支持されているブランドを正しい場所でコミュニケーション活動として展開することが重要と考え導入しました
IASのアドベリフィケーションツールを2017年に導入しているオールアバウトの箕作は、導入する最大の目的はユーザーを正しく見ることであったと説明。
広告出稿主に対し、安全性・透明性を担保した広告配信環境を提供する事は媒体として義務。それだけではなく”ユーザーを正しく見る“という観点からも導入は必然だった。メディアとして多くの人にリーチするというのに加え、ユーザーの態度変容へ挑むコンテンツマーケティングを提供している弊社として、無駄なものを排除し数値を正しく計測することは非常に重要だと捉えています。
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■対策から活用へ。生活者をいかに態度変容させるか、ブランドリフト観点でのアドベリフィケーション

JIAA(日本インタラクティブ広告協会)が実施した、日本のデジタルメディアにおける、ビューアブルインプレッションに関する広告価値検証調査の結果、ビューアブルなインプレッションは、ノンビューアブルに対して、広告認知で7.9倍、CTRで23.4倍の広告効果を発揮する事が明らかになりました。
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ブランド認知向上など生活者の態度変容を促す上で、ビューアブルな広告をいかにターゲット属性に配信するかが重要となる中、IASが実施した国内メディア調査の結果、閲覧可能な広告の割合は54.8%という結果に。さらに前セッションで紹介されたニールセンデジタル広告視聴率(DAR)調査結果では、国内のターゲティング広告の約40%がターゲット外に配信。ネットワークよっては約半数がターゲット外に配信されているなど、オンターゲット率はネットワークによっても差異があると発表されました。
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この結果をうけセッションでは、数値を正しく測定し広告効果を最大化する上でのアドベリフィケーションの活用について、またそれに伴い発生するデジタル広告費について議論がなされました。
メディア代表である箕作は
参入障壁がないオンラインの世界では、個人も企業もコンテンツを生成していて、供給過多の状態。有象無象にあるコンテンツの中には粗悪な広告在庫も多く、それが安価で流通しているのが現状。インプレッションのみで広告を評価するのではなく、その広告効果を指標にしなければ意味がない。
と説明。これに対し広告主である資生堂の中條氏は
アドベリフィケーションの導入では、ブランドリスクへの対策はもちろん、生活者をいかに態度変容させるか、ブランドリフトの観点からも期待している。マーケティングにおいて、ラストクリックではなくいかにユーザーを態度変容させるかが重要。適正なターゲットに広告を見てもらえているか、態度変容する経験を与えられているかツールを通してみていきたい。

現状ビューアビリティが50%であったところを、10%改善するだけでも投資に対してリターンが上回るのでは。広告単価そのものに意味はなく、広告の効果とセットで見ないと費用が適正かどうかはわからない。
と話しました。
電通デジタルの金塚氏は、国内のアドベリフィケーション導入率の低さの要因に統合的に広告効果を評価できていない現状を指摘。その要因として第三者配信の利用が限定されていること、アメリカ等と比べて国内市場の平均CPM単価が低いことをあげました。
日本には横断的な3rd Partyデータが充分になく、各サービスで分断されているゆえに統合的に広告効果を評価できていない。これを正すにはデータを正確に見ていく必要があり、そのためにはアドベリフィケーションやその他ツールの導入費、分析費がかかるし、当然CPM単価も高騰する。トータルで考えると従来と比較し広告費用が増すが、その価格こそが適正であるということを理解しないといけない。

今まで提供されていたインベントリーが質の悪い在庫を含んでいたために安価であっただけで、良質在庫だけを切り出せば価格は上がって見えるがそれが正規価格ではないか。CPM単価だけで見るのではなく、広告の質に重きをおかなければ広告主が満足する広告効果は出せず、メディアの収益も向上しない。双方でKPIを議論する機会が増えている。
と説明しました。
サイバーエージェントの羽片氏は、数値を正しく分析し態度変容に寄与する指標を見出す重要性について解説。動画広告において、動画総累計視聴時間(動画表示回数×累計視聴時間)が広告想起に大きく寄与している事例を紹介しました。
サイバーエージェントのアドテクスタジオが実施した調査の結果、動画総累計視聴時間が広告想起に寄与していることがわかりました。従来デジタルの世界で広告表示回数を重ね続ける提案が評価されることは少なく、一人に対する広告表示回数に制限を設けることが一般的。

今回の調査ではクリエイティブを変えれば、広告表示回数を増やして、総視聴時間を伸ばせば態度変容効果があることが分かった。何が広告効果に寄与しているか分析するという観点で、数値を正しく分析することは重要。
と、ビューアビリティ測定を第三者配信に導入することで活用の幅が広がるのではと意見を述べました。

■広告効果を適正に評価できなければ、デジタルマーケティングは破綻する。

アドフラウドやブランドセーフティへの対策はもちろん、広告効果を正しく評価するという観点で、アドベリフィケーションの必然性について議論を展開した本セッション。
最後に、今後期待することについて各社が述べました。

資生堂の中條氏は
IASのアドベリフィケーションツールでとれる指標をKPIの一つに組み込むことで、アドフラウドやブランドセーフティなどで被る損益をゼロにするだけでなく、広告効果を高めゼロをプラスにする活動をしたい。また、ちゃんとしたビジネスをやっている企業に、投資が循環するのがあるべき姿。業界をあげて正しいエコシステムをつくるのが理想。そういったところにもアドベリフィケーションが寄与するのでは。
と話しました。
サイバーエージェントの羽片氏は、
広告は投資。投資に対し最大の効果を出すべく運用するのが重要。アドベリフィケーションはリスクに対する対策として導入促進を提案していたが、リスク回避というよりも、運用効果を最大化する機会として導入を提案したい。ビューアブルに基づく広告効果の実績を早く作り、広告主には広告効果の最大化、メディアには実績のフィードバックを返せるとベスト。良質な広告在庫が適正に評価される正しいエコシステムを作っていきたい。
と話しました。オールアバウトの箕作は、
単価について議論があったが、広告単価はいわば定価が決まっていない状態。未だ広告主においては、ビューアビリティやクリックにしても、一つ一つの価値が定義されていない。その中で悪質な在庫が安価で流通している。本当の効果が出せていない状態が続くと、デジタルマーケティングっていったい何だっけ?ということになる。

これまでは、見られてない広告を見られていると考えて評価するのがまかり通っていた。これからは本当のデジタル広告の効果に向き合わないと、デジタルマーケティングは崩壊する。メディア、広告主もエージェンシーも人を動かしたいという思いは一緒。それを実現する上で、ビューアブルの測定は必須の要項。
と説明しました。

ーー箕作の過去のインタビュー記事はこちらから

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