コト

リモートワーク試験導入から見えた手応えと課題点 ※社員アンケート結果付き※

オールアバウトでは2018年2月より、リモートワーク制度を試験導入していますが、半年経過した現在、どのような状況になっているのでしょうか?導入を推進した人事グループのほか、執行役員にもその成果や課題点を聞いてみました。

こんにちは、広報グループの柏原です。
オールアバウトでは2018年2月よりリモートワーク制度を試験的に導入しています。導入の背景についてはこちらの記事( https://about.allabout.co.jp/koto/180402_01 )が詳しいのですが、その目的は2つ。「どこでも働けるスタイルで組織のパフォーマンスをUPすること」と「自立するためのきっかけづくり」。後者については弊社の企業ビジョンである“個人を豊かに、社会を元気に。”を実現する上で、社員に求めている「自立」というキーワードからきています。

「オフィス以外の場所で仕事ができる」だけにとどまらず、「場所・時間にとらわれず、自分・チーム・会社にとってよいと思う働き方を自分たちで考えて働いてほしい」というのが、人事的な取り組みの狙いでした。

導入から数ヶ月経過し、6月からは試験期間の第2フェーズに移行することが決定。なぜ本格導入に至らないのか?また初期の試験期間でどんな成果を得て、どんな課題に気付いたのか? 本取り組みの推進役を担う経営管理部・人事グループ 竹之下さんに、社員アンケートの結果とあわせてざっくばらんに語ってもらいました。

インタビューにこたえてくれた経営管理部・人事グループの竹之下さん

■社員の8割がリモートワークを活用するも......

――2月からスタートしてみて、社員のリモートワーク活用状況はいかがでしたか?

試験導入から3ヶ月経過した時点で実施した社内アンケートの結果、社員の8割がリモートワーク制度を一回以上利用したことがわかりました。実施日数は最も多い人だと30日、平均では5.7日です。単純にリモートワークの推進を目的としていないため、利用率を指標にしていなかったものの、想定以上に利用された印象です。細かい運用ルールの策定は各部署に委ねたのですが、多くの部署責任者が「まずは一度やってみよう!」と方針を定めてくれたおかげですね。

実施のメリットは「通勤時間・総労働時間の削減」が1位となり、「用事への対応」、「業務改善・アイデア創出」が続きました。性別・年齢や部署、役職間で実施傾向に大きな差はなく、リモートワークへの捉え方は、現時点での個々人の働き方に関する価値観の影響が大きいと感じています。
さらにマネジメント層にもリモートワークの影響を尋ねたところ、“日々のマネジメントがしにくくなった”と回答したのは14.3%で、8割以上の人が“あまり変わらない”と回答しており、リモートワークを利用したメンバーのパフォーマンスへの影響は、“上がったケースがある”(32.1%)、“特に影響は出てない”(60.7%)となりました。

――概ね良い結果のように見えますが、本格導入ではなく、引き続き試験期間とした理由はなんですか?

はい、総じてポジティブな声が多いのですが、アンケートでリモートワークのデメリットを聞いた際に“コミュニケーション面での課題”を挙げる人が一定数いました。具体的には、「うまく意図が伝わらない・理解し合うのに時間がかかる・普段何気なく会話ができていたのに関係性が希薄になる」といった内容です。

現時点で大きなトラブルが表面化しているわけではありませんが、コミュニケーションロス・ミスのリスクは潜在していると思います。例えば、リモートワークをしている社員とのコミュニケーションを翌出社日に持ち越すということが行われているケースがありました。このような仕事のスピードを落としてしまう判断はなくしていかなければなりません。現状では、リモートワークは個人レベルでは働き方の良い選択肢になりえているものの、まだまだ使いこなせているとは言えない、というのが正直なところです。

また、やはりオフィスワークがスタンダードな働き方で、リモートワークは特別なものと捉えられている雰囲気があります。これまでの概念にとらわれず、もっとフラットに仕事の進め方を選択できるようにしたいですね。

試験期間の利用状況と前述の社員アンケートを踏まえ、経営陣とも話し合いを重ねた結果、コミュニケーション等の課題に対応すること、各人・各部署に自立した働き方をもっと積極的に模索してもらうことが必要と考え、本格導入はこのタイミングではないと判断しました。

引き続き組織全体にとってプラスになることを目指し、一部ルールを変更した上で、今年の12月まで第2フェーズとしての試験導入を行うという結論に至っています。この期間中に、場所が変わると見えるもの、感じるもの、そして生み出すものが変わるということを、もっともっと体験してほしいです。

■第2フェーズでのルール変更のポイント

――具体的にどういった部分でルールを変更したのでしょうか?

大きくは2点です。まず、リモートワークをもっと使いやすくするため、当初は前日までの事前申請制だったところを、“当日申請も可”としました。例えば、公共交通機関のトラブルへの遭遇時や、急きょ帰宅が必要になったものの用事が終わった後には仕事の時間が確保できるケース、外出先から帰社するより外出先付近や自宅で仕事をした方が効率が良いケースなどに利用してもらうイメージです。

仕事もプライベートもすべて予定通り進むとは限りません。会社に留まらず、社会への影響を考えて、臨機応変に動き方を決めていけたらいいな、と思っています。もちろん、当日利用をする場合には、これまで以上に自部署はじめ周囲への配慮を行う必要があります。自由度を上げることでより高い自立を求めているとも言えますね。

もうひとつは、 “休日と22時以降の深夜帯での利用可”です。今までであれば、納期が差し迫っていてやむを得ず休日に対応しなければならない仕事がある場合には、オフィスに出社して対応していました。でも、管理監督者の目が届きにくいという点では、特に休日は働く場所が会社でも自宅でも変わりません。通勤時間が発生せず時間が有効に使えるというメリットがある以上、休日に限ってはリモートワークの方がパフォーマンスが高いケースが多いという仮説のもと、休日のリモートワークもOKとしました。

また深夜については、小さなお子さんのいる社員から、家事・育児を終わらせた後に仕事をしたいという要望が多く出ていたものの、当初のルールでは、健康面への配慮を優先し、22時以降のリモートワークを禁止していました。しかしながら、これまでの利用状況を見て、守れないルールを設定するよりも、中長期的な状況の改善を図るきっかけにすべきだと考えるに至りました。22時以降の深夜帯のリモートワークについても業務時間・内容を可視化することで、マネジメント層がメンバーの業務量・質をきちんと把握し、より適切な業務配分・評価につなげられるようになると考えています。

心身の健康のためには、休日労働も深夜労働も好ましくありません。現時点でどうしても対応せざるを得ないものについては極力負担を減らしたい、そして、可視化により将来的な休日・深夜労働を減らして筋肉質な組織・働き方を実現したいですね。

――ルール変更以外でリモートワークを推進するための取り組みはありますか?

さきほどもお伝えしたコミュニケーション面での課題への対処のひとつとして、会議の質の向上に取り組んでいきたいと思っています。一口に会議と言っても、対面、ウェブそれぞれに適した会議があります。例えば、情報共有や数字の報告会などはウェブ。ブレストなどアイデアを出し合うミーティングや、新規の企画会議などは対面、といった感じでしょうか。

それぞれの会議をよりスムーズで実りのあるものとすべく、第2フェーズを機に、全ての会議室にウェブ会議用のスピーカーマイクを設置し、オフィス以外での会議室利用料やコーヒー代などを会社負担とすることにしました。これまで以上に柔軟に会議スタイルを選んでもらえたらと思っています。

■リモートワークに対する経営陣の反応

以前の記事( https://about.allabout.co.jp/koto/180402_01 )では、様々な職種の社員にリモートワークを実践した感想を聞いてみましたが、経営陣はこの取り組みをどう思っているのでしょうか?
執行役員 メディアビジネス本部長の箕作さんに本音を聞いてみました。
私自身は組織パフォーマンスUPのためのリモートワーク導入というよりも、弊社の働き方におけるキーワードであり、企業ビジョンにも密接に関係してくる「自立」をさらに推進する施策だと捉えています。

リモートワークでは、自ら選んだ時間や環境において成果を出すことが求められます。当然ながら、リモートワークをする事で部内の業務調整が必要になるし、時間管理への意識も高まる。そういった日頃の業務を見直すなかで、“そもそもこの働き方って正しいんだっけ?”、“もっとこういうやり方もあるんじゃないか?”と自分の常識を疑ってほしいですね。

会社という組織に属していると、出社しただけで仕事をした気になったりすることもあるではないでしょうか。特定の組織に依存しないスキルが、不確実な社会を生き抜く上で求められるいま、日常的に高いアウトプットを出せているか、自分に向き合ういい機会だと思います。

弊社も社員全員が高いレベルで「自立」できているかというと、まだまだそうではありません。また傾向として思考が会社の中だけに閉じがちな面もあります。自分で働き方をコントロールして外からインプットを得る時間をつくったり、スキルアップのために活用してほしいですね。

■最後に

ちなみに、オールアバウトは国や東京都が昨年から呼び掛けている「テレワーク・デイズ」の実施団体として今年から参加しました。7月23日(月)~7月27日(金)が対象期間だったのですが、私たち広報グループもその週のとある日、全員でリモートワークをしてみることに。
それぞれ一人で完結できそうな企画書づくりや記事執筆をあえてこの日にまとめた事もあり、むしろ集中して作業を進めることができました(腰痛持ちのため、オフィスの椅子でないとやや心配だったのですが意外にも耐えられた)。夕方にはウェブ会議にもトライ。広報グループは3名ということもあってか、建設的な意見を交わすことができ、個人的にはコミュニケーション面での問題はほとんど無いと感じました。

また、連日地獄のような酷暑に見舞われる中、社員の健康管理という観点でも、夏場のリモートワークの積極利用が求められていくかもしれませんね。

私たちは他部署から相談を受けることが多いので、こういった気配りを
以上、オールアバウトにおけるリモートワークの取り組みをお伝えしましたが、会社の状況や人事ポリシーによって、その捉え方は様々かと思います。どういったルール設計が正解なのか、引き続き社員と向き合いながら模索していきます。

【最新版の社内向けリモートワークルールはこちらから】
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