~ガイドと“リモートワーク”を考えてみた~ 満足度は高いが長時間労働の傾向も。隠れストレスに要注意! “正しいリモワ活用方法”を解説
働き方改革という国策のもと、多くの企業が様々な改革に乗り出し始めています。そんな中、導入企業が増えているのが「テレワーク/リモートワーク」。オールアバウトが行った調査では、通勤時間を削減できたり、働く場所を選べる自由度から満足度は高い一方で、長時間労働になりがちな傾向が見られました。本調査の結果について、All Aboutの専門家(ガイド)と紐解いていきます。
■2020年に向けて急増する「テレワーク/リモートワーク」
多くの企業が働き方改革に取り組む中、導入を検討する企業が増えている取り組みのひとつが「テレワーク/リモートワーク(以下、本記事ではリモートワークに統一)」です。リモートワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことで、働く場所によって⑴在宅勤務、⑵移動中などのモバイルワーク、⑶サテライトオフィス勤務 の3つを指します。
働き方改革の一環としてだけでなく、2020年東京オリンピックに向けて導入検討をする企業も多く、大会前の本番テストとして7月22日(月)~9月6日(金)の約1ヶ月間実施された「テレワーク・デイズ2019」に参加した企業・団体は約2800にのぼり、2017年の初年度の950に対し約3倍に増えています。
そこで、オールアバウトではリモートワーク制度が導入されている企業に勤める男女429人に対し、リモートワークの活用による自身への変化を調査しました。
その結果、満足度や幸福度は高い一方で、リモートワークを積極的に活用する人ほど長時間労働の傾向が見られました。
働き方改革の一環としてだけでなく、2020年東京オリンピックに向けて導入検討をする企業も多く、大会前の本番テストとして7月22日(月)~9月6日(金)の約1ヶ月間実施された「テレワーク・デイズ2019」に参加した企業・団体は約2800にのぼり、2017年の初年度の950に対し約3倍に増えています。
そこで、オールアバウトではリモートワーク制度が導入されている企業に勤める男女429人に対し、リモートワークの活用による自身への変化を調査しました。
その結果、満足度や幸福度は高い一方で、リモートワークを積極的に活用する人ほど長時間労働の傾向が見られました。
■制度利用による満足度・しあわせ度は高い。一方で、長時間労働の傾向に。
オールアバウトが行った調査によると、リモートワーク制度を活用する理由として最も多いのは「時間の有効活用」で、次いで「通勤ストレスの軽減」「仕事の効率化」となりました(グラフ①)。
では、リモートワークを活用してみてどうだったのでしょうか? 調査結果では、制度を積極的に利用している人の約半数が「ワークライフバランス」「ストレス」「労働時間」などが改善されたと回答しました(グラフ②)。また7割が「以前よりも幸福度が高まった」と答え、好意的に受け取られていることがわかりました。(グラフ③)。
しかしながら、積極的に制度を利用している人の労働時間をみると、9時間以上と回答した人が約半数を占めていることがわかります。これは制度を積極的に利用していない層の1.4倍にあたり、制度を利用している人のほうが労働時間が長い傾向にあることがわかりました (グラフ④)。
また自身の働き方について「自分は働き過ぎている」と回答した割合は、制度を利用する人の半数を占め、制度を積極的に利用していない層と比較し1.3倍と高いことがわかりました。(グラフ⑤)
この調査結果について、医師であり、All About「働くひとの健康ガイド」でもある山田洋太氏は、リモートワークによって、本人も知らないうちにストレスをためてしまう可能性を指摘しています。
医師 / 働くひとの健康 ガイド 山田 洋太
相談企業は100社以上、健康と経営をつなぐベンチャー経営産業医
沖縄県立中部病院研修。その後、公立久米島病院で離島医療に従事。2010年から慶応ビジネス・スクールに入学(田中滋ゼミ)し、メンタルクリニックでも診療開始。卒業後、東京ベイ・浦安市川医療センター経営企画室室長。現在、株式会社iCARE代表取締役、産業医として相談企業は100社以上、保健師サロンも運営する
💡自由度が高いと、人はストレスを感じにくくなる。隠れストレスに要注意!
テレワークを利用していると長時間労働になりやすいことは研究でも明らかにされています。 通勤時間がないことでその時間を有効的に使って仕事を早く終えたいという心理が働き、結果的に、 休憩時間も短くなりがちです。それでも、満足度が高い理由としては、自ら働く場所を選べていることや、その優越感、そして通勤ストレスからの解放などが挙げられるでしょう。 そういった自由度の高さゆえに本人が満足しているということ、また閉鎖的な環境故に、テレワークに よるストレスは本人も周囲も感じにくいと言えます。一般的に労働者のストレスの原因は、職場の環境、仕事そのもの、スキルのミスマッチ、人間関係の4つに大別できます。テレワークは、これら4つ それぞれに影響をもたらすため、使い方を工夫するのが上手な利用方法です。
テレワークを利用していると長時間労働になりやすいことは研究でも明らかにされています。 通勤時間がないことでその時間を有効的に使って仕事を早く終えたいという心理が働き、結果的に、 休憩時間も短くなりがちです。それでも、満足度が高い理由としては、自ら働く場所を選べていることや、その優越感、そして通勤ストレスからの解放などが挙げられるでしょう。 そういった自由度の高さゆえに本人が満足しているということ、また閉鎖的な環境故に、テレワークに よるストレスは本人も周囲も感じにくいと言えます。一般的に労働者のストレスの原因は、職場の環境、仕事そのもの、スキルのミスマッチ、人間関係の4つに大別できます。テレワークは、これら4つ それぞれに影響をもたらすため、使い方を工夫するのが上手な利用方法です。
💡働きやすさの推進と、業務効率は別々に考えるべき。
働き方改革の観点でも注目されているテレワークですが、現状は子供や親の看病/介護、自身の体調が悪い時などに使われやすいといった課題があります。働きやすさを向上させることは労働力を維持し、従業員の暮らしをサポートするうえで重要ですが、利用するシーンを間違うと、従業員が休むべき時に休めないといったことが起こります。また業務効率の向上を同時に求めるのであれば、小さなお子さんや介護の必要がある人がいる場合には、テレワークは不向きです。また、隠れストレスへの対策としても、自己管理能力の高さが求められます。
働き方改革の観点でも注目されているテレワークですが、現状は子供や親の看病/介護、自身の体調が悪い時などに使われやすいといった課題があります。働きやすさを向上させることは労働力を維持し、従業員の暮らしをサポートするうえで重要ですが、利用するシーンを間違うと、従業員が休むべき時に休めないといったことが起こります。また業務効率の向上を同時に求めるのであれば、小さなお子さんや介護の必要がある人がいる場合には、テレワークは不向きです。また、隠れストレスへの対策としても、自己管理能力の高さが求められます。
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