■葬儀とお墓はそんなに重要じゃない!?吉川さんが考える「終活」



例えば、地方に住んでいる父親が亡くなったケースで、生前に「葬儀しなくていい」と言われたので火葬だけにしたとします。この場合、母親が一人で地方に残されている状態ですが、ひっきりなしにお悔やみの電話が来たり、お香典が送られてきたりとかして、亡くなった後も、残されたお母さまが一人で全部やらなきゃいけなくなるとか。
「お墓いらないから散骨にして」と言われた場合も、後から「そういえば、お父さん海なんか縁もゆかりもなくて好きでもなかったのに、これで本当に良かったのかな」と悩んだり。 そのときは勢いでなんとかなったとしても、人間は浮き沈みがあるので、どこかに手を合わせたいなと思ったときに、「そういえば、お父さんのお墓なかった」と。そういう事例をけっこう見てきたので、終活をするうえで、葬儀やお墓のことを考えなくていいというのではなくて、葬儀の形とお墓の形は、家族と一緒に考えることが大切なのではないかなと思いました。
そのほか終活でぜひやっていただきたいのは、財産などの身辺整理ですね。あとは、親子がお互いの交友関係を知らないケースも多いので、誰をお葬式に呼んだらいいか、といったお付き合いリストをつくっておくのも大事です。 後は、Quality of dying(クオリティ・オブ・ダイニング、以下QOD)を考えるのも重要だと思います。


QOD(クオリティ・オブ・デス)――死の質とは

「QOD」とはクオリティ・オブ・デス、もしくはクオリティ・オブ・ダイイングの略。死が間近に迫った場合には、「生」に対する前向きな姿勢を問う「QOL]クオリティ・オブ・ライフよりも、どのように死を迎えるかに焦点を当てた「QOD」という考え方が注目されています。
■専門家にしか発信できない情報を書くのが役割





でも、そんなに器用にできる人なんて世の中そんなにいなくて。だったら、言うか言わないかのほうがよっぽどすっきりスマートにできるし、大事なところはもっと違うところにあるじゃないかと。これだけ情報が多い時代だからこそ、専門家に教えてもらいたい情報、専門家しか発信できない情報を書くのが私の役割だなと思っています。
■まとめ

吉川さんのお仕事の内容から、終活についてなど、いろいろな話が飛び出したインタビューとなりました。福祉と、葬儀、葬送などの業界が完全に分断されているので、その橋渡しになりたい、という思いから社会福祉士の国家資格を取ってパートとして現場に出られている吉川さんのお話がとくに印象に残っています。
吉川さん、ありがとうございました。
取材・文:砂流恵介
元エイサーの宣伝・広報。宣伝会議のWeb広報講座の講師。Engadgetやネタりかなど、いろんな媒体で記事を書いています。
吉川さん、ありがとうございました。
取材・文:砂流恵介
元エイサーの宣伝・広報。宣伝会議のWeb広報講座の講師。Engadgetやネタりかなど、いろんな媒体で記事を書いています。
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