■葬儀とお墓はそんなに重要じゃない!?吉川さんが考える「終活」
年間100本の取材や講演で「終活」に関して解説されている吉川さんですが、ご自身ではどのような「終活」を考えていますか?
最近は、自分の葬儀とかお墓についてすべて決めてしまうことはそんなに重要じゃないなと思っています。葬儀ってもちろん大切なセレモニーで、亡くなった人をどう見送るか、葬儀を考えるのはすごく大事です。ですが、自分のお葬式を自分で決められちゃうと、残された人が困ってしまうというケースが多くて。
例えば、地方に住んでいる父親が亡くなったケースで、生前に「葬儀しなくていい」と言われたので火葬だけにしたとします。この場合、母親が一人で地方に残されている状態ですが、ひっきりなしにお悔やみの電話が来たり、お香典が送られてきたりとかして、亡くなった後も、残されたお母さまが一人で全部やらなきゃいけなくなるとか。
「お墓いらないから散骨にして」と言われた場合も、後から「そういえば、お父さん海なんか縁もゆかりもなくて好きでもなかったのに、これで本当に良かったのかな」と悩んだり。 そのときは勢いでなんとかなったとしても、人間は浮き沈みがあるので、どこかに手を合わせたいなと思ったときに、「そういえば、お父さんのお墓なかった」と。そういう事例をけっこう見てきたので、終活をするうえで、葬儀やお墓のことを考えなくていいというのではなくて、葬儀の形とお墓の形は、家族と一緒に考えることが大切なのではないかなと思いました。
そのほか終活でぜひやっていただきたいのは、財産などの身辺整理ですね。あとは、親子がお互いの交友関係を知らないケースも多いので、誰をお葬式に呼んだらいいか、といったお付き合いリストをつくっておくのも大事です。 後は、Quality of dying(クオリティ・オブ・ダイニング、以下QOD)を考えるのも重要だと思います。
例えば、地方に住んでいる父親が亡くなったケースで、生前に「葬儀しなくていい」と言われたので火葬だけにしたとします。この場合、母親が一人で地方に残されている状態ですが、ひっきりなしにお悔やみの電話が来たり、お香典が送られてきたりとかして、亡くなった後も、残されたお母さまが一人で全部やらなきゃいけなくなるとか。
「お墓いらないから散骨にして」と言われた場合も、後から「そういえば、お父さん海なんか縁もゆかりもなくて好きでもなかったのに、これで本当に良かったのかな」と悩んだり。 そのときは勢いでなんとかなったとしても、人間は浮き沈みがあるので、どこかに手を合わせたいなと思ったときに、「そういえば、お父さんのお墓なかった」と。そういう事例をけっこう見てきたので、終活をするうえで、葬儀やお墓のことを考えなくていいというのではなくて、葬儀の形とお墓の形は、家族と一緒に考えることが大切なのではないかなと思いました。
そのほか終活でぜひやっていただきたいのは、財産などの身辺整理ですね。あとは、親子がお互いの交友関係を知らないケースも多いので、誰をお葬式に呼んだらいいか、といったお付き合いリストをつくっておくのも大事です。 後は、Quality of dying(クオリティ・オブ・ダイニング、以下QOD)を考えるのも重要だと思います。
QODって何ですか?
QODというのは欧米で出来た言葉で、いかに満足して死を迎えるか、という終末期の質を表していて、身辺整理とあわせてどのように死を迎えるか、つまり「死に場所」「死に方」を考えることでその質が高まると言われています。
本人がどういう死を迎えたいか、終末期の医療、緩和ケアについても元気なうちに考えておきたいものです。
QOD(クオリティ・オブ・デス)――死の質とは
「QOD」とはクオリティ・オブ・デス、もしくはクオリティ・オブ・ダイイングの略。死が間近に迫った場合には、「生」に対する前向きな姿勢を問う「QOL]クオリティ・オブ・ライフよりも、どのように死を迎えるかに焦点を当てた「QOD」という考え方が注目されています。
■専門家にしか発信できない情報を書くのが役割
吉川さんは、All Aboutで、「葬儀・葬式・お墓」などの情報も発信されていますが、そのきっかけは?
2006年から書きはじめたのですが、当時、独立するときにセルフブランディングの一つとして、大きな媒体の力を借りたいと思っていて。それで見つけたのが「All About」でした。初期の頃は私が書きたい内容を掲載していたんですが、なかなかアクセスが上がらなかったんです。ところが年末年始の喪中に関する記事を書いたら一気にアクセスがあがって。一般ユーザーが知りたい情報は、誰に聞いたらいいかわからないことなんだなという事を徐々に実感しました。
最近は、いろいろなところでこういった情報を摂取できるようになりましたが、間違っている情報といいますか、いただけないな、と思うような情報ってあったりしますか?
マナー系はけっこうボロボロですね。例えば、「このたびはご愁傷様でございます」というのを受付で言うときに、あるマナーの先生は「このたびはご愁傷……」って、語尾を濁していくって書かれています。
でも、そんなに器用にできる人なんて世の中そんなにいなくて。だったら、言うか言わないかのほうがよっぽどすっきりスマートにできるし、大事なところはもっと違うところにあるじゃないかと。これだけ情報が多い時代だからこそ、専門家に教えてもらいたい情報、専門家しか発信できない情報を書くのが私の役割だなと思っています。
でも、そんなに器用にできる人なんて世の中そんなにいなくて。だったら、言うか言わないかのほうがよっぽどすっきりスマートにできるし、大事なところはもっと違うところにあるじゃないかと。これだけ情報が多い時代だからこそ、専門家に教えてもらいたい情報、専門家しか発信できない情報を書くのが私の役割だなと思っています。
■まとめ
吉川さんのお仕事の内容から、終活についてなど、いろいろな話が飛び出したインタビューとなりました。福祉と、葬儀、葬送などの業界が完全に分断されているので、その橋渡しになりたい、という思いから社会福祉士の国家資格を取ってパートとして現場に出られている吉川さんのお話がとくに印象に残っています。
吉川さん、ありがとうございました。
取材・文:砂流恵介
元エイサーの宣伝・広報。宣伝会議のWeb広報講座の講師。Engadgetやネタりかなど、いろんな媒体で記事を書いています。
吉川さん、ありがとうございました。
取材・文:砂流恵介
元エイサーの宣伝・広報。宣伝会議のWeb広報講座の講師。Engadgetやネタりかなど、いろんな媒体で記事を書いています。
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