■がんと診断されたら住宅ローンが免除されるがん団信
―今まで、がんになった場合のことについて伺ってきましたが、病気になる前に、私たちが準備できることはありますか?
住宅ローンを組むときにがん団信(団体信用保険の特約など)付けておけば、がんと診断されたらローンが免除されるものもあります。住宅ローンが免除されれば、月々の負担がグッと減るので、これはぜひ覚えておいてほしいですね。
もう一つは職場の就業規則を確認しておくことです。治療のために長期休みになるときに使える制度は、年次有給休暇以外にあるか。長期休みになったときに期限付きでも給料が出るのか、まったく出ないのか。それを知っておくと、足りない分をカバーする備えも当然変わってくるはずです。
付け加えておきたいのは、がん患者さんに対する支援制度のようなものは、年々変わっていく可能性もあるし、複雑。なので一つ一つの制度については深く知っておく必要性はありません。けれども、病院には医療ソーシャルワーカーという相談できる専門の人がいるということや、治療のことだけではなく制度や就労については専門の社会保険労務士、家計については専門のFPにつなげてくれる病院もあること、『がん制度ドック』という無料のサイトがあって、自分の状況に合った制度を調べることができるなど、いざという時の相談先や情報収集の方法を知っておくと違いますよ。
(注:がん制度ドックhttp://www.ganseido.com/
がんと診断された人のための公的・民間医療保険制度検索サービス 病状・体調・希望に合わせた制度を探すことができる)
もう一つは職場の就業規則を確認しておくことです。治療のために長期休みになるときに使える制度は、年次有給休暇以外にあるか。長期休みになったときに期限付きでも給料が出るのか、まったく出ないのか。それを知っておくと、足りない分をカバーする備えも当然変わってくるはずです。
付け加えておきたいのは、がん患者さんに対する支援制度のようなものは、年々変わっていく可能性もあるし、複雑。なので一つ一つの制度については深く知っておく必要性はありません。けれども、病院には医療ソーシャルワーカーという相談できる専門の人がいるということや、治療のことだけではなく制度や就労については専門の社会保険労務士、家計については専門のFPにつなげてくれる病院もあること、『がん制度ドック』という無料のサイトがあって、自分の状況に合った制度を調べることができるなど、いざという時の相談先や情報収集の方法を知っておくと違いますよ。
(注:がん制度ドックhttp://www.ganseido.com/
がんと診断された人のための公的・民間医療保険制度検索サービス 病状・体調・希望に合わせた制度を探すことができる)
■生活費の数カ月分は、プールしておこう
―保険に入るか否か。住宅における賃貸か持ち家がといった議論と同じく意見が分かれるトピックだと思います。黒田さんはどう思われますか?
まずは、自分あるいは家族が働いている環境で、どれだけ公的制度でカバーされているか把握して、足りない部分を民間の医療保険やがん保険で補填するという考え方がいいのではないでしょうか。公的制度が厚い人はいいのですが、自営業の人や専業主婦など、手当が薄い人は保険で補うことをお勧めします。
次に、医療保険やがん保険にはいるのであれば、中身をしっかりと知っておくこと。“先進医療特約がついているから自由診療もすべて保険金が出るのではないか“といった間違った認識でがっかりされた患者さんもいました。どこからどこまで給付されるのか、されないのか、きちんと把握しておくことが必要です。
また、医療保険は「入院したらいくら」「通院したらいくら」といった給付金はでますが、生活費の補償にはなりません。ですからまず動かせるお金が必要になります。少なくとも生活費の半年~1年分は確保されていると安心です。すぐに引きだせるところにあるといいですね。
次に、医療保険やがん保険にはいるのであれば、中身をしっかりと知っておくこと。“先進医療特約がついているから自由診療もすべて保険金が出るのではないか“といった間違った認識でがっかりされた患者さんもいました。どこからどこまで給付されるのか、されないのか、きちんと把握しておくことが必要です。
また、医療保険は「入院したらいくら」「通院したらいくら」といった給付金はでますが、生活費の補償にはなりません。ですからまず動かせるお金が必要になります。少なくとも生活費の半年~1年分は確保されていると安心です。すぐに引きだせるところにあるといいですね。
■都道府県に一人ずつ、がん患者さんの相談に対応できるFPを増やしていきたい
―黒田さんの活動の今後の展開について教えてください。
私は、病院でがん患者さんの相談に対応できるFPをもっと増やしたいと考えています。病院でお金のことまで相談できることが当たり前になれば、誰にも相談できなくて悩む人もいなくなると思います。担当看護師のように担当FPがいるようになれば、銀行に行く患者さんに同行し、サポートしたり、入院中外出が難しい患者さんでも、病室で手続きなどが行えるよう、経済面のコーディネーター的な役割が担えるようになります。そうなれば、患者さんの負担や苦痛はすごく軽減されますよね。
今は「NPO法人がんと暮らしを考える会」でもFP研修を行っていますが、全国からこの分野に興味を持つFPの皆さんが参加されています。まずは都道府県に一人はがん患者さんに対応できるFPがいる状態を目指しています。実現までの道のりは長いですけれど。 ゆくゆくは国の相談支援体制がもっと充実してほしいと思いますね。
今は「NPO法人がんと暮らしを考える会」でもFP研修を行っていますが、全国からこの分野に興味を持つFPの皆さんが参加されています。まずは都道府県に一人はがん患者さんに対応できるFPがいる状態を目指しています。実現までの道のりは長いですけれど。 ゆくゆくは国の相談支援体制がもっと充実してほしいと思いますね。
ノバルティスファーマ主催の「働く世代、がんと向き合うためのセミナー」に登壇する黒田さん。暮らしとお金のことで知っておきたいことについて話されました。 |
―もっとがん患者さんの相談に対応できるFPの活動が広まってほしいですよね。
私は「がん患者専門のFP」としてブログ、SNS、ホームページで情報発信をしているのですが、ある程度のキーワードの検索をすることでやっと見つかるという程度でした。もっとたくさんの悩んでいるがん患者さんや家族の方に情報を知ってもらいたい、そして医療従事者やFPの皆さんにも「がんとお金」の必要性をもっと知ってもらいたいという思いで、All Aboutでのガイドを始めたんです。All Aboutはやはり信頼できるサイトとして認知度が高いと思います。
オールアバウトも、黒田さんの活動の認知普及に協力できれば、こんなにうれしいことはありません。今日はありがとうございました。
■All Aboutガイドを取材する「ガイドと●●」シリーズ、他の記事も読んでみてください
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文:宗像陽子
ライター・All About「歌舞伎」ガイド・子育てサイトココフル♪編集長。インタビュー記事や子育て記事、日本芸能についてなど、様々な媒体で情報発信中!
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