■成績がなかなかあがらない! これって転塾のタイミング?
受験って、マラソンみたいなものです。集団全体が動いていくので、自分も頑張って伸びてはいても、周りも伸びているから相対的に自分の位置や順位はあまり変わらない。だから、偏差値もなかなかあがっていかないわけです。成績が上がらないことが、そのまま塾に合っていないと捉えないほうがいいですよ。一番大切なことは、その塾に通って、本人の学習に対する意欲が上がっているかどうか。
そうではなく、家庭学習でも一生懸命やろうというサイクルができているかです。それさえできていれば、必ずどこかのタイミングでは成績が向上していくと思います。
本人のモチベーションが学習に向いていない場合、その塾は合っていないんじゃないかなと思います。
見極めるいいタイミングとしては、5年生の1学期。その時点でも今の塾と合わないようであれば、7月からの夏期講習からは別の塾に行ってみるというのはありですね。でも、安易に個別指導に走らないほうがいいと思います。「ついていけないから個別」というと、個別指導ってその子のペースにあわせてしまうので、受験までに全カリキュラムが終わらないということも結構あるんですよ。「ついていけないから個別」、ではなくて、「ついていけないから、もっとカリキュラムの緩い塾」とか、「もうちょっと面倒見のいい塾」などを探す方がいいかなと思います。■夫婦共働きで、学力低下はある? コミュニケーション不足が気になる!
多いですね。でも私は学習でもコミュニケーションでも、量ではなく質、質の良しあしを決めるのは、親の愛情だと思っています。今日この座談会を通じて、みなさんはお子さんに対して愛情をもって接していらっしゃることがよくわかりますので、心配はいらないのではないでしょうか。昔だって、お母さんはすごく忙しくて、お父さんは残業続きで帰ってこなかった家庭も多かったでしょう。それ自体が子どもをダメにすることは絶対ないです。むしろ、子どもたちに自分で生活を組み立てることを考えさせるいいきっかけになりますよ。
それは大事ですね。そんなズレを起こさないためにもみなさんには、週に一回、家族会議を開いていただきたいんです。土曜の8時からは家族会議だから絶対集合みたいな。そこで、子どもの学習や生活に関することを確認しあうのもありですよね。たとえば、毎日7時から8時は勉強しようとか、YouTubeは週に2時間までにしようとか。ただし、子どもたちのことはぜひ子どもたち自身に決めさせてみてください。自分で決めたことはきっと守ろうとしますしね。
そう。何かしたかったら子ども自身に交渉させればいいんです。今後、AIと共存する時代を迎えるにあたっても、人間の強みであるコミュニケーション力や折衝力など、他者と駆け引きする力は不可欠ですね。例えばYouTubeを見たいと子どもが言えば、なぜ見たいのか親を説得するために考えさせるとか。家族でコミュニケーションもとれるし、子どもの折衝力も上がりますし、一石二鳥ですね。Back Number
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