社員の挑戦を支え、組織の未来を築く。会社を動かす「法務」の力
法務グループのリーダーとして、社内の法務相談からコンプライアンス研修、ステークホルダーとの折衝まで、マルチに活躍する佐々木さん。幅広い領域で会社の成長を支えてきた功績が認められ、経営管理部では初めて通期MVPを受賞しました。日々、どんな思いで業務と向き合い、課題に踏み込んでいるのか、お話を聞きました。
経営管理部 法務グループ マネジャー 佐々木
出版社での営業職を経て、システム開発会社の経営企画部で法務を担当。契約書レビューやM&A対応などの業務を経験し、2023年1月にオールアバウトへ入社。現在は法務グループのマネジャーとして、契約審査や社内研修の導入、AI利用ルールの整備などにも取り組む。2024年度通期MVPを受賞。 (※取材実施時は、法務グループ リーダー。今年9月より現職) |
■“ひとり法務”を経て、「チームで働きたい」とオールアバウトに入社
ーオールアバウトに入社する以前は、どんなお仕事をされていたのでしょうか?
学生時代は法科大学院で法律を学び、将来的には管理部門で法務に携わることを希望していました。前職のシステム開発会社では、経営企画部にて契約書レビューやM&A関連業務、少額出資の手続きなど、幅広い法務業務を一人で担当していました。いわゆる“ひとり法務”ですね。
ー転職を考えたきっかけは?
チームで一緒に仕事をしたり、マネジメントの経験を積んだりすることで、キャリアの幅を広げたいと考えました。業種や業界を問わず、さまざまな会社の情報を集めました。
ー転職先としてオールアバウトを選んだ決め手はどんなことだったのでしょう。
当時のマネジャーだった高橋さんと面談をしたとき、ビジョンに共感したことがきっかけです。法務担当は法律の専門知識を持っていますが、社内のメンバーから相談を受けたとき、法律的に正しいかどうかを語るだけでは不十分です。組織の一員として会社が目指す方向を理解し、どうすれば実現できるのか、総合的な判断をする必要があるという高橋さんの姿勢に惹かれ、この会社で働きたいと思いました。
■日常の相談から経営視点でのリスク管理まで。社内法務の幅広い役割
ー管理部門の中でも、法務のお仕事は専門性が高く、難しく感じる方も多いと思います。会社の中でどんな役割を担うポジションなのか、あらためて教えていただけますか?
法務部門は、会社の中でも、最後に作られる部門のひとつだと思います。創業して、ある程度事業が成長するまでは、外部の弁護士に書類などのチェックを依頼することもできるので。ただ、例えば契約書ひとつとっても、そこに書かれていることは「氷山の一角」、ごく一部の情報にすぎません。背景にある事業の意図や経緯まで理解して初めて、適切な判断やリスク回避が可能になります。社内に法務部門があることで、問題が起こる前に手を打ち、事業を前に進めることができると思っています。
ー法務グループの中で、佐々木さんはどのような役割を担っているのでしょう。
私自身はリーダーとして、メンバーと一緒に日々の業務を回しながら、課題解決に取り組んでいます。例えば、オウンドメディアに掲載する画像が著作権を侵害しないかというような日常的な相談から、新規事業のリスク分析、経営陣との会議やステークホルダーであるNTTドコモ社との折衝まで、業務は多岐にわたります。
■「ブレーキ役」としての葛藤と工夫
ーこれまでの業務の中で、特に苦労したことはありますか?
2024年、フリーランス法が制定されたときの対応は印象に残っています。契約や報酬支払いなどのルールが大きく変わったため、事業部や経理の担当者と連携しながら、業務フローを見直しました。かなり細かい部分まで整備する必要があり、現場のメンバーの負担も大きかったと思います。
ー必要性を理解してもらうことも簡単ではなかったと思いますが、どうコミュニケーションをとったのでしょう。
法律を遵守しなければ当然ペナルティを課されますが、その説明だけで納得してもらうことは難しいです。むしろ、この取り組みを通じてフリーランスの方々との信頼関係を強化できること、それが事業にとってプラスになることを伝えるようにしました。
法務の仕事においては、時に、現場が推進しようとしている施策にブレーキをかけなければならない場面もあります。もちろん私たちも事業の成長を願っていますから、感情的には心苦しいのですが、先のリスクを見据えて「ここは止めなければならない」と判断するのも法務の役割です。
法務の仕事においては、時に、現場が推進しようとしている施策にブレーキをかけなければならない場面もあります。もちろん私たちも事業の成長を願っていますから、感情的には心苦しいのですが、先のリスクを見据えて「ここは止めなければならない」と判断するのも法務の役割です。
ー厳しいことを伝えなければならないとき、心がけていることはありますか?
一方的に「ダメです」と伝えるのではなく、相互理解を意識しています。何が問題なのか、どうすれば実現できるのかを丁寧に説明することが大切です。とは言え、詳細に語りすぎても伝わらないですし、説明を簡潔にしすぎると誤解を招くこともあります。温度感を合わせるのは難しく、毎日が反省の連続です。
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