重要なのはポリシーと決定力。レガシー化した社内CMS移行プロジェクトの舞台裏
オールアバウトの成長や変革に寄与した人物にお話を伺い、仕事に対する価値観や取り組みを深堀していく「Players」。今回はガイドメディアツールのリニューアルプロジェクトを牽引した株式会社オールアバウト メディアビジネス本部 メディア開発部 1グループマネージャーの田中賢志さんにお話を伺いました。プロジェクトの功績が讃えられ、「2018年上期みんなが選ぶMVP」を受賞された田中さんの人物像に迫ります。
田中賢志 メディアビジネス本部メディア開発部 WindowsのソフトウェアやAndroidアプリ、Webシステムの開発経験を経て、2017年にオールアバウトに入社。現在はメディア開発部1グループのマネージャーとして活躍。趣味はクラフトビールを飲むこと。仕事中の落ち着いた頼もしい雰囲気とは打って変わり、お酒の席では少年のような陽気さをみせる。飲んでいる時は仕事の話をしないらしい。 |
■納得感を持ってサービスを良くするための開発がしたい
——田中さんの今までのキャリアとオールアバウトの入社理由を教えてください。
これまでエンジニアとして、主にWindowsのソフトウェアやAndroidアプリの開発、Webシステムの開発に携わってきました。前職までは受託開発が中心で、多種多様なサービスの開発経験が積めたのは良かったのですが、納品したシステムが、その後どんな評価を受けているのかが見えなかったり、受注した範囲でしか仕事ができなかったりするのが嫌だったんですよね。受発注の関係だと、「この機能って本当にいるのかな」と思うものでも、やるしかない。自分の中で、「サービスを良くするにはどうすればいいか」という発想で、納得感のある仕事がしたいという思いが強くなり、自社サービスを運営している企業への転職を決めました。
オールアバウトを選んだのは、長年続いているメディアということで、ユーザーさんから愛されているサービスなのだろうと思ったからです。そんな多くの人から愛されているサービスを良くするために、自分がエンジニアとして何か貢献したいと思って、1年半前に入社しています。
オールアバウトを選んだのは、長年続いているメディアということで、ユーザーさんから愛されているサービスなのだろうと思ったからです。そんな多くの人から愛されているサービスを良くするために、自分がエンジニアとして何か貢献したいと思って、1年半前に入社しています。
■GMCツール移行プロジェクトの舞台裏
——入社して早々取り組まれた社内CMSの移行プロジェクトが複雑かつ膨大な作業を要するものだったと聞きました。
このプロジェクトは僕が入社する前から始動していたものなのですが、総合情報サイト「All About」に記事を書く約900人の専門家、All Aboutガイドの皆さんが記事を入稿するCMS「ガイドメディアツール」をリニューアルするというものです。
入稿ツールといっても、この「ガイドメディアツール」は機能がモリモリで。ガイドに応募された方の審査情報から、発注、納品、検収まで、ガイド記事に関わる全てを管理していて、扱うデータがものすごく膨大だったんですね。しかも老舗メディアだけに、7年くらい運用されている、もはやレガシー化したツールのひとつでした。
そんな中、使用するサーバーの保守期限の関係で、「ガイドメディアツール」を入れているSQL Serverから脱却する必要があり、この機会にデータ整理を行ってCMS自体をリビルドし、MySQLへ移行することになりました。問題は、そのSQL Serverを参照しているアプリが他にもたくさんあって、「ガイドメディアツール」と連携しているということ。新しいCMSから登録・編集するデータはSQL Serverにも登録する必要があり、データを同期するためのバッチファイルを作る必要がありました。CMSの開発自体は半年ぐらいで終わっていたのですが、この仕組みづくりが大変で。僕がプロジェクトマネージャーになったのはこの頃なのですが、新旧のデータの整合性のチェックなど、地道な作業だったことは間違いないですね。
入稿ツールといっても、この「ガイドメディアツール」は機能がモリモリで。ガイドに応募された方の審査情報から、発注、納品、検収まで、ガイド記事に関わる全てを管理していて、扱うデータがものすごく膨大だったんですね。しかも老舗メディアだけに、7年くらい運用されている、もはやレガシー化したツールのひとつでした。
そんな中、使用するサーバーの保守期限の関係で、「ガイドメディアツール」を入れているSQL Serverから脱却する必要があり、この機会にデータ整理を行ってCMS自体をリビルドし、MySQLへ移行することになりました。問題は、そのSQL Serverを参照しているアプリが他にもたくさんあって、「ガイドメディアツール」と連携しているということ。新しいCMSから登録・編集するデータはSQL Serverにも登録する必要があり、データを同期するためのバッチファイルを作る必要がありました。CMSの開発自体は半年ぐらいで終わっていたのですが、この仕組みづくりが大変で。僕がプロジェクトマネージャーになったのはこの頃なのですが、新旧のデータの整合性のチェックなど、地道な作業だったことは間違いないですね。
——かなり長期にわたったプロジェクトだったそうですが、その理由は?
もともとSQL Serverからの脱却を最優先事項として始まったプロジェクトだったので、CMS自体のUI/UXは後回しになっていたんですね。しかし、途中でSQL Serverをクラウドに移行できることになり、サーバーの保守期限が伸びたんです。そこで、ツールを使う編集部から改善要望も出ていたので、優先順位を変えてUI/UXの改善を行うことになり、リリース期限が延長されました。
改善要望としては、画面遷移数やボタンの位置といった細かい部分ではあるのですが、長年使い慣れたツールからの変更ということもあり、使い勝手を維持するために、UX/UIはとても重要で。プロジェクトの長期化は歓迎されることではありませんが、開発主導で作っていたCMSが、実際にツールを使う人の意見を反映したものとなったので、結果的には良かったと思います。
改善要望としては、画面遷移数やボタンの位置といった細かい部分ではあるのですが、長年使い慣れたツールからの変更ということもあり、使い勝手を維持するために、UX/UIはとても重要で。プロジェクトの長期化は歓迎されることではありませんが、開発主導で作っていたCMSが、実際にツールを使う人の意見を反映したものとなったので、結果的には良かったと思います。
■重要なのはポリシーと決定力。ぶれずにやりきることが何より大事。
——プロジェクトを進行する上で気を付けていたことはありますか?
自分がマネージャーの立場になったときに一番意識したのは、“まずリリースする”ということですね。開発手法にはウォーターフォール型開発とアジャイル型開発と2種類あり、ウォーターフォールはその名通り、要件を決めて、設計して、実装して、テストして、リリースする、上から下にしか行かない開発方法で、主に受託開発で採用されます。アジャイルは、要望を入れて開発して要望を入れて開発してというのを回していくもので、今回はアジャイルを採用したので、要望が膨らみがちになっていたのが課題でした。すでに何度かリリースの延期が続いてメンバーが疲弊していたこともあり、改善は最低限必要なものに留めさせてもらい、リリース後に調整しようと決めました。
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