クオリティに一切の妥協なし! 社内イチのプロ魂で日本の魅力を世界へ発信
オールアバウトグループの中で訪日外国人に向けたインバウンド事業や、国外在住者に向けたアウトバウンド事業を担当する「グローバル推進室」。「All About Japan」というWEBメディアの運営のほか、様々な公官庁の事業を推進する同部署のプロデューサーである子上さんに、事業の躍進の背景や、働く上で心がけている事について聞いた。
子上 知穂(ねがみ ちほ) グローバル推進室 リーダー 米国の大学を卒業後、業界最大級の国際特許事務所、大手広告代理店勤務を経て、2016年7月にオールアバウト入社。グローバル推進室で編集と制作のチームのリーダーを務める。主に中央省庁をクライアントとする案件を担当し、プロジェクトマネジメントを担うほか、そこから発展的な領域へと進めていく部分においても手腕を発揮している。 |
■国内メディアの経験を活かし、海外に向けて日本の魅力を発信
――まずはグローバル推進室全体のミッションや、現在の取り組みを教えてください。
グローバル推進室では、弊社が20年近く運営する国内向けの総合情報サイト「All About」で培ってきた経験を活かして、海外に向けた日本の情報発信に取り組んでいます。大きくは2つの柱があって、1つが「All About Japan」という訪日外国人向けメディアの運営。
そしてもう1つは、日本政府や地方自治体とともに日本各地の魅力を発掘・発信していく様々なプロジェクト。こちらはオンラインに限らず、紙メディアやリアルイベントなどオフラインのアウトプットも行っています。
そしてもう1つは、日本政府や地方自治体とともに日本各地の魅力を発掘・発信していく様々なプロジェクト。こちらはオンラインに限らず、紙メディアやリアルイベントなどオフラインのアウトプットも行っています。
All About Japan
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――そのなかで、子上さんはどのような役割を担っているのでしょうか。
部署内には営業、「All About Japan」の編集、クライアントの情報発信のためのコンテンツ制作と運用のお仕事がありますが、私は編集と制作チームのリーダーを務めています。特に日本政府や地方自治体などをクライアントとするプロジェクトへの関わりが多いですね。
リーダーとして、メンバーのアサインや、進捗ステータスの確認、成果物のクオリティ管理など、プロジェクトマネジメントを行うことがメインになっています。
リーダーとして、メンバーのアサインや、進捗ステータスの確認、成果物のクオリティ管理など、プロジェクトマネジメントを行うことがメインになっています。
■「All About Japan」の強みは、外国人ライターによる外国人目線の情報発信
――柱の1つである訪日外国人向け「All About Japan」には、どんな意義や特長がありますか。
「All About Japan」は2015年に誕生した、5言語による日本総合情報サイトです。海外の人々が日本を訪れるきっかけとなるよう、観光スポットのほか、グルメ、文化、技術などの日本に関する多彩な情報を発信しています。
現在、訪日外国人向けサイトは目的に応じて、多数のメディア会社が運営している状況ですが、「All About Japan」ならではの特長といえば、第一に“外国人ライターが外国人目線で情報発信”している点でしょう。私たちには国内外在住の外国人ライター約500人の独自ネットワークがあります。そして、部署内の米国、中国、台湾、韓国、タイの出身の編集担当と共に、出身国と日本、双方への深い理解をもってコンテンツを作っています。加えて、同じコンテンツを5言語に翻訳するのではなく、言語別にトピックスを選定しているため、各国マーケットに合わせた異なるコンテンツを取り扱っています。
さらに最近は、「温泉」「ラーメン」といった“点”のスポット情報から、歴史背景や経済状況、ライフスタイルを鑑みた連続性のある“面”の情報提供へと、新たなフェーズに踏み込んでいます。例えば、タイ語のコンテンツでは、「日本で働きたい」というニーズの多さに対して、日本の住宅事情やビザ取得方法なども紹介するなど。これまでと違った角度からの情報提供も積極的に行い、独自性を出すとともに信頼性の高い、ユーザーとの距離が近いメディアであり続けることを目指しています。
こんなふうに、各国マーケットに立脚した「All About Japan」の運営によって、私たちはマーケティングの力、クリエイティブの力を培ってきました。そうしたベースがあるからこそ、今、「All About Japan」以外の領域にも手を広げることができているのだと思います。
現在、訪日外国人向けサイトは目的に応じて、多数のメディア会社が運営している状況ですが、「All About Japan」ならではの特長といえば、第一に“外国人ライターが外国人目線で情報発信”している点でしょう。私たちには国内外在住の外国人ライター約500人の独自ネットワークがあります。そして、部署内の米国、中国、台湾、韓国、タイの出身の編集担当と共に、出身国と日本、双方への深い理解をもってコンテンツを作っています。加えて、同じコンテンツを5言語に翻訳するのではなく、言語別にトピックスを選定しているため、各国マーケットに合わせた異なるコンテンツを取り扱っています。
さらに最近は、「温泉」「ラーメン」といった“点”のスポット情報から、歴史背景や経済状況、ライフスタイルを鑑みた連続性のある“面”の情報提供へと、新たなフェーズに踏み込んでいます。例えば、タイ語のコンテンツでは、「日本で働きたい」というニーズの多さに対して、日本の住宅事情やビザ取得方法なども紹介するなど。これまでと違った角度からの情報提供も積極的に行い、独自性を出すとともに信頼性の高い、ユーザーとの距離が近いメディアであり続けることを目指しています。
こんなふうに、各国マーケットに立脚した「All About Japan」の運営によって、私たちはマーケティングの力、クリエイティブの力を培ってきました。そうしたベースがあるからこそ、今、「All About Japan」以外の領域にも手を広げることができているのだと思います。
■質の高いコンテンツを競合他社と共創する時代
――――もう1つの柱である、公官庁のプロジェクトには具体的にどんなものがあるのか、直近で印象に残っているものがあれば教えてください。
現在、日本では持続可能な観光先進国に向けて、訪日外国人4,000万人を目標に受け入れの施策に力を入れており、中央省庁や自治体からインバウンド支援のプロジェクトが数多く推進されています。弊社でも種々の案件を受託してきましたが、そのなかでもまず挙げたいのは、2018年度から取り組んでいる、観光庁の「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」でしょうか。
これは、外国人旅行者の受け入れのために、日本各地の観光スポットの案内板、ビジターセンターの展示物、音声ガイド、WEBサイトの解説文など様々な媒体の多言語化を図るというもの。弊社のほか数社が受託し、昨年度は全国42地域、今年度は106地域の世界文化遺産や国宝・重要文化財、国立公園について、各社で分担して取り組んでいます。
「単なるテキスト作成では?」と思われるかもしれませんが、すべて外国人ライターが現地を取材して、現地が伝えたいことと外国人にとって魅力を感じるポイントの両面を踏まえて作成しています。まさに我々のクリエイティブの力を活かした仕事ではないかなと思います。
これは、外国人旅行者の受け入れのために、日本各地の観光スポットの案内板、ビジターセンターの展示物、音声ガイド、WEBサイトの解説文など様々な媒体の多言語化を図るというもの。弊社のほか数社が受託し、昨年度は全国42地域、今年度は106地域の世界文化遺産や国宝・重要文化財、国立公園について、各社で分担して取り組んでいます。
「単なるテキスト作成では?」と思われるかもしれませんが、すべて外国人ライターが現地を取材して、現地が伝えたいことと外国人にとって魅力を感じるポイントの両面を踏まえて作成しています。まさに我々のクリエイティブの力を活かした仕事ではないかなと思います。
――ゼロから始めた事業1年目には、苦労もあったのではないでしょうか?
はい、一番の課題は、訪日外国人旅行者にとって分かりやすい解説文とはどのようなスタイルなのかを理解することでした。例えば固有名詞のローマ字表記や暦の表現をどうするかなど、実際の作業に入る前に整理しなくてはいけないことがたくさんありました。当然、同事業に参画する他社も同じ課題に直面し、足踏みしていました。
そこで、「一度みんなで話しませんか」という弊社の声掛けをきっかけに、各社の現場の課題や疑問点を集約してライティングに特化した本事業独自の「スタイルマニュアル」として整理していきました。各社とも、共に創っていこうという姿勢で協力してくださり、非常にありがたい気持ちとともに、共有した時間はかけがえのないものとなりました。
そこで、「一度みんなで話しませんか」という弊社の声掛けをきっかけに、各社の現場の課題や疑問点を集約してライティングに特化した本事業独自の「スタイルマニュアル」として整理していきました。各社とも、共に創っていこうという姿勢で協力してくださり、非常にありがたい気持ちとともに、共有した時間はかけがえのないものとなりました。
――“競争”関係にあるはずの会社同士が、“共創”して作り上げたんですね! そのような環境醸成はオールアバウトに求められた役割だったのですか。
いえ、依頼されたわけではないです。ただ、やるべき仕事と認識し、各社へ相談をし自主的に動き始めました。出来上がったマニュアルについては、実際に多言語解説を制作していくライターやエディター、これから多言語解説を整備していく地域への足掛かりにしていただきたいと思います。
今年度は、言語有識者の協力も仰ぎながらさらなる改良に努めています。この新マニュアルを活用して、より海外の方に伝わりやすい、分かりやすい多言語テキストを作成していきたいですね。
今年度は、言語有識者の協力も仰ぎながらさらなる改良に努めています。この新マニュアルを活用して、より海外の方に伝わりやすい、分かりやすい多言語テキストを作成していきたいですね。
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