開発からSREまで。マルチスキルを持った“愛され系エンジニア”のリアル
新卒4年目のエンジニアとして、現在SRE(Site Reliability Engineering)チームで活躍する山下さん。社内でも群を抜く、ポジティブさとコミュニケーション力の高さで知られる彼の見えざる苦悩や、これからの意気込みを聞いてみました。
山下 秀志(やました ひでゆき) 株式会社オールアバウト システム部 SREグループ 2017年 新卒として入社。入社当初は開発1グループに配属し、All Aboutメディアを支えるシステムの開発を担当。現在はSREグループに所属しクラウドインフラの構築・管理などを行っている。趣味はゲームと麻雀。近々ペット可な物件への引っ越しを検討しており、ゴールデンレトリバーと猫と一緒に住むのが夢。 |
■コミュニケーションの秘訣は“笑顔で誠実に”
——まずは山下さんが新卒エンジニアとしてオールアバウトへの入社を決めた理由を教えていただけますか?
学生時代からWeb系の技術に興味があって、主にIT系のベンチャーの採用試験を受けていました。オールアバウトはエージェント経由で知ったのですが、選考が進んでいく中で自分に一番合っている気がして、オールアバウトへの入社を決めました。
自分に合っていると感じた理由は、大きく2つあって。1つめは、システム部のトップの方や人事の方のお話を聞いて、「エンジニア環境を良くしていきたい」とか「社員の自立を目指している」といった共感するポイントが多くあったこと。2つめは、できたばかりのスタートアップではなく、ある程度大きくなっていて教育体制もありそうなベンチャーを探していたことです。当時、自分の技術力に自信がなかったので、少数精鋭のところに行くよりも、いろんなエンジニアを参考に、自分の好きな方向に成長していきやすそうな環境に行きたかったんです。
自分に合っていると感じた理由は、大きく2つあって。1つめは、システム部のトップの方や人事の方のお話を聞いて、「エンジニア環境を良くしていきたい」とか「社員の自立を目指している」といった共感するポイントが多くあったこと。2つめは、できたばかりのスタートアップではなく、ある程度大きくなっていて教育体制もありそうなベンチャーを探していたことです。当時、自分の技術力に自信がなかったので、少数精鋭のところに行くよりも、いろんなエンジニアを参考に、自分の好きな方向に成長していきやすそうな環境に行きたかったんです。
——代表の江幡さんとの最終面接は、どうでしたか?
正直、面接というよりもお茶をしていた印象が強いですね(笑)自分が好きなサービスや、自分が大事にしている価値観について話を聞いてくださったので、「しっかりと人柄を見てくれているな」と感じました。
——入社当初に配属された部署では、どんな仕事をしていましたか?
システム部の開発部1グループに配属されて、社内ツールの機能修正や総合情報サイト「All About」のシステム運用など、メディアに関するツール全般の運用・保守を担当していました。当初はソースコードを読む力や設計力が不足していたので、メンターである先輩を長時間拘束してアドバイスをもらっていました。
「All About」はメディアとしての歴史が長いことから、裏側のシステムが複雑に関連して構築されているケースが多々あり、ひとつの機能追加でも思わぬところに影響がでることもありました。メンテンスなどでは特に慎重な対応が求められますが、関係者に編集部や営業部といった他部署の人がいる際、計画や影響範囲を伝えるのに、できるだけ技術用語を使わずに相手が理解できるよう心がけて説明するクセがつきました。
「All About」はメディアとしての歴史が長いことから、裏側のシステムが複雑に関連して構築されているケースが多々あり、ひとつの機能追加でも思わぬところに影響がでることもありました。メンテンスなどでは特に慎重な対応が求められますが、関係者に編集部や営業部といった他部署の人がいる際、計画や影響範囲を伝えるのに、できるだけ技術用語を使わずに相手が理解できるよう心がけて説明するクセがつきました。
——山下さんの評価を周りの人に聞いてみると、「コミュニケーション力が高い」とか「周囲を巻き込む力がある」といった声が多くあったのですが、今言ったような“相手が理解できるよう説明する”といった配慮ができるのは、学生時代から培われていたものだったのですか?
うーん……それはどうでしょう? 自分のコミュニケーション能力はさほど高くないと思っているので。オールアバウトのみんなが、温かい方ばかりだからじゃないですかね(笑)僕が入社して半年後くらいに、GCPをクラウド環境で動作させるようにするプロジェクトを担当することになったんです。そのときに、いろいろな部署の人が使うツールもクラウドに引っ越すことになって、その調整過程で、多くの人とコネクションが増えていきました。
僕がいつも心がけているのは、なるべく笑顔で、誠実に話すことです。エンジニアって、仕事中に話しかけると怒られそうなイメージがありませんか? 学生自体にインターンしていた某SIerはまさにそうだったのですが(笑)、そんなネガティブな印象を持って欲しくなかったので。
それに、小さい頃から母に「他人には誠実に向き合いなさい」「恩を受けたら必ず返しなさい」と教えられてきたことも、大きく影響していると思います。人から親切にされるとうれしいので、自分もそうしようと自然に思うようになりました。
僕がいつも心がけているのは、なるべく笑顔で、誠実に話すことです。エンジニアって、仕事中に話しかけると怒られそうなイメージがありませんか? 学生自体にインターンしていた某SIerはまさにそうだったのですが(笑)、そんなネガティブな印象を持って欲しくなかったので。
それに、小さい頃から母に「他人には誠実に向き合いなさい」「恩を受けたら必ず返しなさい」と教えられてきたことも、大きく影響していると思います。人から親切にされるとうれしいので、自分もそうしようと自然に思うようになりました。
■年次を言い訳にせず自分の意志を持つ大切さ
——2年目の秋には、通称「捨てるプロジェクト」という案件のメイン担当に任命されたと伺いました。こちらはどんなプロジェクトだったのですか?
「All About」のシステムに遺されてきた「個人単位でしか運用してないシステム」や、「ただサーバーに残っているだけの忘れ去られたシステム」など、不要そうに見えるものをジャッジして、コストの削減やリソースの最適化を図ることが目的のプロジェクトでした。
当時、GCP移行を担当し、様々なシステムの対応を行っていたため、各部署とのコネクションがあり、社内システムを取捨選択できるだけの知見もある、ということで自分に白羽の矢が立ったのだと思います。
当時、GCP移行を担当し、様々なシステムの対応を行っていたため、各部署とのコネクションがあり、社内システムを取捨選択できるだけの知見もある、ということで自分に白羽の矢が立ったのだと思います。
——捨てるプロジェクトを行った結果、どんな成果がありましたか?
30以上のシステムが対象となったのですが、最も喜ばれたのは、自社で管理していたメルマガのシステムをSaaSに置き換えたことです。毎日17時にメルマガを送っていたのですが、メルマガが届かないとメールサーバーを見に行って、異常がなかったらメール送信システムを見に行って……と夕方から調査が始まることもあったんです。そうなると、メルマガが届くまで編集部の人たちも帰れなくなっていました。SaaSにしたことで、こういったことがなくなり、「ありがとう、すごく楽になったよ」ととても感謝してもらえました。
——こういった大きなプロジェクトを担当して、学んだことはありましたか?
僕は、相手の意向を汲み取りすぎて、優柔不断になってしまう癖がありました。当時、上長と別の先輩の意見が食い違ったときに、2人の間で板挟みになってしまうことが度々あって……。「結局、おまえはどうしたいんだ?」と言われたのをきっかけに、メリット・デメリットを客観的に評価しつつ、“自分がどうしたいのか”をまず考えて提案することの大切さを学びました。このプロジェクトを通じて、決断力が身についたと思います。
——その後、ベトナムのオフショア拠点に短期で行かれたそうですが、現地ではどんな学びがありましたか?
【プレスリリース】 オールアバウトがエボラブルアジアのベトナム法人と連携しベトナムでのITオフショア開発を開始~エンジニアを確保し、開発体制の強化を図る~
2018年10月4日、オールアバウトは、アジアを舞台にオンライン旅行事業、訪日旅行事業とITオフショア開発事業を手掛ける株式会社エボラブルアジア(本社:東京都港区、代表取締役社長:吉村 英毅)のグループ会社、株式会社エボラブルアジアソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長 チャン・バン・ミン)と連携し、ベトナムにてITオフショア開発を開始いたしました。
これからどんどん連携を深めていくために、オールアバウトのエンジニアがどんな人となりなのかをベトナムの人たちに知ってもらおうという目的で、3年目に入ったばかりの頃に行かせてもらいました。大学までずっと高知にいて、海外に行ったこともなかったので、「環境が変わるのは怖いな」と思いながらも、「そろそろチャレンジしないといけない」とも思っていたので、ベトナムの文化に触れられたのは良い経験になりました。
ベトナムの人は個人単位でタスクを持っていて、チームで行動することがなく知見の共有などがこれまでありませんでした。そのため、1週間だけチームで同じタスクを行いたいとお願いして、トライさせてもらいました。CircleCIというCIツールへの移行の方法を共有するために、一人ひとりに説明すると時間がもったいなかったからです。僕自身チーム開発の経験があまりなかったのですが、当時お世話になっていた先輩からチーム開発について教わっていたので、そのアウトプットも兼ねてやってみようかと。
ベトナムの人は個人単位でタスクを持っていて、チームで行動することがなく知見の共有などがこれまでありませんでした。そのため、1週間だけチームで同じタスクを行いたいとお願いして、トライさせてもらいました。CircleCIというCIツールへの移行の方法を共有するために、一人ひとりに説明すると時間がもったいなかったからです。僕自身チーム開発の経験があまりなかったのですが、当時お世話になっていた先輩からチーム開発について教わっていたので、そのアウトプットも兼ねてやってみようかと。
ベトナムの人たちはすごくアグレッシブ。日本人だと、周りを見て受け身になりがちじゃないですか。でも彼らに何かを教えると、すぐに「こういうことかい?」とプログラムを書いてみるんです。僕が他の人から質問を受けていても、「Hey, Hey!」と割り込んでくるくらいパワフルで(笑)仕事に対する姿勢だけでなく、国全体に活気が溢れている感じがしました。
僕はベトナム語や英語がうまいわけではないので、言語の壁を越えるためにホワイトボードで図示しながら説明していました。そうすると伝わりやすいことがわかったので、日本に戻ってからも、新卒の後輩に説明するときにはホワイトボードを使いながら説明するようにしています。
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