地域医療から予防医療へ。佐渡島を愛するオトコが社長直下で取り組むウェルネス事業
オールアバウトの成長や変革に寄与した人物にお話を伺い、仕事に対する価値観や取り組みを深堀していく「Players」。今回は社長直下のウェルネス事業推進室・平野祐さんにお話を伺いました。平野さんがなぜ予防医療に惹かれるようになったのか、またオールアバウトでどんな新規事業を作ろうと思っているのかその背景と人物像に迫ります。
平野 祐(ひらの ゆう) ウェルネス事業推進室 EHR(地域医療連携ネットワーク)に特化したコンサルティング会社2社を経て、2017年4月入社。社長直下の「ウェルネス」分野の新規事業立ち上げを担当。プロジェクトで2年住んでいた佐渡島をこよなく愛し、今でも年に2回は訪れる。その都度友達を連れたツアーとなり、今まで案内した人数は延べ50人 |
■正しいヘルスケア情報が届かない生活者と、サービスをうまく伝えられない事業者をつなげたい
――ウェルネス事業推進室での、平野さんの現在のお仕事について教えてください。
この1、2年ぐらいで日々の健康管理やダイエットをサポートするなどヘルスケア系のサービスは、どんどん立ち上がっていますが、生活者にとってはどのサービスがいいか目利きがむずかしいですし、本当はいいものなのに正しく使われなかったりする。マッチングがうまくできていない状態です。
まだ具体的な中身は言えないのですが、ウェルネス事業推進室では、ヘルスケアに関する情報が届いていない生活者と、サービスの存在やその良さをうまく伝えられない事業者をつなぐ「予防医療のプラットフォームビジネス」の構築をめざし、日々がんばっています。
「All About」の健康・医療カテゴリは、生活者向けの情報サイトの中でも最大級のユーザー数を持っているんですよ。ただの情報提供だけには終わらずユーザーに対してもっと価値のあるサービスができるはずと考えています。
まだ具体的な中身は言えないのですが、ウェルネス事業推進室では、ヘルスケアに関する情報が届いていない生活者と、サービスの存在やその良さをうまく伝えられない事業者をつなぐ「予防医療のプラットフォームビジネス」の構築をめざし、日々がんばっています。
「All About」の健康・医療カテゴリは、生活者向けの情報サイトの中でも最大級のユーザー数を持っているんですよ。ただの情報提供だけには終わらずユーザーに対してもっと価値のあるサービスができるはずと考えています。
■最初の会社では、佐渡島の医療情報の一元化プロジェクトに参加
――オールアバウトに入社前はどんな仕事をしていたんですか?
オールアバウトは新卒から数えて3社目になります。最初に入ったのは、CRM(顧客管理システム)に強みを持ったコンサルティング会社でした。その会社が、2012年から2014年にかけて新潟県の佐渡島で、電子カルテや検査の情報を地域で統合するプロジェクト を受託したので、すごく興味を持ち、自ら手を挙げそこに参加しました。
当時、佐渡島の住民は6万2000人。そのうち65歳の人口が37%で、道を歩いている3人のうちひとりはシニア層という高齢者社会でした。高齢化に伴って医療と介護を必要とする人数が増える一方、僻地なのでお医者さんも看護師さんも行きたがらないし、供給が不足している状態だったんですね。地域的な特性として、新潟本土の病院に行くには、日本海をこえなければいけないのですが、海が荒れて、二日間ぐらい船が出ないときもある。島で医療を完結させることが急務でした。
そこで、このプロジェクトで行ったのは医療情報の一元化です。地域の中に100ほどある医療機関や介護施設が、ばらばらに管理していた電子カルテ情報などを、島内でプライベートクラウド化し、個人の疾患の情報、飲んでいる薬の情報、血液検査の結果、健康診断や手術の情報などの一元管理をめざしました。
当時、佐渡島の住民は6万2000人。そのうち65歳の人口が37%で、道を歩いている3人のうちひとりはシニア層という高齢者社会でした。高齢化に伴って医療と介護を必要とする人数が増える一方、僻地なのでお医者さんも看護師さんも行きたがらないし、供給が不足している状態だったんですね。地域的な特性として、新潟本土の病院に行くには、日本海をこえなければいけないのですが、海が荒れて、二日間ぐらい船が出ないときもある。島で医療を完結させることが急務でした。
そこで、このプロジェクトで行ったのは医療情報の一元化です。地域の中に100ほどある医療機関や介護施設が、ばらばらに管理していた電子カルテ情報などを、島内でプライベートクラウド化し、個人の疾患の情報、飲んでいる薬の情報、血液検査の結果、健康診断や手術の情報などの一元管理をめざしました。
■システムを最大限に生かすため、施設や住民を説得
管理システムを作る上で大変だったのが、まず地域の施設・医療機関に説明をして、理解を得たうえでシステムに参加してもらうこと。さらに勝手に個人情報の共有はできないので、住民の一人ひとりに同意書を書いてもらうという作業です。
こういったプロジェクトは全国でありますが、住民を巻き込まないと絶対に失敗するんです。いくらお金をかけてシステムを作っても、登録をしてくれる人が1%しかいなければ、救急車で運ばれても、100回に1回しか使われないわけですからね。
なので、ほんとに地道な作業なんですが、「救急車で運ばれたときにかかりつけ医の診療記録が搬送先の病院でわかるよ」とか「退院した時にちゃんと情報の引継ぎをしてもらえるので、次のところできちんと対応してもらえるよ」とか、そういったメリットを個別に伝えることで賛同を得て登録をしてもらっていました。
こういったプロジェクトは全国でありますが、住民を巻き込まないと絶対に失敗するんです。いくらお金をかけてシステムを作っても、登録をしてくれる人が1%しかいなければ、救急車で運ばれても、100回に1回しか使われないわけですからね。
なので、ほんとに地道な作業なんですが、「救急車で運ばれたときにかかりつけ医の診療記録が搬送先の病院でわかるよ」とか「退院した時にちゃんと情報の引継ぎをしてもらえるので、次のところできちんと対応してもらえるよ」とか、そういったメリットを個別に伝えることで賛同を得て登録をしてもらっていました。
結果的に、1万3000人、全島民の20%を超える人たちに登録してもらい、当時では、全国で1、2を争うカバー率になりました。
この佐渡島プロジェクトは、社会人人生を左右する大きな分岐点とも言えるくらい貴重な経験になりました。東京に戻った後も医療系のプロジェクトに携わりたいと思っていた矢先、当時のプロジェクト責任者が地域医療に特化した会社を作ることになり、私もそこに転職しました。
その会社では岩手県の陸前高田市の被災地でのプロジェクト推進など、地域によって異なる課題を捉えながら、住民に役立つ健康支援を軸にした仕事に従事しました。
この佐渡島プロジェクトは、社会人人生を左右する大きな分岐点とも言えるくらい貴重な経験になりました。東京に戻った後も医療系のプロジェクトに携わりたいと思っていた矢先、当時のプロジェクト責任者が地域医療に特化した会社を作ることになり、私もそこに転職しました。
その会社では岩手県の陸前高田市の被災地でのプロジェクト推進など、地域によって異なる課題を捉えながら、住民に役立つ健康支援を軸にした仕事に従事しました。
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