■メディアの価値って、何だっけ?
—伊藤さんはかなり早い段階でPVを目標にしない決断をされていたと聞きます。なぜでしょうか?
Webメディアの世界では、できるだけ多くのユーザーと接点を持ち、そこからビジネス的な収益を上げていくというビジネスモデルがわかりやすく存在します。その反面、おこがましい言い方にはなりますが、個々のユーザーをどれくらい幸せにできたかについては、あまり言及されていないのかな、と感じていました。
例えばECだとコンバージョンという形で目に見えやすいですが、メディアの場合、“3ページある記事の1ページ目で離脱したのは、知りたいことが理解できた、という目的が達成されたからなのか、それとも逆に「自分に関係ない」と思われたのか”といったように、その数字が表す意味を測るのって、難しいですよね。ちょっとズルく考えると、ページを細かく分割したり、インフィニティスクロール(下へスクロールするにつれてコンテンツを継続的に見せる仕組み)にするだけでも、大幅にPVという数字は変えることができます。でも、それって当たり前ですが、何の価値も生み出していない。
個々のユーザー体験の向上という視点で考えると、特に幅広いジャンルを扱う「All About」の場合、テーマや記事のタイプによっても指標は異なるはずです。PVという母数の参考値としての指標だけやみくもに追うのではなく、「個々のユーザーの満足度を高めるためには、どうすればいいか」といった観点で指標の必要性を考えると、ユーザーの行動を把握するためには、セッション毎の直帰率、滞在時間、回遊数等を見る方法もあります。ただ、それだけでは足りないですよね。
そこで考えたのが、総合型のメディアだけで追っていくのは難しい“個々のユーザー体験”を把握し、さらに向上させるために「All About」と両軸で進めていこうとしている「バーティカルメディア構想」です。
例えばECだとコンバージョンという形で目に見えやすいですが、メディアの場合、“3ページある記事の1ページ目で離脱したのは、知りたいことが理解できた、という目的が達成されたからなのか、それとも逆に「自分に関係ない」と思われたのか”といったように、その数字が表す意味を測るのって、難しいですよね。ちょっとズルく考えると、ページを細かく分割したり、インフィニティスクロール(下へスクロールするにつれてコンテンツを継続的に見せる仕組み)にするだけでも、大幅にPVという数字は変えることができます。でも、それって当たり前ですが、何の価値も生み出していない。
個々のユーザー体験の向上という視点で考えると、特に幅広いジャンルを扱う「All About」の場合、テーマや記事のタイプによっても指標は異なるはずです。PVという母数の参考値としての指標だけやみくもに追うのではなく、「個々のユーザーの満足度を高めるためには、どうすればいいか」といった観点で指標の必要性を考えると、ユーザーの行動を把握するためには、セッション毎の直帰率、滞在時間、回遊数等を見る方法もあります。ただ、それだけでは足りないですよね。
そこで考えたのが、総合型のメディアだけで追っていくのは難しい“個々のユーザー体験”を把握し、さらに向上させるために「All About」と両軸で進めていこうとしている「バーティカルメディア構想」です。
—「バーティカルメディア構想」という言葉が出ましたが、それはどのようなものでしょうか?
「All About」は長い間サービスを続ける中で、ほとんどやり方を変えていないんですよ。これはこれで、すごいことだと考えています。ただ、創業期から時代がどんどん変わっていく中で、インターネットやメディアに求められていることが、高次元化していっている現状にあります。
これまでは、「気になることを検索して、欲しい情報にたどり着いたら、納得感を持って去っていく」というだけでよかったかもしれませんが、さらに満足度を高めていくためには、情報を得た先でユーザーに何かアクションを起こしてもらい、具体的な価値や幸せを得てもらえるようにしていかないといけません。
例えば、マネーの記事と恋愛の記事では、読んでいるユーザーのゴールは全く別なはずですよね。テーマによって異なるゴールを作って、より多くの価値を作っていけたら、というのがバーティカルメディア構想の狙いです。
これまでは、「気になることを検索して、欲しい情報にたどり着いたら、納得感を持って去っていく」というだけでよかったかもしれませんが、さらに満足度を高めていくためには、情報を得た先でユーザーに何かアクションを起こしてもらい、具体的な価値や幸せを得てもらえるようにしていかないといけません。
例えば、マネーの記事と恋愛の記事では、読んでいるユーザーのゴールは全く別なはずですよね。テーマによって異なるゴールを作って、より多くの価値を作っていけたら、というのがバーティカルメディア構想の狙いです。
その第一弾として今年7月にリリースしたばかりの「PICUP(ピカップ)」は、そんなゴールのひとつとして“買う”という行動に着目したお買い物情報メディアです。商品に知見のある人が、同じジャンルの商品を比較しながら、「この商品はここがいいけど、こっちの商品はここがいいんだよ」と丁寧に紹介してくれるサービスがあったら便利だよね、ということで作りました。
専門家がオススメの品を紹介する、お買い物情報メディア「PICUP(ピカップ)」がオープン - About All About
専門家ならではの独自の目線で、商品の選び方やオススメの品を紹介する新サービス、お買い物情報メディア「PICUP」について紹介します。
まだ初動の段階なので何とも言えないですが、ユーザーの行動に繋がる指標については想定以上の数字です。価値を産み出せそうなことはわかったのですが、まだ少人数の体制で動いているので、チーム体制の拡大も視野に入れてジャンルを“モノ”だけじゃなくライフスタイル全般に広げていきたいと考えています。
もともとオールアバウトが目指すのは、“個人が好きなことをやりながら自立して、不自由なく生きていけるようにすること”。まずは、そのために必要な「住まい・お金・キャリア」といった生活基盤に関するテーマから、ユーザーが賢く生きるための正しい知識を身につけられるバーティカルメディアを増やしていけるよう、より一層検討を進めていきたいと考えています。
もともとオールアバウトが目指すのは、“個人が好きなことをやりながら自立して、不自由なく生きていけるようにすること”。まずは、そのために必要な「住まい・お金・キャリア」といった生活基盤に関するテーマから、ユーザーが賢く生きるための正しい知識を身につけられるバーティカルメディアを増やしていけるよう、より一層検討を進めていきたいと考えています。
(取材・文 野本 纏花)
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