ナカムラ流「負けるが勝ち」のススメ ~人生100年時代を生き抜く! 心が折れないキャリアの積み上げ方~
2004年に第2新卒としてオールアバウトに入社し16年。一見すると順風満帆なキャリアパスをたどってきた印象のある中村さんですが、実は紆余曲折、崖っぷち、挫折のオンパレードだったそう。人生100年時代を生き抜くキャリアの積み上げ方、肩肘張らない崖っぷちの乗り切り方について聞きました。
中村 聡(なかむら さとし) メディアアライアンス部兼コンテンツコマース部 ジェネラルマネジャー 2002年に立命館大学卒業後、大手生命保険会社に入社し個人営業、法人営業、本社での事務に携わる。2004年オールアバウトに入社してからは、経営企画、事業企画、営業企画、事業統括など主にスタッフ業務を担当。2018年よりメディアアライアンス部、2019年よりコンテンツコマース部を担当しビジネスに直接携わる。 |
◆上司に理詰めされる日々で叩き込まれたロジカルな思考
―まず中村さんの今までの歩みから教えてください。
大学卒業後は、大手生命保険会社に入社しました。1年目はそこそこ成績を残していたものの、2年目でまさかの地方転勤の辞令が出て「出世コースから外れたな……」と挫折し、転職を決意。オールアバウトが上場する前の2004年に経営企画部に入社し、今年で16年目です。
―業界も職種もそれまでとは違うオールアバウトの経営企画を選んだのはなぜですか?
「経営企画」という響きが「なんだかかっこいいなあ」というそれだけです(笑)。そのための勉強もしていなかったので、面接では「どういうつもりで受けたの?」って30分くらいずっと説教されっぱなし。てっきり落ちたと思っていました。
―そんな第2新卒だったんですか! なぜ採用されたんでしょう?
後から聞くと、素直さだったり、自分のダメなところを認められる人間性を評価してもらったみたいです。入社したときはまだオールアバウトの規模も小さくて、経営企画部では、人事、経理、法務、財務などのスタッフ業務を幅広くやっていました。周りはバリバリ仕事のできる人ばかりで、世の中には、こんなに仕事ができる人がいっぱいいるのかと、今までの根拠のない自信をへし折られましたね……。
―当時の上司は、とても厳しかったと聞いています。
はい。当たり前ですが、未経験でしたので、基本的にすべての仕事ができませんでした。考え方もなってない。とにかく社会人としての基礎力やロジカルなものの考え方をひたすらストイックに叩き込まれていた気がします。
◆予想外の異動を命じられるも現場に近い場所で感じたやりがい
―経営企画のスタッフとして3年目に事業部サイドへ異動となりましたね。どのように感じましたか?
採用してくれた上司が別部署へ異動となり、自分自身も経営企画の仕事の幅も広がったと思っていたので、もっと大きな仕事を任されるかな? なんて勝手に考えていました。なので、正直いうととても残念でした。「なぜ異動なのだろう。自分は必要ないのだろうか……やっぱり仕事ができないんだろうか……」なんて悶々としていました。
―異動先ではどうでしたか?
その時の上司は現在オールアバウトライフワークスの社長である菱倉さん。経営企画部時代の上司とは180°マネジメントが違って、好きなことをやったらいいよというスタイルでした。
菱倉さんが過去に執筆した記事はこちら
業界で起きているニュースを取り上げ、解説や分析、意見を掲載するコーナー「Opinion」。今回はオールアバウトグループにおいて、生涯学習事業を推進するオールアバウトライフワークス・代表の菱倉さんが登場。人生100年時代と言われる超少子高齢化社会のいま、要介護などで支えが必要な人を増やさないために生涯学習ができる解決策について言及します。
―最初の上司のストイックな教育で、ビジネスマンとしてのキャパシティは大きくなったのかもしれないですね。ちなみにですが、菱倉さんからは当時のことを振り返ってこんなコメントをもらっています。
経営管理部時代は上司にすべて管理されているイメージだったので、そういうスタイルが性に合っているなら、そもそも仕事は楽しくないんじゃないかな?と心配していました。
ただ、あの時の経験があったことで、中村のビジネスマンとしてのキャパシティが大きくなったのも事実だと思います。そういうベースが早い段階からあったので、私のもとで比較的に自由やらせたことが結果的に良かったのかもしれません。
最初からそういうマネジメントでスタートしていたら、いい加減な奴になってたと思いますよ(笑)
―その後、マネジャーへとキャリアップしましたが、事業部では、どんなことを得られましたか?
営業の目標設定や事業部の予算作成、予実管理、分析が主な仕事だったのですが、「受注した商品が何で、どういうふうに売上が積み重なっていくのか」という事業が回っていく様子を間近で実感でき、やりがいを感じましたね。仕事とは「何をやったら成果につながるかを常に考えること」なのだと気づきました。
また、当時の部門責任者が現オールアバウトライフマーケティング代表の土門さん。当たり前なのですが、非常に数字に厳しくロジカルな思考をされていたので、きちんとした背景や根拠がないと作った予算案や企画にも納得してくれませんでした。そこは自分も徹底的にやるようになりましたね。
また、当時の部門責任者が現オールアバウトライフマーケティング代表の土門さん。当たり前なのですが、非常に数字に厳しくロジカルな思考をされていたので、きちんとした背景や根拠がないと作った予算案や企画にも納得してくれませんでした。そこは自分も徹底的にやるようになりましたね。
当時の部門責任者であるオールアバウトライフマーケティング代表・土門さんのインタビュー記事はこちら
2011年に資本業務提携をした後、2012年3月にオールアバウトのグループ会社となったオールアバウト ライフマーケティング。話題の商品がお得に試せる「サンプル百貨店」を主力サービスとして急成長する同社を率いるのは、オールアバウトで長らく広告ビジネスを担当していた土門さん。そんな土門さんが見据えるサービスの未来や、実現したい世界観について話をうかがいました。
◆負けを受け止めながらも、できない理由は突き詰める
―その後2012年に、32歳で当時としては最年少のジェネラルマネジャーに抜擢されました。
背景として、2008年にリーマンショック、2011年に東日本大震災があり、その影響で業績がやや右肩下がりになる中、会社全体として危機感のほか、「変わらなきゃ」という思いがありました。今思えば私の起用は「若いのを入れてもいいんじゃない」という「会社としての変化のひとつ」だったんじゃないかな。
―やってみていかがでしたか?
当時から新規事業にもいくつかチャレンジしており、既存事業とのバランスを見つつ事業部全体の利益を出す予算を作るという難易度の高い仕事でした。周りは、「若いんだからもっと引っ掻き回せよ」くらいの期待があったと思いますが、全くできず小さくまとまっちゃっていた。そうこうしてると、「なんであいつがジェネラルマネジャーになったの?」みたいな声も漏れ伝わってきましたし……。
―厳しい上司、予想外の異動、難易度の高い多岐にわたる仕事。そんなツライ日々を乗り越える秘訣みたいなものはありますか?
まず自分ができないことを受け入れる。それができないと精神的にも肉体的にも不調をきたす気がします。
―中村さんの人となりを周囲の人に聞くと皆口々に「負けず嫌い」と言っていましたが、できないことを受け入れるのは、負けを認めるようで辛くはないのですか?
確かに若いころは、負けちゃダメだというプレッシャーが強かった。でもずっと勝っている社会人人生なんてないような気がします。もちろんそういう方もいらっしゃいますが…。負けることは悪いことじゃない。まずは事実を受け止めたうえで、どうするか考える。そこにもっと時間をかけてもいいと思います。
ただ、できない理由を突き詰めないままでモヤっとしているのはすごく嫌いなので、一つひとつ自分のできることを増やした上でやりきって自分なりに納得したいなと。
ただ、できない理由を突き詰めないままでモヤっとしているのはすごく嫌いなので、一つひとつ自分のできることを増やした上でやりきって自分なりに納得したいなと。
―厳しい環境下に置かれた時の、オススメの思考法なんてあったりしますか?
俺はもっとできる、俺はまだまだ本気出していないんだぞ!という根拠のない自信は、実はずっと持ってますね(笑)。あと、あまり偉そうに言える話ではないのですが、ずっとフルスロットルで働けている訳ではありません。時折、怠けることだってあります。
もちろん、やるべきことはちゃんとやっていますよ(汗)。その上で、期待以上のものを返していない時期が、合計すると数年くらいあるんじゃないかな……。
それが逆によかったのかもしれない。モチベーションが上がらない時期を過ごした後、「もう大丈夫だ」という瞬間がくるので、そこからまたエンジンかけてガーっとやるという繰り返しが多かったです。
もちろん、やるべきことはちゃんとやっていますよ(汗)。その上で、期待以上のものを返していない時期が、合計すると数年くらいあるんじゃないかな……。
それが逆によかったのかもしれない。モチベーションが上がらない時期を過ごした後、「もう大丈夫だ」という瞬間がくるので、そこからまたエンジンかけてガーっとやるという繰り返しが多かったです。
―「怠ける」というと言葉が悪いけれど、時にはゆるく働くコントロールも必要かもしれないですね。常に張り詰めて、パワー全開で頑張っているといつか壊れてしまうのかも。
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