志をカタチにする「アスピレーション型」新規事業の作り方~前編
世の中には様々なタイプの経営者・起業家がいます。リクルート時代、日本初となるIT製品比較のONE TO ONE WEBサイト「キーマンズネット」をはじめ、数々の新規事業の立ち上げ・育成などを経験し、“立ち上げ屋”と称されたオールアバウト代表の江幡さんに、自ら実践してきた「アスピレーション型」新規事業の作り方について、解説してもらいます。
■新たなビジネスを生み出す4つの起業家タイプ
僕は33年前、90年代に進んだIT革命が始まる前に、エンジニアとしてリクルートに入社しました。「これからの時代は、通信やコンピュータといったテクノロジーが世の中を大きく変える原動力になる」と確信を持っていたからです。
リクルートでもいろいろな事業を立ち上げたり、事業や会社の方向性を決めたりしていたので、当時は“立ち上げ屋”なんて呼ばれていたこともありました。そうは言っても、新規事業を必ず成功させられるセオリーはありません。ただ、多くの立ち上げ経験から、事業を成功を導くには強い動機が必要だと感じています。その動機ごとに、次の4つのタイプに起業家を分類できます。
リクルートでもいろいろな事業を立ち上げたり、事業や会社の方向性を決めたりしていたので、当時は“立ち上げ屋”なんて呼ばれていたこともありました。そうは言っても、新規事業を必ず成功させられるセオリーはありません。ただ、多くの立ち上げ経験から、事業を成功を導くには強い動機が必要だと感じています。その動機ごとに、次の4つのタイプに起業家を分類できます。
1.アスピレーションタイプ
“これで世の中をこう変えたいんだ”“今の世の中には、絶対にこれが必要なんだ”という強い志をもっている人。
2.コンサルタントタイプ
フレームワークを用いながら、構造的に事業を組み立てていく人。大きな会社で新規事業開発に着任した人に多い。
3.野心家タイプ
“社長になりたい”“とにかく新しいことがしたい”という強い欲求をもっている人。
4.ものづくりタイプ
クリエイター気質で自分の好きなことを追求していく人。
“これで世の中をこう変えたいんだ”“今の世の中には、絶対にこれが必要なんだ”という強い志をもっている人。
2.コンサルタントタイプ
フレームワークを用いながら、構造的に事業を組み立てていく人。大きな会社で新規事業開発に着任した人に多い。
3.野心家タイプ
“社長になりたい”“とにかく新しいことがしたい”という強い欲求をもっている人。
4.ものづくりタイプ
クリエイター気質で自分の好きなことを追求していく人。
僕自身は「アスピレーションタイプ」に該当しますが、新規事業の立ち上げにおいて、どのタイプが良くてどれがダメだ、という話ではありません。どのタイプでもいい。
ただ1つ、絶対に欠かせないのは、寝食を忘れて熱中できるくらいの、自分が立ち上げる事業に対する“好き”という気持ちです。新規事業の立ち上げにおいては、思い通りにならないことがたくさんあります。よほどの思いがなければ、続かないんですね。だからこそ、自分の根底にある“好き”が、最高のスタート地点になると思っています。
加えて、僕のようなアスピレーションタイプの場合、事業が与える影響力が大きく、長く続くものを目指すため、テクノロジーの進化や業界構造、国の社会システムといった、事業を取り巻く大きな環境の変化を、中長期的に捉えるところから始める必要があるでしょう。
ただ1つ、絶対に欠かせないのは、寝食を忘れて熱中できるくらいの、自分が立ち上げる事業に対する“好き”という気持ちです。新規事業の立ち上げにおいては、思い通りにならないことがたくさんあります。よほどの思いがなければ、続かないんですね。だからこそ、自分の根底にある“好き”が、最高のスタート地点になると思っています。
加えて、僕のようなアスピレーションタイプの場合、事業が与える影響力が大きく、長く続くものを目指すため、テクノロジーの進化や業界構造、国の社会システムといった、事業を取り巻く大きな環境の変化を、中長期的に捉えるところから始める必要があるでしょう。
■筋が良いビジネスを見極める3つのポイント
事業の立ち上げ方に正解はないとはいえ、できれば失敗は避けたいと思うのは、みな同じです。たとえ自分の好きなことが見つかり、そこから事業のアイデアが生まれても、本当にそれを実行に移すべきかどうか、判断に迷う人も多いのではないでしょうか。
僕は新規事業における筋の良さを見極めるとき、3つのポイントからそれが魅力的な事業アイデアであるかどうかを判断します。
僕は新規事業における筋の良さを見極めるとき、3つのポイントからそれが魅力的な事業アイデアであるかどうかを判断します。
1.ポテンシャルの大きさ
大きな環境変化があり、本質的な価値を提供することでイノベーションが起こせるような、大きなポテンシャルがあるマーケットなのか。
2.実現性・勝てる見込み
自分たちで価値創出できるのか。想定される問題を乗り越える術が2つ以上あり、勝ち筋が見えているのか。
3.強い収益構造
最初に投資をして、ある程度の規模になれば加速度的に利益率が上がるようなレバレッジ構造になっているか(≒テコの原理が働くか)。
大きな環境変化があり、本質的な価値を提供することでイノベーションが起こせるような、大きなポテンシャルがあるマーケットなのか。
2.実現性・勝てる見込み
自分たちで価値創出できるのか。想定される問題を乗り越える術が2つ以上あり、勝ち筋が見えているのか。
3.強い収益構造
最初に投資をして、ある程度の規模になれば加速度的に利益率が上がるようなレバレッジ構造になっているか(≒テコの原理が働くか)。
大前提として、会社や部署のビジョンに合致している必要はありますが、その上でこれら3つの懸念点をクリアできなければ、私はどんなに熱意を持ってプレゼンされてもGOサインを出すことはしません。
■「All About」を立ち上げる上での環境変化の捉え方とレバレッジ構造
それでは、実際に僕がオールアバウトを創業したときは、どうだったのか。僕が総合情報サイト「All About」のメディアビジネス事業を始めるに至った2000年当時を振り返ってみましょう。
まずアスピレーションタイプである僕の志としては、「戦後の高度経済成長期に作られた古い社会システムから脱却すべく、国や企業に頼らない、個人の自立した社会システムの樹立を目指したい」というものでした。
そこで「個人を豊かに、社会を元気に」というビジョンを掲げ、具体的には個人が活躍するプラットフォームを通じて、さらに多くの個人の自立を促していこうと考えたのです。
まずアスピレーションタイプである僕の志としては、「戦後の高度経済成長期に作られた古い社会システムから脱却すべく、国や企業に頼らない、個人の自立した社会システムの樹立を目指したい」というものでした。
そこで「個人を豊かに、社会を元気に」というビジョンを掲げ、具体的には個人が活躍するプラットフォームを通じて、さらに多くの個人の自立を促していこうと考えたのです。
バブルが弾け、不安定な時代の中で、誰もが人生を、“不安なく、賢く、自分らしく生きたい”と願っている。そのためには「人生を楽しむ力」「人生を賢く生きる力」「人生の不安を取り除く力」という3つの力が必要であり、その力を手にすることによって、個人が自立できると考えました。
そして、その土台である「人生の不安を取り除くチカラ」として、"お金に困らない"、"健康に困らない"、そして"キャリアに困らない"といった3つを実現する力が不可欠です。
そして、その土台である「人生の不安を取り除くチカラ」として、"お金に困らない"、"健康に困らない"、そして"キャリアに困らない"といった3つを実現する力が不可欠です。
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