<リーダーズ Vol.10>オールアバウトグループ成長の牽引役、『サンプル百貨店』の取り組み
2011年に資本業務提携をした後、2012年3月にオールアバウトのグループ会社となったオールアバウト ライフマーケティング。話題の商品がお得に試せる「サンプル百貨店」を主力サービスとして急成長する同社を率いるのは、オールアバウトで長らく広告ビジネスを担当していた土門さん。そんな土門さんが見据えるサービスの未来や、実現したい世界観について話をうかがいました。
土門 裕之(どもん ひろゆき) オールアバウトライフマーケティング 代表取締役社長 立教大学社会学部卒業。1997年4月株式会社ティージー情報ネットワーク入社。インターネット黎明期にWebアプリの開発に従事した後、ネットベンチャー企業でサービス開発・運営に携わる。2003年9月株式会社カービュープロダクト事業本部部長、2009年4月株式会社オールアバウト メディア事業部事業部長を経て、2011年9月に株式会社オールアバウトと資本業務提携した株式会社ルーク19取締役兼COOに就任し「サンプル百貨店」の運営を執行。2013年4月より商号変更し、株式会社オールアバウトライフマーケティング代表取締役社長に就任。 |
■「サンプル百貨店」との提携にいたるまで
――土門さんは以前、オールアバウトに所属していたとのことですが、当時の仕事内容を教えてください。
もともと株式会社オールアバウトで広告ビジネス部門に在籍していました。2000年代中頃まで、インターネットのタイアップ広告市場は堅調でして、当時はメディアを軸に販売するスタイルで収益を拡大していました。
そうした中、インターネットの世界は許認可制ではないので、大小様々なメディアが次々と誕生しました。媒体の垣根が曖昧になっていくことに伴い、広告出稿は誰にリーチするか?という「媒体から人へ」のターゲティングに変化していきました。インターネットはリーチ精度が高いことに加え、レスポンスもダイレクトに取得できます。そのような特性を捉えるには、より販促に近いマーケットに対するソリューションがオールアバウトには必要だと感じていました。
いろいろな事業会社を見ていくと、当時(2010年頃)ルーク19社が運営していた「サンプル百貨店」は独自の販促支援サービスで会員40万人以上を抱えており、すごく魅力的に感じました。「All About」の持つメディアのリーチ力と、「サンプル百貨店」の会員基盤を組み合わせた販促サービスを打ち込んでいけば、面白いサービスができるのではないか?と両社お互いに関心を持っていたことから、共同商品の考案、提携の検討と話しが進んでいったんです。
そうした中、インターネットの世界は許認可制ではないので、大小様々なメディアが次々と誕生しました。媒体の垣根が曖昧になっていくことに伴い、広告出稿は誰にリーチするか?という「媒体から人へ」のターゲティングに変化していきました。インターネットはリーチ精度が高いことに加え、レスポンスもダイレクトに取得できます。そのような特性を捉えるには、より販促に近いマーケットに対するソリューションがオールアバウトには必要だと感じていました。
いろいろな事業会社を見ていくと、当時(2010年頃)ルーク19社が運営していた「サンプル百貨店」は独自の販促支援サービスで会員40万人以上を抱えており、すごく魅力的に感じました。「All About」の持つメディアのリーチ力と、「サンプル百貨店」の会員基盤を組み合わせた販促サービスを打ち込んでいけば、面白いサービスができるのではないか?と両社お互いに関心を持っていたことから、共同商品の考案、提携の検討と話しが進んでいったんです。
■"有料サンプリング"への転換
――2011年に資本業務提携をしてから、ビジネスモデルの転換を図ったとお聞きしましたが、具体的にどのようなことをしたのでしょうか?
「サンプル百貨店」を理解していく中で、ポテンシャルが高いと感じたのは“有料サンプリング”という手法です。当時は無料で企業からもらえる“サンプリング”が中心。ユーザーが無料で商品を得られる一方で、専用商品の製造や配送コストなど企業側の負担は大きく、そのままだと拡大していかない状況でした。
そこで、我々が資本参加してから「ユーザーが無料、企業がサンプリング費用を負担」という図式ではなく、配送費等のコストをユーザーに負担してもらう”有料サンプリング”を強化し、今までのやり方を180度転換していきました。それが出店企業だけでなく、生活者に対しても響きました。取引先様からのアドバイスやご支援を受け、市場に受けるやり方を早期に見出せたのが非常に良かったですね。
企業から見た弊社サービスの魅力は、商品を用意すればかなりの規模でサンプリングが実施でき、さらに生活者の声が得られるという点です。そういった貴重な声は、商品や売り場作りの改善に役立てることができます。もうひとつの魅力は『お一人様につき1回のお試し』というアプローチをしているので、自宅に届いた商品が無くなったら店頭へ買いに行こうというリピート購買の効果が高いことも挙げられます。アンケート調査によると20%以上の方々が「サンプル百貨店」でお試し後に店頭で購入したという結果が出ています。
そこで、我々が資本参加してから「ユーザーが無料、企業がサンプリング費用を負担」という図式ではなく、配送費等のコストをユーザーに負担してもらう”有料サンプリング”を強化し、今までのやり方を180度転換していきました。それが出店企業だけでなく、生活者に対しても響きました。取引先様からのアドバイスやご支援を受け、市場に受けるやり方を早期に見出せたのが非常に良かったですね。
企業から見た弊社サービスの魅力は、商品を用意すればかなりの規模でサンプリングが実施でき、さらに生活者の声が得られるという点です。そういった貴重な声は、商品や売り場作りの改善に役立てることができます。もうひとつの魅力は『お一人様につき1回のお試し』というアプローチをしているので、自宅に届いた商品が無くなったら店頭へ買いに行こうというリピート購買の効果が高いことも挙げられます。アンケート調査によると20%以上の方々が「サンプル百貨店」でお試し後に店頭で購入したという結果が出ています。
また、サンプル百貨店会員の間では「おすそ分け」を楽しむ方が多くいらっしゃいます。体験を伴うリアルな口コミでもある「おすそ分け」は、実購買につながりやすく、注目すべき消費行動と捉えています。
商品の購入率は20%! おすそ分けは、体験談が伴う強い口コミ? :MarkeZine(マーケジン)
友人知人間で行われるおすそ分け。オールアバウトライフマーケティングの調査から、現代のおすそ分けは、オススメする理由(口コミ)と、相手が体験できる商品(サンプル)をセットで手渡す“体験の伴う口コミ”として機能していることが見えてきました。おすそ分けを受け取った人の実購買率は約20%、購入意欲の向上も明らかに。本記事では、おすそ分けの実態と、そのマーケティング価値について解説します。
インターネットの力で、流通・EC市場の販促ビジネスに貢献したい。やるべきことを絞り込み、ブラッシュアップし続けてきたのが、これまでの流れですね。
――土門さんから見て、この事業の魅力や成長性をどのように捉えていますか?
「サンプル百貨店」は広義でいえばEC領域に当てはまるんですけど、その市場は国内のみならず世界的にも稀有な成長分野として注目されています。まだまだ白地がたくさんあるので、様々なアイデアがありますし、やればやった分だけ成果が返ってきやすい状況です。
そういう市場って他にないと思うんですよ。多くの分野が成熟し寡占化している中、二桁成長が数年続くと言われているECは、工夫次第でまだまだ成長できると思っています。
そういう市場って他にないと思うんですよ。多くの分野が成熟し寡占化している中、二桁成長が数年続くと言われているECは、工夫次第でまだまだ成長できると思っています。
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