新編集長が挑む、新しいインバウンドメディアのカタチ。日本の魅力をさらにディープに伝えたい! 「日本好き(like)」を「日本数寄(love)」へ
新型コロナウィルスの流行により、2020年以降世界的に観光市場が落ち込みました。そんなコロナ禍の真っ只中にオールアバウト・グローバル推進室へ入社した岡田さんが、いま目指す海外向け日本情報サイト「All About Japan」の新たな姿とは?
岡田 信一 (おかだ しんいち) グローバル推進室 「All About Japan」 編集長 1975年生まれ。大学卒業後、時事画報社、文化工房での海外広報メディア編集経験を経て2021年1月よりオールアバウト。前職ではeスポーツのスタートアップも経験。現在グローバル推進室「All About Japan」編集長。 |
■ニッチなテーマもディープに掘り下げる、バラエティ豊かな「All About Japan」
―まずはグローバル推進室のミッションをお聞かせください。
グローバル推進室は、自社メディア「All About Japan」(以下、AAJ)を核としつつ、官公庁や地方自治体との多言語発信プロジェクトなどに携わっています。コアになるのは「日本好き(like)」を「日本数寄(love)」へというミッションです。
―「日本数寄」というのは、どういうイメージでしょうか?
海外の日本文化が好きな方たちに、より情熱的に好きになってもらいたい。「数寄」というのは、古くから日本で風流人の意味で使われていた「数寄者(すきしゃ)」に由来します。近年では、編集者の松岡正剛さんも、「日本数寄」をテーマに日本文化の鮮やかな分析を行っています。AAJでは、シンプルに「like」より「love」に近いイメージとして使っています。
AAJをきっかけに外国人のライターやエディターのネットワークができ、海外で今注目されている日本のトレンド情報もはいってくる。その知見をもとに官公庁や自治体にプロジェクトを広げていく。中央にAAJがあってその周りに衛星のようにいろいろなプロジェクトが飛び交っている。そんな仕事の仕方をしています。
AAJをきっかけに外国人のライターやエディターのネットワークができ、海外で今注目されている日本のトレンド情報もはいってくる。その知見をもとに官公庁や自治体にプロジェクトを広げていく。中央にAAJがあってその周りに衛星のようにいろいろなプロジェクトが飛び交っている。そんな仕事の仕方をしています。
―AAJはどんなメディアなのでしょうか?
グローバル推進室の“顔”であり“名刺代わり”です。日本好きの人に、さらに日本Loverになってもらうために英語、中国語(繁体字、簡体字)、タイ語、韓国語の5言語で、日本について情報発信をしています。ライターもエディターも、各言語のネイティブであることも大きな特色の一つです。
扱うジャンルも幅広いです。私も入社前にサイトをのぞいてみて驚いたのですが、単なる観光情報にとどまらず、サムライ文化から宇宙開発まで、ニッチなテーマ、ディープな記事の宝庫で、多様性に富んでいます。
扱うジャンルも幅広いです。私も入社前にサイトをのぞいてみて驚いたのですが、単なる観光情報にとどまらず、サムライ文化から宇宙開発まで、ニッチなテーマ、ディープな記事の宝庫で、多様性に富んでいます。
―よく言えばバラエティ豊か。悪く言えば雑多ですね(笑)。
はい。もう少し整理した方がいいんじゃないか(笑)というのが初見の印象でしたが、観光情報だけのメディアは、読んでいてもちょっと物足りないなと感じます。これだけ雑多で多様な記事が溢れているということは、海外の方にとってみれば、日本に関心をもつ入り口が多方向に開かれていることに繋がると思うからです。
All About Japan
All About Japan and Japanese stuff! Find anime, music, castles, food, restaurants, videos, shopping, travel tips and more. New mega-feature every Monday!
―グローバル推進室はどんな環境で、どのように仕事を進めていますか?
グローバル推進室は現在各言語のネイティブ編集者のほか、制作、営業で編成された10名超のチームです。チームじたいが多国籍なので、企画の切り口ひとつとっても多種多様で、日本の魅力をマルチな視点で見直す面白さがあります。
自治体や官公庁の仕事は、基本的にはコンペで受託するため、編集、制作、営業が力を結集して企画提案を行っていきます。その際には、AAJを通じて吸収した各国のトレンド情報や、多国籍なスタッフ・ブレーンのネットワークが活きてくるわけです。
自治体や官公庁の仕事は、基本的にはコンペで受託するため、編集、制作、営業が力を結集して企画提案を行っていきます。その際には、AAJを通じて吸収した各国のトレンド情報や、多国籍なスタッフ・ブレーンのネットワークが活きてくるわけです。
―岡田さんは現在どのような業務に携わっているのでしょうか?
2021年に入社してから官公庁や自治体の海外PRプロジェクトに携わってきました。最近ではふくしまの酒の魅力を内外へPRするWebサイト(国内向け:https://www.fukunosake.com/、海外向け: https://fukushima-sake.com/)の企画・制作も行っています。現在はそれらに加え、AAJの編集長も兼ねています。
―グローバル推進室で働きたい人に向けて一言お願いします。
新卒で配属されることはほとんどない部署なので、即戦力は求められます。現在も、広告、PR、出版、旅行業界など、さまざまなバックグラウンドをもった経験者が中心となっています。常に自分の仕事を自分で作り出していくマインドが必要なので、人によってはキツイと感じるかもしれませんが、面白いですよ。
<部署紹介 vol.8>グローバル推進室
オールアバウトに関わる様々な”ヒト”のほか、部署にもフォーカスし、その内情を分かりやすくご紹介する本コーナー。第8弾はグローバル推進室をご紹介します。
■海外広報からeスポーツのスタートアップへ
―岡田さんがオールアバウトに入社するまでの経緯について教えてください。
新卒で入ったのは海外広報に携わる、社団法人時事画報社でした。大学の専門は日本文学ですし、日本語のロックや日本文学が大好きでしたから、海外広報に関わるつもりは元々まったく無かったのですが……。でも、翻ってみると私の父は英字新聞の編集長を務めていたので、結果的に父と似た仕事をしているのがすごく不思議な感じがします。無意識に何らかの影響を受けていたのかな?
日本文化を海外に発信するメディアの編集部に配属され、10年近く編集経験を積みました。その後テレビ番組や出版を手掛ける制作会社に転職したのですが、そこでも日本文化を6言語で発信する海外広報誌の編集長などを務めていました。
日本文化を海外に発信するメディアの編集部に配属され、10年近く編集経験を積みました。その後テレビ番組や出版を手掛ける制作会社に転職したのですが、そこでも日本文化を6言語で発信する海外広報誌の編集長などを務めていました。
―ずっと海外広報編集畑なんですね。
ところが、前社での後半4年間はいきなりキャリアチェンジして、eスポーツのスタートアップに出向していました。eスポーツは、今でこそプロゲーマーやストリーマーたちが活躍し、高額賞金がでる大会も開かれるようになっていますが、当時日本ではブレイク直前で、今ほどメジャーな世界ではありませんでした。
紙媒体の編集者が、いきなりベンチャーのスタートアップ。しかも元々ゲームもまったくやらないタイプだったので、右も左も分からない状態。一方でスタートアップの常で、一人でマルチタスクをこなさないとならない。スポンサーを募る営業活動はもちろん、プロゲーマーやタレントをブッキングしてイベントを企画・運営する。さらには、イベントのプレスリリースを書いたり、メディアの囲み取材を仕切らなければならないことも。その4年間は、今までの海外広報というところからは、全く異質のことをやっていました。
紙媒体の編集者が、いきなりベンチャーのスタートアップ。しかも元々ゲームもまったくやらないタイプだったので、右も左も分からない状態。一方でスタートアップの常で、一人でマルチタスクをこなさないとならない。スポンサーを募る営業活動はもちろん、プロゲーマーやタレントをブッキングしてイベントを企画・運営する。さらには、イベントのプレスリリースを書いたり、メディアの囲み取材を仕切らなければならないことも。その4年間は、今までの海外広報というところからは、全く異質のことをやっていました。
―その時期を振り返っていかがでしたか?
自分にとって必要な経験でしたね。編集の世界はものすごくアナログで、10年20年時が止まっているところがあります。でもeスポーツの世界では、ゲーマーの子たちが、Discordというコミュニケーションツールでバンバンやり取りをしながら、情報収集し、ネットワークを作り、仕事を進めている。多少の失敗は気にせず笑い飛ばして前に進んでいく姿勢に、これは結構面白い世界だなと思いましたし、仕事への向き合い方が変わりました。
何も知らなかったeスポーツの世界に携わり4年。ある程度世の中での認知も広まり、ビジネスの成果もそれなりに出せたかなと自分の中では区切りがついたので、また改めて海外広報の世界に戻りたいと思い、オールアバウトに転職をしました。
何も知らなかったeスポーツの世界に携わり4年。ある程度世の中での認知も広まり、ビジネスの成果もそれなりに出せたかなと自分の中では区切りがついたので、また改めて海外広報の世界に戻りたいと思い、オールアバウトに転職をしました。
■自社メディアを持つオールアバウトにビビッときた
―様々な海外向けメディアがある中で、オールアバウトを選んだ理由を教えてください。
eスポーツビジネスに関わる中で、オンライン大会なども手掛けるうち、改めてwebでのコミュニケーションの「スピード」に惹かれました。そんな変化も、Webメディアを次のキャリア選択に選んだ理由のひとつです。オールアバウトは、自分のフィールドに近い自治体や官公庁のプロジェクトも手掛けている上に、なにより、自社メディアを持っていて、そこを通じて発信できることにとても魅力を感じました。
海外向け多言語メディアをやっているところはほかにもたくさんありますが、運営元の編集者に日本人スタッフを求めている会社はその当時少ないように思えたので、すぐ目につきましたね。自分にはピッタリだとビビッと来て応募しました。
海外向け多言語メディアをやっているところはほかにもたくさんありますが、運営元の編集者に日本人スタッフを求めている会社はその当時少ないように思えたので、すぐ目につきましたね。自分にはピッタリだとビビッと来て応募しました。
―この春よりAAJの新編集長に就任されました。岡田さんが編集長を任されることになった経緯をお聞かせください。
ジェネラルマネジャーの西川さんには、官公庁や自治体のPRと並行してAAJを今後どうしていけばよいか考えてほしいと言われていました。ユーザーのターゲット像やコンテンツの構成など根本的に見直しを進めていくうちに、本格的に編集長としてやってみないかと今年に入ってオファーされました。
―どんなお気持ちでしたか?
実は入社した時からAAJに関わりたいという野望がありました(笑)。自社メディアってとても貴重だと思うんです。クライアント案件ももちろんやりがいのある仕事ではあるのですが、時代の流れや編集部員の個性などを見ながら、自社メディアを育てていくのは非常に面白い作業です。できればそこに関わりたいなと思って口を出していたので、シメシメみたいなところはありましたね(笑)。
―口に出すことって大事ですね。西川さんからは、どういう風に評価されていると感じますか?
西川さんとは、最近読んだ本、買い物したもの、観ている韓国ドラマのことなど色々話しますが、あるとき「岡田さんは余計なこと、どうでもいいことをいつも考えているよね」と言われたんです(笑)。私は編集者というのはそこが大事だと思っているので、多分いい意味で言ってくれたと解釈しています。
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