<リーダーズ Vol.4>ビジョナリーな創業代表 江幡が目指す“スキルワーカー”が活躍する社会(後編)
オールアバウト創業社長の江幡さんのインタビュー。前編では、江幡さんの思い描く理想の社会と、それを実現する“スキルワーカー”という存在について話を聞きました。これからのオールアバウトは、“スキルワーカー”とともに、どこへ向かうのか。後編では、江幡さんのビジョンをさらに深く語ってもらいました。
江幡 哲也(えばた てつや) 株式会社オールアバウト 代表取締役社長 武蔵工業大学(現 東京都市大学)電気電子工学科卒業。1987年株式会社リクルート入社。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後数多くの事業を立ち上げる。 2000年6月に株式会社リクルート・アバウトドットコム・ジャパン(現オールアバウト)を設立。2005年9月にJASDAQ上場を遂げる。 2006年、講談社から「アスピレーション経営の時代」を発刊。専門家ネットワークを基盤に世の中の「情報流・商流・製造流」の不条理・不合理に対してイノベーションを起こし、“個人を豊かに、社会を元気に”することを目指す。 |
■「All About」が信頼性にこだわり続ける理由とは
—前編で、スキルワーカーの台頭がもたらすメリットとして、“個人の自立”がキーワードとして挙げられました。個人が自立することで、社会はどのように変化するのでしょうか。
多くの人が疲弊した社会システムに乗っかった危険な状況から脱せられる、これがとても重要かつ必要な変化ですね。成熟し複雑な日本の未来を生きる私たち生活者のニーズは「不安なく、賢く、そして自分らしく」の3点だと思っています。その実現のためには“個人の自立”は欠かせません。まずは自立の基盤づくりによる不安の解消です。「お金に困らない、健康に困らない、そしてキャリアに困らない」これがあって初めて「不安なく、賢く、そして自分らしく」人生を楽しむことや、それに向けてのチャレンジができます。
これまでの社会システムではこの3つは国や企業が支えてくれていました。とても大切なことなのに学校では、お金や健康そしてキャリアについての授業はありません。しかし、超少子高齢化した社会ではそれらを支える従来の仕組みはもう機能しないでしょう。国や企業に頼らず自分で何とかしなくてはなりません。それには、今後の社会変化を見据えた、信頼できる知や情報が必要です。
ですので、私はまず知を産み出し、たくさんの人に提供するしくみとして総合情報サイト「All About」を創りました。「All About」では、スキルワーカーの先駆者であるガイドさんを現在約900人まで増やしてきました。2001年2月15日にスタートしたときは161人でしたから、だいぶ増えましたね。
ですので、私はまず知を産み出し、たくさんの人に提供するしくみとして総合情報サイト「All About」を創りました。「All About」では、スキルワーカーの先駆者であるガイドさんを現在約900人まで増やしてきました。2001年2月15日にスタートしたときは161人でしたから、だいぶ増えましたね。
—“知の交流”によって個人の自立を促すメディアだからこそ、信頼性にこだわっているのですね。
そうです。信頼性の追究は、メディアが始まった当初から一貫して変わりません。メディアの規模を拡大して普遍的に影響力を生み出していくためには、信頼性が欠かせないのは、当然のことですから。
「All About」が始まった当時はまだインターネットの黎明期でしたが、そこからインターネット社会になって、誰もが発信できるようになり、メディアが多様化していくなかで、玉石混交の情報が溢れ出した情報洪水が起こることは、容易に予見できました。
メディアにおいて信頼性は重要かつ絶対的なものだし、これからもより高まっていくと思います。僕らとしては、今まで通り、愚直に続けていくだけなんですけどね。
「All About」が始まった当時はまだインターネットの黎明期でしたが、そこからインターネット社会になって、誰もが発信できるようになり、メディアが多様化していくなかで、玉石混交の情報が溢れ出した情報洪水が起こることは、容易に予見できました。
メディアにおいて信頼性は重要かつ絶対的なものだし、これからもより高まっていくと思います。僕らとしては、今まで通り、愚直に続けていくだけなんですけどね。
—信頼性のほかに、今後の「All About」が大事にしていきたいものは、何ですか?
ひとつめは「インターネットの世界に最適化し続けること」です。言うまでもなく、インターネットの世界は、テクノロジーと密接な関係があります。生活者の情報取得行動をとっても、検索エンジンで調べる、ソーシャルメディア内で出会う、もしくは検索すらせずにハッシュタグを通じて情報へアクセスするようになってきている。
そうした情報に接触する態度やツール・デバイスは日々変化し続けるので、こうした環境に準拠して適応していかないと、いくら良いコンテンツを作っても、生活者のところへ届けられません。もっと言えば、生活者にとってインターネットの世界がひとつのメディアなので、それを踏まえた上で適切にコンテンツが使われるようなデリバリー構造に進化していかないといけない。つまり“ONE Internet”なんです。昨今「分散型メディアの時代」と言われるのもその流れのひとつです。
そうした情報に接触する態度やツール・デバイスは日々変化し続けるので、こうした環境に準拠して適応していかないと、いくら良いコンテンツを作っても、生活者のところへ届けられません。もっと言えば、生活者にとってインターネットの世界がひとつのメディアなので、それを踏まえた上で適切にコンテンツが使われるようなデリバリー構造に進化していかないといけない。つまり“ONE Internet”なんです。昨今「分散型メディアの時代」と言われるのもその流れのひとつです。
もうひとつは「アクションの促進」。情報に接触した後、その人の何かしらのアクションをサポートする。ECでの購買や申し込みといったデジタル上のアクションはもちろん、リアルの場でも人を動かす、オールアバウトの影響力を出していきたいと考えています。
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