第3の柱に見据える「ライフアセットマネジメント領域」とは
2020年3月期決算説明会にて、オールアバウトグループ代表の江幡より、今現在のコア事業である「デジタルメディア領域」「コマース領域」に加え、今後新たに「ライフアセットマネジメント領域」にも注力し、強固な3つの柱として育てていくと発表しました。まだ耳慣れない「ライフアセットマネジメント領域」とは何なのか、また具体的にどのような事業を展開していくのか解説していただきました。
■バブル崩壊後に変われなかった日本、自立すべき個人
「ライフアセットマネジメント領域」についてお話しする前に、今の日本がおかれている状況について確認しておきましょう。
戦後の日本は、復興を前提とした社会システムで成長を遂げました。復興のためには、個人が中心ではなく、国と企業を中心とした社会システムが最適で、国策による産業育成と人口増加があいまって、高度経済成長を実現し、GDP世界第二位という物質的な豊かさを手に入れることができたのです。そして個人はその社会システムに支えられ、頑張っていけば大きな不安なくそこそこ豊かに暮らして行けるようになりました。
しかし、90年代のバブルを頂点にその崩壊後は戦後の成長を支えた社会システムも機能しなくなります。社会の成熟化によって超少子高齢化が進み、経済成長を支えていた人口増も緩やかになり2010年をピークに減少に転じます。当然、労働生産人口の割合は減少し、高度成長期を支えた社会システムの前提である、人口増加と人口ピラミッド構造が崩れ、海外新興国の台頭によるグローバルにおける優位性の相対的低下、ITを中心としたテクノロジーイノベーションで米国企業に主導権を握られたことにより、戦後の社会システムは機能不全に陥りました。
しかし、90年代のバブルを頂点にその崩壊後は戦後の成長を支えた社会システムも機能しなくなります。社会の成熟化によって超少子高齢化が進み、経済成長を支えていた人口増も緩やかになり2010年をピークに減少に転じます。当然、労働生産人口の割合は減少し、高度成長期を支えた社会システムの前提である、人口増加と人口ピラミッド構造が崩れ、海外新興国の台頭によるグローバルにおける優位性の相対的低下、ITを中心としたテクノロジーイノベーションで米国企業に主導権を握られたことにより、戦後の社会システムは機能不全に陥りました。
持続的に豊かな国であり続けるためには、こうした社会環境の大変化に則した、新たな社会システムへの進化が必要です。私が考えた末の答えは、国と企業が中心の社会システムから個人を中心とした新たな社会システム、すなわち国に依存せず、企業に寄りかからず、個人の自立を支え促す社会システムへの進化が必要ということです。
ところが日本は変わらなかった。それどころか今なお旧来の社会システムを延命しています。そして1997~98年を境に、個人、企業、そして国のお金を取り巻く状況が大きく変化しています。国の借金は加速しだし、企業は内部留保を積み増し出し、個人は貯蓄額が減少、終身雇用、退職金等の制度にも変化がで出しました。いわゆる、失われた20年、または30年と呼ばれている時代です。
私は社会人になりたての頃から常々「ビジネスを通じて世直しがしたい」と言い続けてきました。90年代後半にインターネットが出現、個人が活躍できる時代が来ると確信し、2000年にオールアバウトを創業。新しい社会システムづくりの一端を担うべく、「個人を豊かに、社会を元気に。」というビジョンを掲げました。
まずは個人の自立をサポートする、信頼できそして価値ある情報の流通から始めることを決め「All About」を立ち上げました。各分野で活躍したい専門家にとっても、インターネット上での活躍機会をメリットとして提供することでコスト構造をイノベーションし、信頼できる情報を大量かつ大規模に作り、流通することを実現。3年で月間ユーザー数1,000万人、5年で3,000万人規模へと成長させることができました。ビジネス側面ではサイト特性とマッチしたデジタルマーケティングビジネスを展開、ネット広告分野の成長を先取りし収益を拡大、創業5年で株式上場を実現しました。
ところが日本は変わらなかった。それどころか今なお旧来の社会システムを延命しています。そして1997~98年を境に、個人、企業、そして国のお金を取り巻く状況が大きく変化しています。国の借金は加速しだし、企業は内部留保を積み増し出し、個人は貯蓄額が減少、終身雇用、退職金等の制度にも変化がで出しました。いわゆる、失われた20年、または30年と呼ばれている時代です。
私は社会人になりたての頃から常々「ビジネスを通じて世直しがしたい」と言い続けてきました。90年代後半にインターネットが出現、個人が活躍できる時代が来ると確信し、2000年にオールアバウトを創業。新しい社会システムづくりの一端を担うべく、「個人を豊かに、社会を元気に。」というビジョンを掲げました。
まずは個人の自立をサポートする、信頼できそして価値ある情報の流通から始めることを決め「All About」を立ち上げました。各分野で活躍したい専門家にとっても、インターネット上での活躍機会をメリットとして提供することでコスト構造をイノベーションし、信頼できる情報を大量かつ大規模に作り、流通することを実現。3年で月間ユーザー数1,000万人、5年で3,000万人規模へと成長させることができました。ビジネス側面ではサイト特性とマッチしたデジタルマーケティングビジネスを展開、ネット広告分野の成長を先取りし収益を拡大、創業5年で株式上場を実現しました。
■「マネー」「ウェルネス」「キャリア」「コミュニティ」の4つが自立への鍵
私たちが提供していくサービスは、ビジョンを念頭に、生活者の「不安なく」「賢く」そして「自分らしく」暮らしていきたい、というニーズに役立つ存在でありたいと考えています。このニーズに応えるべく、まずはメディアビジネスからはじめ現在はコマースビジネスを加えて2本の柱で事業を拡張し、影響力を拡大しています。
生活者が「不安なく」「賢く」そして「自分らしく」暮らしていくためには、まずはその基盤である「不安なく」を実現することが重要になります。更なる事業成長とビジョンの達成の両面からこの分野の事業強化を行っていくべきと考えています。それが「ライフアセットマネジメント領域」です。
では、なぜ人々は不安を感じるのでしょうか。どうすれば、人生における不安を取り除けるのでしょう。個人が自立し、「不安なく」「賢く」「自分らしく」暮らしていくために必要となる「人生・社会の基盤となるチカラ」とは何でしょうか。
それは「マネー」「ウェルネス※」「キャリア」「コミュニティ」において困らないようにする、4つの自立力であると考えました。
※世界保健機関 (WHO) が国際的に提示した、「健康」の定義をより踏み込んで、そして広範囲な視点から見た健康観
4つの自立力を支援する、ライフアセットマネジメント領域
生活者が「不安なく」「賢く」そして「自分らしく」暮らしていくためには、まずはその基盤である「不安なく」を実現することが重要になります。更なる事業成長とビジョンの達成の両面からこの分野の事業強化を行っていくべきと考えています。それが「ライフアセットマネジメント領域」です。
では、なぜ人々は不安を感じるのでしょうか。どうすれば、人生における不安を取り除けるのでしょう。個人が自立し、「不安なく」「賢く」「自分らしく」暮らしていくために必要となる「人生・社会の基盤となるチカラ」とは何でしょうか。
それは「マネー」「ウェルネス※」「キャリア」「コミュニティ」において困らないようにする、4つの自立力であると考えました。
※世界保健機関 (WHO) が国際的に提示した、「健康」の定義をより踏み込んで、そして広範囲な視点から見た健康観
4つの自立力を支援する、ライフアセットマネジメント領域
お金に困らない、ウェルネス(健康)に困らない、自己実現に必要なキャリアに困らないそして、自分のホームポジションとして帰る場所、家族やコミュニティに困らない、これらが安定しなくては、「賢く」「自分らしく」の部分も揺らいでしまいます。
旧来の社会システムでは、「お金」においては年金や退職金、「健康」においては皆保険制度や会社の補償制度、そして「キャリア」については年功序列や終身雇用といった、社会システムが機能していましたので、個々人でケアする必要がありませんでした。
ですが、その社会システムは機能不全に陥っています。ある日突然個人で何とかしなさいという状況に変わるかもしれません。
私はこうした人生の基盤となる重要な分野を「ライフアセットマネジメント領域」と名付けました。この分野の現状制度と前提となる環境とのギャップは大きく、また、テクノロジーによるイノベーションの可能性も高い分野であり非常に大きな市場にもなりうる。そしてなにより私たちのビジョンそのものに合致します。よってこの領域について新たなビジネスを開発し、人々の不安を取り除いていくための支援をする。この事業をオールアバウトの3つ目の柱として展開していきたいと考えています。
旧来の社会システムでは、「お金」においては年金や退職金、「健康」においては皆保険制度や会社の補償制度、そして「キャリア」については年功序列や終身雇用といった、社会システムが機能していましたので、個々人でケアする必要がありませんでした。
ですが、その社会システムは機能不全に陥っています。ある日突然個人で何とかしなさいという状況に変わるかもしれません。
私はこうした人生の基盤となる重要な分野を「ライフアセットマネジメント領域」と名付けました。この分野の現状制度と前提となる環境とのギャップは大きく、また、テクノロジーによるイノベーションの可能性も高い分野であり非常に大きな市場にもなりうる。そしてなにより私たちのビジョンそのものに合致します。よってこの領域について新たなビジネスを開発し、人々の不安を取り除いていくための支援をする。この事業をオールアバウトの3つ目の柱として展開していきたいと考えています。
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