―手ごたえはいかがですか。
田川 相談が来てから回答するまでの時間が、ざっと12倍速になりました(笑)。まだフォームを開設して日が浅いですが、「ミニマネプラ」だけでも、すでに月30件は相談が来ています。集客の設計を改良すればもっと多くの相談が「ミニマネプラ」に集まるはずです。個別具体的にユーザーに向き合い、時間をかけて課題を解決する「マネープランクリニック」と、タイミングに価値を置いた「ミニマネプラ」。それぞれが持つユーザーへのメリットを最大限引き出すにはどうしたらいいのか、日々改善しながら並行して進めています。
■不安なユーザーが一歩踏み出せる場所を提供していく
―金融プロジェクトが目指すゴールは「パーソナルファイナンスの実現」だと思いますが、その道筋はどのように描かれるのでしょうか。
平田
目指しているのは将来像が描けなくて不安なユーザーが、一歩踏み出せる場所を提供していくということです。そこでは、「All About」のガイドだけではなく、企業や他の団体の専門家が、ユーザーに必要な知識や金融関連のサービスを提供したりする。そんな課題解決の場所にするのが理想的です。
―その場は、どういう風に発展していくんでしょうか?
田川
その場所で専門家が相談に回答していくことで、いろんな個人の人生のケーススタディが溜まっていきます。いわばケーススタディの集合体です。そこに来たユーザーは、年齢、性別、収入などの条件を設定すれば、自分と似た属性の「具体的な人生の問題と解決策」を、「相談する前」に見ることができます。
言い換えれば、相談せずとも自分の人生の解決策が見つかる可能性が高まるわけです。ケーススタディの数と、条件の精度が上がれば、間接的にですが、その場にいる人、全員の相談に乗れる、そんな構想です。
言い換えれば、相談せずとも自分の人生の解決策が見つかる可能性が高まるわけです。ケーススタディの数と、条件の精度が上がれば、間接的にですが、その場にいる人、全員の相談に乗れる、そんな構想です。
―ケーススタディが多ければ多いほど、回答を得られるユーザーが広がるというわけですね。
田川
はい。さらにですが、自分と似た属性の人生や相談、答えを見た人は、自分とケーススタディの違いを比較しだします。すると今度は、その違いを誰かに聞きたいと一歩踏み出すようになっていく。それが新たな相談とか、企業の提供する金融商品・サービスへの利用につながっていくかもしれない。
また、複数のケーススタディを通して、自分の人生に対して、今後、お金がどう動いていくのかが少しずつ見えてきます。金融リテラシーが高まるわけです。高まるとさらに知りたくなる。何がわからないかもわからなかった状態から脱すると、次第にもっと知りたくなる。知った先にどんどん自分がなりたい姿が見えてきます。
また、複数のケーススタディを通して、自分の人生に対して、今後、お金がどう動いていくのかが少しずつ見えてきます。金融リテラシーが高まるわけです。高まるとさらに知りたくなる。何がわからないかもわからなかった状態から脱すると、次第にもっと知りたくなる。知った先にどんどん自分がなりたい姿が見えてきます。
―将来に不安ばかり感じるのではなく、積極的なイメージができますね。企業にとっては、どんな可能性が見えてきますか?
平田
「ミニマネプラ」でテーマを狭域にしたら、ユーザーがお金のどんなことに悩んでいるかが可視化されるようになりました。たとえば「住宅のお金」であれば、相談内容や閲覧傾向から、ユーザーの悩みは、生活が成り立つ「現実的に借り入れても大丈夫な額」がいくらであるか、ということが見えてきました。
その本質的な悩みに企業が応えることができれば、ユーザーと企業とのマッチングが可能になると思います。ユーザーの思いを言語化するのが編集であり、企業の課題のどこをどうユーザーとつなげるかを考えるのが営業の役割だと思っています。
その本質的な悩みに企業が応えることができれば、ユーザーと企業とのマッチングが可能になると思います。ユーザーの思いを言語化するのが編集であり、企業の課題のどこをどうユーザーとつなげるかを考えるのが営業の役割だと思っています。
田川
これからは、かかりつけ医みたいに、“一つの家庭につき、ひとりのお金の専門家”がどんどん浸透していくんじゃないでしょうか。お金の悩みに対して、常に傍にいる。「All About」を利用することでそれが実現できるという流れがいいですね。
■10秒悩んだら「All About」へ。人生の伴奏者として共に歩む
―さらに、今後の展開について伺いたいのですが。
平田
実は田川の所属するコンテンツプロデュース部のキャッチコピーがありまして。「10秒悩んだら検索ではなくAll About」。これは金融プロジェクトにとっても理想ですし、実現していきたいです。結構壮大な話ですが、これを心にもって、仕事に取り組むか否かで変わってくると思っています。
―検索ですぐに調べるイメージとは、どう違うんですか?
田川
「これから教育費をどうやって貯めようかな」と思ったときに、「教育費」で検索するのではなく、まずは「All About」に来る。「All About」には検索ではヒットしない、個別具体的な教育費に関するケーススタディが沢山ある。ケーススタディを通して自分の今が整理され、自分に合った貯め方が分かり、将来の道筋が見え始める。他の人の相談から、気づかなかった人生の課題も見つかる。教育費の知識をもっと深めたければ、正しい情報を活用できる。どうしても解決できないことは、専門家に相談できる。さらには似た悩みを持つ人と交流できたり、成功体験を共有することもできる。
「All About」に来ると、個人の悩みが整理され、解決策が見つかり、次のアクションに繋がる。対処療法ではなく、人生を横串しにしたポジティブな悩みの発見と解決の場になることが、新しい「All About」の価値なんじゃないかと考えています。
お金に限らず、人間関係、子育てなどでも展開していきたいですね。
「All About」に来ると、個人の悩みが整理され、解決策が見つかり、次のアクションに繋がる。対処療法ではなく、人生を横串しにしたポジティブな悩みの発見と解決の場になることが、新しい「All About」の価値なんじゃないかと考えています。
お金に限らず、人間関係、子育てなどでも展開していきたいですね。
―知識がないために漠然とした不安を抱えているのではなく、積極的に自分の人生を作っていく。そのための力強いサポートをオールアバウトが担っていく。そんな道が見えてくるような気がします。今日はありがとうございました。
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