■読者に寄り添い、バランスの良い「幕の内弁当」を作る
―その難しいマネー領域で仕事をする上で、長谷川さんが日々心掛けていることはなんでしょうか?
まずひとつめは読者に寄り添うこと。読者目線になってわかりやすいかどうかは常に考えます。
ガイドは専門家なので書いたものをそのまま載せても、読者にとってはわかりにくい場合があります。プロにとっては当たり前の知識が一般の方にとってはそうとは限りませんから、ファーストインプレッションでわかりにくいところはないか、ひっかかるところはないか、アルバイトさんにも読んでもらいます。
校正・編集ではわかりやすく書き砕くことを心掛けますが、実はわかりやすく書くのはとても難しいこと。新聞記者時代に、デスクにたくさん「赤(=添削)」を入れられたことや、こども新聞の担当になった経験がとても役立っています。
また、コンテンツを分析したところ、短い記事の方がよく読まれているということに気づきました。そこで、長い記事をどう読んでもらうかと考えるよりも、短いコンテンツを作ろうとメンバーと考え、一問一答の記事を作ることにしたんです。
読者もタイトルを見てピンポイントで気になりクリックすれば、記事は短いので答えがパッと出てくる。わかりやすい記事は人気がありますね。
ガイドは専門家なので書いたものをそのまま載せても、読者にとってはわかりにくい場合があります。プロにとっては当たり前の知識が一般の方にとってはそうとは限りませんから、ファーストインプレッションでわかりにくいところはないか、ひっかかるところはないか、アルバイトさんにも読んでもらいます。
校正・編集ではわかりやすく書き砕くことを心掛けますが、実はわかりやすく書くのはとても難しいこと。新聞記者時代に、デスクにたくさん「赤(=添削)」を入れられたことや、こども新聞の担当になった経験がとても役立っています。
また、コンテンツを分析したところ、短い記事の方がよく読まれているということに気づきました。そこで、長い記事をどう読んでもらうかと考えるよりも、短いコンテンツを作ろうとメンバーと考え、一問一答の記事を作ることにしたんです。
読者もタイトルを見てピンポイントで気になりクリックすれば、記事は短いので答えがパッと出てくる。わかりやすい記事は人気がありますね。
―仕事がきっかけで資格も取ったとか?
2018年からマネー領域にずっと関わり、自分でもある程度知識がたまってきたかなという確認の意味もあってFPの資格をとりました。今は2級まで取得しました。
―資格を取って何か変わりましたか?
記事の校正がしやすくなりました。「ガイドがいいたいことはここの内容だな」ということを拾えたり、新たなコンテンツを作る時に切り口が増えたり。読者にこういうコンテンツを届けたいという時に、「FPのテキストのあそこに書いてあった」ということもわかるので、仕事がしやすくなりました。
正しい知識を学んだので、読者にわかりやすく書き直すこともできるようになりましたし、ガイドに間違ったフィードバックをすることもなくなりました。編集がFPの資格を持っているメディアってほかではあまりないと思うので、協力先からの信頼にもつながっているのではないかなと思います。
正しい知識を学んだので、読者にわかりやすく書き直すこともできるようになりましたし、ガイドに間違ったフィードバックをすることもなくなりました。編集がFPの資格を持っているメディアってほかではあまりないと思うので、協力先からの信頼にもつながっているのではないかなと思います。
ふたつめは、ちゃんと「幕の内弁当になっているか」ということです。
―幕の内弁当ですか!?
幕の内弁当って、半分ぐらいがご飯で、ほかにもいろいろおかずが入っていますよね。メインのおかずは鶏のから揚げだとしても、それだけが入っているわけではない。
マネーコンテンツで言えば、年金とか老後生活に関するお金の話はすごく閲覧数があります。だからといって同じジャンルばかりに偏らないように気をつけています。
梅干しも漬物も煮物も入れたい。選択するのは読者かもしれないけれど、バランスはとりつつ保険や教育関係のお金の話もやりたい。いろんな読者がいるから、入口は様々な切り口で作っておきたいと思っています。
ただどれも同じように時間をかけるのではなく、編集プロダクションやアンケート機能を使って、コンパクトな記事を作り、バランスを取りつつ、人気のコンテンツには手間暇をかけています。
マネーコンテンツで言えば、年金とか老後生活に関するお金の話はすごく閲覧数があります。だからといって同じジャンルばかりに偏らないように気をつけています。
梅干しも漬物も煮物も入れたい。選択するのは読者かもしれないけれど、バランスはとりつつ保険や教育関係のお金の話もやりたい。いろんな読者がいるから、入口は様々な切り口で作っておきたいと思っています。
ただどれも同じように時間をかけるのではなく、編集プロダクションやアンケート機能を使って、コンパクトな記事を作り、バランスを取りつつ、人気のコンテンツには手間暇をかけています。
―特に人気の「マネープランクリニック」について詳しく教えてください。
お金の悩みを読者が相談してきて、それに専門家がお答えするコンテンツです。
専用フォームには毎月たくさんの相談が届き、その中から記事にするお悩みを選びます。最初の相談段階では詳しい内容が見えないので相談者と何度かやりとりをして抱えている悩みや状況を把握します。その上で情報を整理し、マネーガイドにアドバイスを出してもらい、読者にはそのアドバイスに従って実践していただいています。
専用フォームには毎月たくさんの相談が届き、その中から記事にするお悩みを選びます。最初の相談段階では詳しい内容が見えないので相談者と何度かやりとりをして抱えている悩みや状況を把握します。その上で情報を整理し、マネーガイドにアドバイスを出してもらい、読者にはそのアドバイスに従って実践していただいています。
―それは、とても時間と手間がかかりますね!
相談者の人生の行間を読み解きながら、気持ちよくお金とつきあっていける方法を見つけたい【投資信託ガイド・深野 康彦】
オールアバウトの長寿人気コンテンツ、マネープランクリニックの相談役として、最も多い案件を担当いただいる「投資信託」ガイド・深野 康彦さんのインタビュー記事。
―さて、そんなさまざまな取り組みが実って、2022年下期のMVPを受賞されました。おめでとうございます。上期は苦しい時期が続いたとのことですが下期に大きく目標をクリア、通期にわたって目標を達成という快挙でした。この快挙を生んだ要因は何だと思いますか。
ありがとうございます。特別なことをしたというよりは、これまで通りひたすら分析しどんなコンテンツが読んでもらえるのかを考え実行していったことでしょうか。
あとはメンバーが働きやすく、実力を発揮しやすい環境を整え、記事をしっかり作りこんでもらいヒットにつなげていくという積み重ねです。
あとはメンバーが働きやすく、実力を発揮しやすい環境を整え、記事をしっかり作りこんでもらいヒットにつなげていくという積み重ねです。
―提携先のメディアも流入に貢献していると喜んでもらったとのこと。コロナ禍や上期の苦しい時期を乗り越えたコツは何でしたか。
この業界は外部環境にすごく左右される業界です。なのであまり一喜一憂しないことですね。悪い時もネガティブにならないようにして、ひたすらできることをやり続けています。
数字が良い時も良くない時も提携先のメディアには、どんなコンテンツが必要か一緒に企画を考え、アイデアを出し続けていました。続けた結果チャンスをつかむことができたと思います。
またこれまでガイド記事が基本でしたが、プラスでAll About編集部主体の記事を増やしたり、新しくアンケートを用いた記事を作成したりするなど新しいコンテンツ作りも進めた結果が出てきています。
数字が良い時も良くない時も提携先のメディアには、どんなコンテンツが必要か一緒に企画を考え、アイデアを出し続けていました。続けた結果チャンスをつかむことができたと思います。
またこれまでガイド記事が基本でしたが、プラスでAll About編集部主体の記事を増やしたり、新しくアンケートを用いた記事を作成したりするなど新しいコンテンツ作りも進めた結果が出てきています。
■困っている人を助けたい
―今後、どのように活動をしていきたいと思っていますか。
できれば「マネー」を極めたいなと思っています。
そもそもの私の関心は「お金」ではありませんでした。障がいを持った家族がいたこともあって、新聞記者になって伝える技術を身につけ、多様な人生にスポットライトをあてることを通して、誰かを励ましたり、助けたりできたらと思っていました。
回り回ってマネーの分野を担当するようになり、社会保険制度などへの理解が深まるにつれて、当初関心のあった福祉にも通ずるものがあるということに気づきました。
また、「マネープランクリニック」そのものが、複雑な事情を抱えたり、人生の節目で壁にぶち当たっていたりする方を助ける役目を担っています。もちろんこれは一面に過ぎませんが、「マネー」に関するコンテンツにかかわることで、引き続き困っている人を助ける機会が持てたらいいなと思っています。
そもそもの私の関心は「お金」ではありませんでした。障がいを持った家族がいたこともあって、新聞記者になって伝える技術を身につけ、多様な人生にスポットライトをあてることを通して、誰かを励ましたり、助けたりできたらと思っていました。
回り回ってマネーの分野を担当するようになり、社会保険制度などへの理解が深まるにつれて、当初関心のあった福祉にも通ずるものがあるということに気づきました。
また、「マネープランクリニック」そのものが、複雑な事情を抱えたり、人生の節目で壁にぶち当たっていたりする方を助ける役目を担っています。もちろんこれは一面に過ぎませんが、「マネー」に関するコンテンツにかかわることで、引き続き困っている人を助ける機会が持てたらいいなと思っています。
―お金は目的なのではなく、「幸せになるためのツール」なんだと改めて思い、All Aboutマネーの人気の秘訣がよくわかりました。これからもがんばってください。今日はありがとうございました。
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