実はマネジャーとして戻ってきたものの、オールアバウトの営業としては3、4年ほどのブランクがあって。デジタルマーケティングの世界はものすごいスピードで進化していて、自分がいたころと営業の手段もけっこう変わっていた。部下から「もうちょっと現場のこと知ってください」と苦言を呈されたこともありました。なので、現場感を常にもっておく意味でも、営業と並走して企画づくりができたのはよかったですね。
■オールアバウトの「コア」は「ガイド」である
―そして商品企画部ジェネラルマネジャーを経て、ガイドサービス部ジェネラルマネジャーとなり、ビジネス側からメディア側に移られました。
自分としては、メディア側に来たとは思っていなくて、どちらかと言えばインフラ側に来たと解釈しています。ガイドサービス部は2018年10月に独立した部署ですが、ガイドの活躍機会を広げることをミッションとしています。実は、数年前に外部環境の変化もあり、これまでのオールアバウトの戦略を改めて見直すタイミングがありました。似たようなサービスが数多く立ち上がってきて、かつてほどオールアバウトの優位性を示すのが難しくなるなか、どこに投資していけばいいのか。各部門の責任者が集まり、それぞれが思うオールアバウトの源泉を話し合ったとき、最終的にそれは「ガイド」であるという答えに帰結しました。
―なるほど。どのような議論がされたのですか?
代表の江幡さんが掲げる会社のビジョンは「個人を豊かに、社会を元気に。」です。国の制度に頼れない今、個人が自立して情報やサービスを選択する力を身に着けなければならないなか、専門家の知見はより求められていく。今後ますます企業が主役ではなく、個人が主役となる世の中になるだろうと考えています。そのようななかで、今のオールアバウトはガイドの強みを本当に活かしきれているのか、改めて議論しました。
知らなくて損する人をなくすために、オールアバウトの強みの源泉であるガイドの力を最大化させるにはどうすればよいのか。その答えのひとつとして、強みであるガイドをよく知ることだと考えたとき、実はそれが全くできていないことに気づきました。
知らなくて損する人をなくすために、オールアバウトの強みの源泉であるガイドの力を最大化させるにはどうすればよいのか。その答えのひとつとして、強みであるガイドをよく知ることだと考えたとき、実はそれが全くできていないことに気づきました。
■ガイドとのコミュニケーション不足を痛感して
―ガイドのことを把握できていなかった……具体的にどういうことでしょうか。
All Aboutが開設されて今年で19年になります。現在、約900名のガイドの方にご活躍いただいており、本当にいろいろな人がいます。編集部や営業部、広報からグループ会社がそれぞれガイドに仕事を依頼しているのですが、その情報は部署で分断されていて、社内で共有されていない場合もあります。彼らが何を思っていて、何に困っているのか。オールアバウトに対してどんな意見・要望を抱えているのか。半年前は、こういった情報をすべて把握している部署が社内になかったんです。我々はいつの間にか、一番大事なパートナーであるはずのガイドのことをわかっていると言える状態ではなくなっていたんですね。
そこでガイドのことだけを考える部署を新設しようとなったのが、ガイドサービス部ができた背景です。
そこでガイドのことだけを考える部署を新設しようとなったのが、ガイドサービス部ができた背景です。
―ガイドサービス部として半年やってこられて、手ごたえは。
まずはじめたのは、社内に散らばっているガイドに関する情報を集約するデータベースの構築です。ガイドとコミュニケーションを取り、ガイド一人一人の最新の情報を集めながら、その上で我々に何ができるのかを考える。そんな半年だったように思います。
最終的なガイドサービス部のミッションは、All Aboutだけでなく、ガイドが力を発揮できる活躍の場を増やし、それに最適なマッチングをしていくこと。次のフェーズは専門家のプラットフォームとしてのメディア、サービスを活性化させる。今はその準備を進めています。
最終的なガイドサービス部のミッションは、All Aboutだけでなく、ガイドが力を発揮できる活躍の場を増やし、それに最適なマッチングをしていくこと。次のフェーズは専門家のプラットフォームとしてのメディア、サービスを活性化させる。今はその準備を進めています。
―ガイドに改めて向き合ってみて、思われたことはありますか?
この部署にきてから、今まで以上にガイドの皆さんに会う機会が増えたのですが、あたりまえですが、その専門性に驚かされます。そしてその専門性を「社会や誰かの役に立ちたいと思っている人」が非常に多いんですよ。オールアバウトの社員もそうなんですが、社会に対していいことをしたい、正しくお金儲けをしたいと思う人じゃないと、このサービスを続けていくのは難しいと思っていて。改めて、オールアバウトのビジョンと心を同じくしてくれている方と一緒に仕事をしているんだなと感じました。
また、ガイドがもつ専門性を役立てる方法は多様にあるとも感じました。オールアバウトでは、ガイドになっていただく方の条件として専門性が高いだけでなく、その知見をわかりやすく人に伝えるガイド能力を求めていて。従来はAll Aboutで記事を書くことを前提に、執筆力にこだわっていました。しかしガイド能力は執筆力に限らず、講演やメディア出演などに求められるプレゼンテーション能力など、必要な能力は仕事によって様々。必ずしも執筆力がいるわけではないんですよね。そこで最近では、ガイドになる前に仕事をお願いしてみることで、その人の専門性や、アウトプット力などを審査させていただくことをしています。それによって、その方が得意とする仕事の種類、専門領域をこちらも把握することができるので、今後の仕事とのマッチングがしやすくなるのも利点です。
また、ガイドがもつ専門性を役立てる方法は多様にあるとも感じました。オールアバウトでは、ガイドになっていただく方の条件として専門性が高いだけでなく、その知見をわかりやすく人に伝えるガイド能力を求めていて。従来はAll Aboutで記事を書くことを前提に、執筆力にこだわっていました。しかしガイド能力は執筆力に限らず、講演やメディア出演などに求められるプレゼンテーション能力など、必要な能力は仕事によって様々。必ずしも執筆力がいるわけではないんですよね。そこで最近では、ガイドになる前に仕事をお願いしてみることで、その人の専門性や、アウトプット力などを審査させていただくことをしています。それによって、その方が得意とする仕事の種類、専門領域をこちらも把握することができるので、今後の仕事とのマッチングがしやすくなるのも利点です。
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