■「citrus」が目指すコンテンツの流通の新たな形
—「citrus」は現在何メディアと提携しているのですか?
「citrus」はWebサイトでもあり、プラットフォームの名称でもあるんですが、「citrusアライアンス」と呼んでいる提携メディアが、当初の8メディアから徐々に広がって、現在20まで広がっています。そのうちの多くが「citrusと組んでみたらメリットがあったから、うちの他のメディアでもやってみたら?」といった感じで、同じ版元の中で横展開する形で増えていきました。
他のパブリッシャーのみなさんが最もメリットに感じてくださっているのは、やはり「Facebook navi」が抱える450万人のFacebookユーザーへコンテンツを届けられる点ですね。「citrus」で掲載した記事を「Facebook navi」のFacebookページへポストするのはもちろんですが、他にも提携メディアの記事下には、彼らのFacebookページへの「いいね!」を促すプラグインを仕込んでいるので、“「citrus」に掲載された提携メディアの記事を読んで、面白かったらそのまま「いいね!」を押す”という流れを生み出せているようです。
—確かに、とっても自然ですよね。
もうひとつの肝は、広告記事も互いに出稿し合っているところです。しかも、ただhtmlファイルを渡して載せてもらうのではなく、それぞれのメディアのデザインに合わせるために写真とテキストをもらってCMSに流し込むんですよ。もちろんクレジットは提携メディアの名前を入れますので、例えば「citrus」の中に「GetNavi web」のコーナーができるイメージです。
—提携先の選定基準はありますか?
先にあげているとおり、独自のコンテンツを作っている良質なメディアであるというのが基準の一つ。あとは「citrus」のメインターゲットが「Facebook navi」のファンの属性である“都市部の可処分所得の高いアラフォー”としているので、おのずと提携メディアもそこに近しい属性になっています。とはいえ、今後は若い人へのリーチも強化していきたいので、提携メディアも若い人をターゲットとしているところを増やしたり、FacebookだけでなくTwitterやInstagramでも訴求しながら「citrus」のプラットフォームを強化していきたいですね。
—Facebookへ投稿する際に、気をつけているポイントはありますか?
「Facebook navi」のアカウントに投稿して跳ねそうなものだけをピックアップしています。citrusアライアンスでは、互いの編集記事を載せるかどうかの判断は各メディアに委ねられているので、なんでもかんでも相互に流しているわけではありません。
あとは、投稿する際の文面は編集部内で作成しているので、OGP(FacebookなどのSNSでシェアされた際に、そのページのタイトル・URL・アイキャッチ画像を表示させる仕組み)のイメージがそぐわないものは別の写真に差し替えたり、投稿用にタイトルを変更することもあります。1日に10本ほど投稿しているので、“いかに効率よく、最適な情報を投げていくか”ということには、かなりこだわっています。
あとは、投稿する際の文面は編集部内で作成しているので、OGP(FacebookなどのSNSでシェアされた際に、そのページのタイトル・URL・アイキャッチ画像を表示させる仕組み)のイメージがそぐわないものは別の写真に差し替えたり、投稿用にタイトルを変更することもあります。1日に10本ほど投稿しているので、“いかに効率よく、最適な情報を投げていくか”ということには、かなりこだわっています。
■「citrus」が動画に力を入れる理由とは?
—今「citrus」では動画に力を入れていると聞いていますが、現状どのくらい見られているのですか?
基本的に動画はすべてFacebookで投稿していて、再生回数は平均15万、ものによっては100万回近く再生されるものもあります。視聴完了率95%以上が3万回くらいあるので、比較的見てもらえているのではないでしょうか。
—なぜ動画に力を入れるのでしょう?
今後タイアップ動画市場がもっと広がっていくと考えているからです。すべて内製して、今のうちにノウハウを貯めて勝ちパターンを見つけておきたいという狙いがあります。
—「citrus」で製作している動画とは、どんなものですか?
記事の内容をスライドショーにしているイメージです。「citrus」は9割がスマートフォンからのアクセスが占めているのですが、スマートフォンで見ると、どうしても多くの文字を読み込むのが難しくなってしまいます。
そこで、テキストで伝えていた情報を、要点だけギュッとまとめた“コラム動画”というスタイルにして見せていくことにチャレンジしているところです。外出先で見ることを前提としているので、テロップを入れ、音声がなくても視覚的に理解できるようにしています。
そこで、テキストで伝えていた情報を、要点だけギュッとまとめた“コラム動画”というスタイルにして見せていくことにチャレンジしているところです。外出先で見ることを前提としているので、テロップを入れ、音声がなくても視覚的に理解できるようにしています。
—今年の3月にオールアバウトが日本テレビと資本業務提携したのに続き、5月にはグループ会社のオールアバウトナビも資本業務提携を発表しました。どのような取り組みをしていくのでしょうか??
そうですね。日本テレビの放送素材のうち、ソーシャルメディアで反応が良さそうなコンテンツと連携し、さらにソーシャルメディアに最適化した形で編集するという作業を始めています。具体的には、番組の1コーナーをコラム動画に再編する形です。
やはりテレビ局の作るコンテンツって、圧倒的にクオリティが高い。そうした質の高いしっかりとしたコンテンツをWebでも露出させていくことで、僕らのプレゼンスをあげてファンを増やしたい。僕らのWebでの知見と、テレビの良質な素材をうまく掛け合わせることで、「citrus」にしか作れないコンテンツを提供していきたいですね。
やはりテレビ局の作るコンテンツって、圧倒的にクオリティが高い。そうした質の高いしっかりとしたコンテンツをWebでも露出させていくことで、僕らのプレゼンスをあげてファンを増やしたい。僕らのWebでの知見と、テレビの良質な素材をうまく掛け合わせることで、「citrus」にしか作れないコンテンツを提供していきたいですね。
(取材・文 野本 纏花)
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