ヒト

<リーダーズvol.14> 多様な価値観が溢れる時代にAll Aboutが目指す"One to One"の提案

『あなたの明日が動きだす』をスローガンに、信頼ある情報を提供し続ける総合情報サイト「All About」。今後、さらなるユーザーとのエンゲージメント強化に向けた新たな取り組みについて、編集長の大塚晋さんと、高橋幸代さんに詳しくお話を伺いました。

大塚 晋(おおつか しん)
メディアビジネス本部 編集部 ジェネラルマネジャー 編集長
様々な編集人生を経て、2008年、オールアバウト入社。 「All About」のグルメ、国内旅行のプロデューサーを担当し、2013年4月より「All Aboutまとめ」立ち上げ・リーダー。2014年10月よりコンテンツフィードGマネジャー。2015年4月より「News Dig」編集長。2016年4月よりコンテンツプロデュース部ジェネラルマネジャー。「All About NEWS」立ち上げ。2016年11月より「All About」編集部ジェネラルマネージャー兼務。現在「All About」編集長、およびメディアビジネス本部 編集部ジェネラルマネジャー。
高橋 幸代(たかはし さちよ)
メディアビジネス本部 ガイドプロデュース部 ジェネラルマネジャー
マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社勤務後、 2004年にオールアバウト入社。広告営業を担当した後、 商品企画担当として、他媒体との共同商品開発等に従事。 2013年10月より運用型広告の企画等を担当。2016年10月 よりAll AboutのSEO施策を担当する編集部 メディア プロデュースGマネジャー。2017年10月より、 メディアアライアンスや「All About NEWS」運営を担う メディア企画部ジェネラルマネジャーを経て2018年4月より、 ガイドプロデュース部 ジェネラルマネジャーに就任し、 ”イチオシ”プロジェクトを担当。

■検索よりも先に想起してもらえるメディアを目指して

——2001年開設から17年が経ち、老舗の部類に入るAll About。長年にわたってユーザーに支持され続けるメディアの強みについて、教えてください。


――大塚 All Aboutは17年前にスタートした頃から信頼性にこだわってきたメディアです。信頼性を築いている一つの要素は、顔写真・実名とともにプロフィールを公表するAll Aboutガイドという専門家が実際に記事を書いているということ。今では約900人のガイドが1300の幅広いジャンルで情報を発信し、累計の記事本数は18万本に上ります。これにより、ユーザーが何か興味をもったり悩んだときに検索すれば、大抵のことはAll Aboutで専門家が答えや選択肢を解説してくれる。実際に、All Aboutは検索流入が7割。ユーザーの悩み事、困り事に対し情報を提示するメディアとして頼りにされているのはすごく強みだなと思っています。

——17年間でユーザーのニーズも変化してきていると思うのですが、今どんなコンテンツが人気ですか?


――大塚 年金や貯蓄といったマネーリテラシーに関する記事は、以前よりも人気が高まっていますね。中でも、お金の増やし方や年金などのテーマは、これから老後を迎える40代〜50代の方達によく読まれていて、ユーザーの将来への不安が顕著に出ていると思います。あとはユーザーのペルソナが多様化している点も特徴の一つです。All Aboutの人気企画の一つに「マネープランクリニック」というAll Aboutのマネーガイドがユーザーの家計アドバイスを行うコーナーがあるのですが、寄せられる相談内容を見ていると、年収や家族構成、働き方など、昔に比べてライフスタイルのバリエーションが豊富です。生活における選択肢が増えたことにより、ユーザーの悩みも複雑化していると思いますね。

——この先、All Aboutがメディアとして成長するための戦略を教えてください。


――大塚 一つは複雑化したユーザーの悩みも解決できるよう、より粒度を細かく、内容の深いコンテンツの提供を強化していきます。また、ユーザーが探している情報だけでなく、関連する周辺情報を補完するようなコンテンツも作っていきたいですね。先ほどAll Aboutは検索流入が7割といいましたが、人が検索するということは、何かを調べたいというニーズの現れで、いわば疑問や悩み、探し物が顕在化された状態。All Aboutとしては、ユーザーがいずれ直面する悩みや疑問に対し先んじて情報を提供し、知らないで損する人を無くすという我々のミッションによりコミットし、何かに悩んだときに検索で来るのではなく、All Aboutを真っ先に想起してもらえるようになりたいですね。
また、今春より新たな施策として”イチオシ”という社内名のプロジェクトを始動させ、高橋率いる独立部署を設立しました。

■価値観が多様化する時代だからこそ求められるOne to Oneの提案

——“イチオシ”コンテンツについて、詳しく教えてください。


――高橋 ”イチオシ”とは、名前の通りガイドが一番オススメしたいモノ・コト・サービス・ノウハウを紹介するAll Aboutでは新しい形の記事です。また、ユーザーの興味関心に応じてOne to Oneでコンテンツを見せるため、通常とは記事の届け方が異なるのも特徴です。

先ほど、大塚が”顕在化したニーズ”に応えるという話をしましたが、私が担当する”イチオシ”コンテンツは”潜在ニーズ”に対応する取り組みです。All Aboutで過去に何を読んでいたかといった閲覧履歴などのデータに、ユーザーの属性データ等を掛け合わせると、ユーザーの潜在的なニーズを推測することができるようになります。今ユーザーが調べている事に対する答えを出すだけでなく、潜在的な興味関心にマッチするコンテンツを、ユーザー一人一人に対しピンポイントで提案していきます。

——なぜ従来と記事の作り方を変える必要があったのでしょうか?


――高橋 大きく2つ理由があり、ひとつはユーザーがAll Aboutに来る必然性を作るためです。今のAll Aboutでは、たくさんの新しいユーザーと接点を持つことが出来ている一方、能動的に何度もサイトを訪れるユーザーが少ない傾向にあります。悩みが解決したら、そこでおしまいではなく、せっかく来ていただいたユーザーに何度も来たいと思ってもらえるよう、ガイドとユーザーの関係を深くしていきたいです。

もうひとつの理由は、ユーザーに書き手であるガイドやコンテンツに強い興味を持ってもらうためにガイドの個性を際立たせたコンテンツが必要だったからです。従来の記事は幅広いユーザーのニーズに対応すべく、ガイドが推奨する範囲で、汎用性を持たせた選択肢を提示していました。特に検索から来訪するユーザーにとっては、いくつかの方向性を知ることができますし、そこから自分に合うものを選択できるメリットがありますが、決定打が欲しいユーザーにとっては物足りない場合もあります。従来の記事で広い選択肢を把握しつつ、ガイドのイチオシも併せて見て頂くことで、より豊かな意思決定をしていただけるのではと思っています。

——具体的に、どのようにユーザーごとに最適なコンテンツを見せていくのでしょうか?


――高橋 これまでもAll Aboutの記事の下には、今読んでいる記事と親和性の高い同じジャンルの記事が、オススメとして表示されていました。例えばサイクロン掃除機を見ていたユーザーに対して、掃除機のスペック比較の記事をオススメするといった感じです。”イチオシ”では読んでいる記事の親和性ではなく、ユーザーの興味関心軸に沿って領域横断でオススメ記事を提案するところが大きく異なります。例えば、掃除機の記事を見ていた人が過去に「美容」「一人暮らし」などの記事をみていた場合、記事の下に「防犯対策」や「節約レシピ」のイチオシ記事を表示し、その人自身に関連性が高く潜在的にニーズがあるコンテンツを提案していきます。

——ユーザーの潜在ニーズにマッチするコンテンツを提示するにあたり、オススメを一つしか紹介しないのはなぜですか?


――高橋 今は、情報の取り方ひとつにしても、多くの選択肢がありますよね。みんなが同じテレビ番組を見ている時代ではないし、インターネットのサイトも膨大な数があります。そうなってくると、必然的にユーザーの価値観は多様になっているはずなので、自分に向けた情報だという感覚を持ちづらいのではないかという仮説があります。”10選”のような客観的なまとめ記事ももちろん必要なのですが、10個のモノやサービスを取り上げると、それぞれのスペックなどの紹介だけで終わってしまいがちになるので、「ガイドがどんな人で、なぜそれを一番にオススメしていて、どんなときにどう役だったのか」といったストーリーを語ってもらうことで、書き手にも興味を持ってもらえたらいいなと考えています。

——All Aboutの中で、イチオシなのか通常記事なのかというのは、ユーザーは見分けられるのでしょうか?


――高橋 通常記事とデザインのテンプレートはほぼ同じなので、最初はわからないと思います。ただ、今後はユーザーがAll Aboutを再訪する必然性が生じるような、何かしらの機能を付け加えていく可能性はあります。

——All Aboutで蓄積されたデータを活用しつつ、専門家の力を最大限活かしていくことで、さらに有益なサイトにしていくということですね。


――高橋 はい。今後はAll Aboutのデータだけではなく、4月に資本業務提携をしたNTTドコモのデータも含めて、イチオシの配信に活用していく予定なので、ユーザー一人ひとりにとって、”出会うべきモノ・コト・サービス・ノウハウに出会えるサイト”にしていきたいです。「想定外の出会いだったけれど、結果的に良かったな、ためになったな」と思ってもらえたら。オールアバウトのビジョンである「個人を豊かに、社会を元気に。」を体現するようなサイトにしていきたいですね。

ーーこの記事と合わせて読みたい オールアバウトが進む「次のステージ」がわかる関連記事はこちら

(文:野本 纏花、写真:布村千夏)
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