■“営・制一体”によって生まれた「All About」の新たな価値とは
——営業と制作という異なる組織が一緒になったということで、組織変更当初は様々な課題があったのではないでしょうか?
――飯塚
営業は特にありませんでしたね。比較的スムーズにマインドチェンジした印象です。逆に、やりやすくなったはず。一緒に考えてもらえる仲間が増えたので。
――西川
正直なところ、うちはいろいろありましたね。部として独立していると、ある程度のフィルターがあるので、できないことはできないと申し入れできたけれど、同じチームになると、なんでも営業の言いなりになければならないようなイメージを持った人もいたので、かなりの抵抗でしたね。もちろん私にもその抵抗感は少なからずありました。だから最初はしんどかったです。でも、やっぱり時間ってすごくて。1年以上経つと普通になってくるというか、ごちゃごちゃ説明しなくても、なんとなく一体感って出てくるんですよね。
――飯塚
コミュニケーションの部分でいうと、互いの業務を知れたのは大きかったと思います。組織が縦割だった頃は受託関係だったので、依頼した後は手が離れるため制作の細かい業務まで知らなかったし、把握しようと思っていなかった。それが一緒にやるようになって制作部の人たちが何をしているのか見えるようになった。そうすると、今までのやり取りで「それは難しい」「再考したほうがよい」とか厳しいことを言われた理由もわかってきて。お互いの仕事について少しずつ尊重し、案件を進めるようになってきている気はしています。
――西川
そうだねぇ。制作もそれまでは営業が個人で持っている目標なんていちいち知らなかったし、飯塚くんが何億円の目標を持ってようが他人事だったけど(笑)、チームになって間近で苦労しているのを見ると、やっぱりちょっと気持ちは違うよね。そういう思いやりみたいなのは、ちょっとずつ出てきているかも。結果論だけど、やっぱり時間は必要だなと思いました。
——先ほどPV以外の3つの指標を大事にされているというお話がありましたが、各指標を達成する上で、制作面で工夫するようになった事はありますか?
――西川
制作部のほか、コンテンツオペレーション部という運用を担うチームと合同で、各指標をウォッチしながら、誘導枠からのクリック率が悪いコンテンツを改善していくという取り組みをしています。それを1年くらいやったことで、クリック率が悪い案件が従来の半分以下になるなど、全体的な平均値も上がり、かなり効果が出てきています。
こういうプロジェクトをやっていると、自分の案件の数字に対するコミット具合は、全然違いますよね。正直、以前は制作もPVしか見てなかったんですよ。「達成したなら、それで良くない?」って感じで。でも今は「今回ユーザーはどう動いたんだろう?」「クライアントサイトまで飛んだのかな?」「同じような商材で前は数字が良かったけど、今回と比較してどうかな?」といったように、分析してその結果を次回に活かす、トライアルする気持ちをみんなが持つようになったと思います。ユーザーを動かす事に対する意気込みを、すごく感じるようになりましたね。
こういうプロジェクトをやっていると、自分の案件の数字に対するコミット具合は、全然違いますよね。正直、以前は制作もPVしか見てなかったんですよ。「達成したなら、それで良くない?」って感じで。でも今は「今回ユーザーはどう動いたんだろう?」「クライアントサイトまで飛んだのかな?」「同じような商材で前は数字が良かったけど、今回と比較してどうかな?」といったように、分析してその結果を次回に活かす、トライアルする気持ちをみんなが持つようになったと思います。ユーザーを動かす事に対する意気込みを、すごく感じるようになりましたね。
――飯塚
良いことだね。
■制作部と共に各指標の数値を上げるプロジェクトのキーマン・小松さんのインタビュー
昨今、WEBメディアにおいては運用型広告の成長が著しいですが、 “その他の広告をどう運用していくか”という点も、収益面を考える上では重要な観点です。「All About」のネイティブ広告の運用を担当する、コンテンツオペレーション部 小松美鈴さんにお話を伺います。
――西川
例えばクリック率の話だと、もちろん昔から誘導コピーは作っているので、多くのユーザーを呼び込めるよう考えて、自分的にはベストなものを作っていたつもりなんだけど、きっちり検証していたわけではないんですよね。読了率に関しても同じで、クライアントから「1ブロック増やしてくれ」「商材を追加したい」といった要望に対しても、「全部反映したら読まれなくなっちゃう」と思いながらも、はっきりとした裏付けがないために対応するしかなかった。今は具体的な数値として根拠を示せるので、胸を張って議論できるようになり、よりいい制作につながっていると思います。
——そのほか、組織変更以降、制作部で新たに取り組まれていることは、ありますか?
――西川
2017年の4月から、営業が持っている案件の有無は関係なしに、完全新規で制作部が企画をしてみようという取り組みを始めています。例えば、私たちはAll Aboutのガイド(専門家)とコミュニケーションを取ることが多いので、彼らが本当に気に入っている商品でコンテンツの企画を作って、それをクライアントに提案してみるとか。新規提案数の目標を決めていて、企画ができたら、まずは営業に提案しています。もちろん、まだまだそこからの受注率は高くないんですが、新人の訓練にはなるし、自分がやっているという当事者意識を持ってもらえる効果というのはあると思っています。
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