——このように商品仕様や提案の仕方が変わっていく中で、クライアントの反応や営業メンバーの意識や行動に変化はありましたか?
――飯塚
従来のメディア営業は、クライアントへ汎用的な資料と事例を持って行き、「『All About」には3,000万人の利用者がいて、読者層は30代〜40代が多いです。広告を出してみませんか?」というやり方だったんですね。それをやめて、まずクライアントのデジタルマーケティングにおける課題を丁寧にヒアリングしたり、想像したりして、その上で「All About」が蓄積したコンテンツ量とそれに紐づくユーザーデータ、コンテンツ制作のノウハウを使って課題解決に寄与できる企画を考えて提案する、というやり方にガラッと変えました。なので当然ながら1回あたりのアポイントにかかる準備の時間がものすごく増えましたし、訪問時も、今までは単純に「クライアントのターゲット層と媒体の親和性」、「プロモーションのタイミング」、「予算」といったような項目をヒアリングしていたのに対し、現状クライアントの課題の把握する事に注力するようになりました。
クライアント1社1社に価値ある提案をする営業を目指して取り組むようになったことで、次に同じような案件があったときにクライアントから連絡が入ったり、2本目のアポイントをもらいやすくなりましたね。PVだけで判断されていたときにはCPAが合うか合わないかだけで切られていたようなクライアントでも、「コミュニケーションをこう変えるべきです」「ターゲットを見直しましょう」といった根本的な改変を迫る提案を持っていくので、いい意味で「媒体社さんの提案じゃないみたいですね」と言っていただけたりしています。これを“爪痕を残す”と僕らは言っています(笑)。
クライアント1社1社に価値ある提案をする営業を目指して取り組むようになったことで、次に同じような案件があったときにクライアントから連絡が入ったり、2本目のアポイントをもらいやすくなりましたね。PVだけで判断されていたときにはCPAが合うか合わないかだけで切られていたようなクライアントでも、「コミュニケーションをこう変えるべきです」「ターゲットを見直しましょう」といった根本的な改変を迫る提案を持っていくので、いい意味で「媒体社さんの提案じゃないみたいですね」と言っていただけたりしています。これを“爪痕を残す”と僕らは言っています(笑)。
——営業が思う、「All About」ならではの強みは何ですか?
――飯塚
「All About」は1,300のテーマにわたり約18万本の記事を取り揃え、月間で3,000万人の方々にご利用いただいています。そのため、どの記事をどういう人が読んでいるのか、その領域でどんな記事に多くのユーザーが反応を示すかといったデータがメディアとして蓄積されているので、ユーザーのインサイトを測る1st Party Data(パブリッシャーが運営しているサイトから収集したユーザーの行動情報など)を豊富に持っているというのは強みだと思います。営業が筋の通った納得感のある企画になるよう、提案の仮説設定や戦略・戦術の裏付けとして、そういったデータをしっかり示せるのは「All About」ならではだと思います。
——クライアント側の評価は?
――飯塚
クライアントもユーザーのインサイトの重要性は当然理解している。でもWEBにおけるメディアプランを立てるとき、それぞれの媒体でユーザーがどのような動きをするのかまで把握するのは難しいですし、場合によってはExcelで出される媒体一覧の比較情報だけで、決めている場合も多い。それってクライアントにとっても不幸な状態ですよね。その中で「All About」がコンテンツマーケティング支援することで「態度変容」を促すインサイトの発見ができる点は評価されていると思います。
——飯塚さんは責任者として営業メンバーをどのような人材に育てていきたいですか?
――飯塚
メンバーには単なる媒体営業ではなく、オールアバウト流の営業としてクライアントの課題解決に寄与する提案ができるようになってもらいたいと思っています。媒体のスペックや事例を語るだけの媒体営業って、ぶっちゃけ誰でもできるんですよ。でも僕らがやりたいのは、単なる媒体売りのキャリアを積むのではなく、クライアントとの関係の中で課題に向き合うことで、クライアンの事業PLにヒットするようなコンサルティングスキルを身につけたり、大型の案件を進行するなかで、新規事業とかのプロジェクトマネジメントスキルも身につけてもらうこと。マネージャー型・コンサル型・新規企画型といった3つくらいの分かれ道を用意して、多様な営業のキャリアを描けるようになってもらいたいです。
——一緒に働きたいと思う人材像はありますか?
――西川
前職で何をやっていたかよりも、課題解決することにコミットできる人かな。めんどくさいことが好きな人がいいよね。スッと簡単にできることって、面白くない。それでいうと私たちは超めんどくさいことやってると思いますよ(笑)。
――飯塚
確かに、複数の指標を見てユーザーに向き合い、クライアントの課題解決に臨むってけっこうカロリー使いますよね。クライアントの課題を自分事できるというか、当事者意識を持って取り組める人でないと厳しいだろうなと思います。
——最後に、今後コンテンツマーケティングで実践していきたいことを教えてください。
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