ヒト

<プレイヤーズ vol.1> メディアビジネスの収益を最大化させる高橋幸代の挑戦!

今月から始まったAbout All Aboutでは、オールアバウトの成長や変革に寄与した人を”プレイヤーズ”と称し、その人の価値観や取り組みの詳細を深堀りしていきます。記念すべき第1弾は、オールアバウトのメディアビジネスにおけるマネタイズや、メディアそのもの成長を担う、メディアプロデュースグループ・高橋幸代さんです。さまざまな事業者がひしめくWEBメディアの世界で彼女が見出した収益を最大化させた秘訣に迫ります。


高橋 幸代(たかはし さちよ)
All About編集部 メディアプロデュースグループ マネジャー
国際基督教大学教養学部卒業。2002年4月、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社入社。メディア通信・製薬業界等のコンサルティングに従事。2004年5月株式会社オールアバウト入社。各国政府観光局・金融業界等のプロモーション営業を担当した後、商品企画担当として、他媒体との共同商品開発等を経験。2013年10月より総合情報サイト「All About」の運用型広告を担当。2016年10月より、All About編集部 メディアプロデュースグループ マネジャー。

■編集者とマネタイズの企画者、両方の視点をバランス良く持つことの大切さ

―高橋さんのお仕事内容を教えてください。そもそもメディアプロデュースグループって何をしている部署なんですか。

大きく2つあって、ひとつが、総合情報サイト「All About」をどうマネタイズしていくかといった企画・立案からその運用まで。もうひとつは、メディアとしての成長。具体的にはPVや訪問数をどのように上げていくかを考えることです。その上で、SEO関連の施策から、提携メディアをどうやって増やしていくかといったことまで幅広く手がけています。

メディアを伸ばしていくためにはお金が必要ですし、お金を稼ぐためにはメディアの規模や質も必要なため、編集者とマネタイズの企画者、両方の視点で常にバランスを見ないといけません。

「All About」のマネタイズの歴史を少しお話すると、2001年の開設当初は、サイト内でのテキスト広告やバナー広告、そして今でも弊社の強みであるエディトリアル広告が中心でした。2000年代後半になると、アドネットワークなどの運用型広告が登場したことで、バナー広告のような特定の規格スペースに掲載する、”枠モノ”と呼ばれる広告商品についての直接販売を比較的早い段階で減らしていきました。
当時からすると、弊社のような媒体社でそういった広告の積極販売を止めるのは珍しいケースでした。それはエディトリアル広告という武器があったからこそできた判断かもしれませんね。

■収益化向上のためのサイトリニューアルを牽引

―その運用型広告の好調もあり、2016年度第二四半期の決算発表を見るとインプレッション単価が218%となっています。その要因はなんですか。

もともと運用型広告は媒体の広告在庫を人の手を介さず、システマティックに売買・配信できる仕組みでした。しかし昨今では、効率化されたものの、どの媒体に掲載されているのか分からない……という広告主からの不信感が大きくなっています。つまり、効率化を図りつつも、バナー広告のように信頼できる媒体を指定して運用型広告を出稿したいというニーズが高まってきました。
「PMP」(プライベートマーケットプレイス)と呼ばれる、参加できる広告主とメディアが限定された広告取引市場が、まさにそのような広告主のニーズに応える受け皿としてここ数年注目を集めました。
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これは今までの運用型広告(アドエクスチェンジ)に比べて、広告の単価が高いことから、我々媒体社にとっても喜ばしいことでした。ただ、こういった外部要因はあっても、広告主から指名されないと意味がありませんし、指名されるには、広告効果が高いことを示す必要があります。そのためにいくつかの手を先んじて打っていました。

具体的には「PMP」に適した広告枠を作るためのサイトリニューアルです。「All About」の中でクリック率や視認性の高いスペース、もしくは低いスペースがどの位置なのか、テストを重ねてあぶり出していきました。その結果、ファーストビュー(スクロールなどの操作をせず画面に表示される領域)や記事直下のスペースなど、広告効果の高いスペースは、より効果を高めるために配置や挙動を微調整し、逆に悪いスペースはどんどん排除していったんです。

そういった広告効果の高さも重要なのですが、もう一方でPMPならではの、より表現が豊かな広告フォーマットも用意しておく必要がありました。複数検討した中で、私は「ビルボード動画」と呼ばれるサイトの上部で大きく展開されるものに着目しました。当時、企業がTVCMなどの動画クリエイティブを、YouTubeはじめ積極的にWEBで流す動きが起きつつあるものの、動画素材の比率を変えずにテキスト中心の媒体に配信できるこの仕様の広告枠について一定以上の規模の在庫を持つ媒体社はほとんどなかったからです。そこで社内を説得し、思い切って「ビルボード動画」も配信可能なサイトデザインにリニューアルしたんです。
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■ユーザーの閲覧体験を阻害しない広告を目指して

―広告ビジネスを展開している会社としてやや聞きづらいのですが、そこまで効果の高い広告というのは閲覧者にとって邪魔にならないんでしょうか。 リニューアルする上で社内からの反対意見もあったのでは?

今までよりも広告を目立つ場所に配置したり、そもそも大きくしたりするとなると、やはり編集部からは反対がありました。そこで、常にユーザーの動き(直帰率や回遊率など)とにらめっこしながら、少しでも数字が悪化することがあればすぐに編集部に共有の上、改善策を講じたり、メディア数字への悪影響が大きい広告枠は廃止するなどの対策を取っていきました。

私自身、広告がすべて邪魔だとは思わないものの、閲覧する上での阻害要因になってしまうと、ユーザーがもう次に来てくれなくなってしまうと感じています。すると、メディアの数字が下がり、広告売上も下がることになるので、それは絶対に避けるべきだと常々に肝に命じていました。
努力もあってか、サイトリニューアル後は逆にページ全体の広告スペースが減ったにも関わらず、前述のとおり広告売上が増加するという結果になりました。

―高橋さんが今後の広告業界で注目しているトピックスがあれば教えてください。

インフィード広告(※1)関連のトピックスですかね。フォーマットの数や配信量もここ最近で一気に増えてきている感じを受けます。ただし、昨今アドサーバー(※2)経由で配信できないものが多いなど、まだ技術面での仕組みが整っていないように思えます。

広告主の業種も、当初はECサイト事業者や健康食品、医薬品メーカーが多く見受けられましたが、最近はナショナルクライアントが徐々に増えてきてますしね。


※1)画面の上から下に読み進めていくタイムライン型のサイトやアプリにおいて、コンテンツとコンテンツの間に自然に表示される広告のこと。昨今、ネイティブ広告が盛り上がる中で、このタイプが売上のほとんどを占めている
※2)Webサイトの訪問者にたいしてネット広告を配信するための専用サーバー
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■営業担当だった時に作った伝説とは?

―ちなみにガラッと話が変わるのですが、高橋さんは以前、営業マン時代にいくつかの伝説をお持ちと聞いたのですが?

営業担当になって初めてのアポでの訪問時、気合いが入り過ぎたせいか、全く違う会社の担当者にプレゼンしてしまったことでしょうか……

―えっと、普通だったら先方も「どちら様ですか?」となりますよね。

それがアポを取った方と同じ名前の人がたまたまその会社にいたので、受付で話が通じてしまったんですよね……さらにタイミングが良いのか悪いのか、その方が外出してたようで、不在と聞かされた私は「いや、この時間に●●さんにアポを取ったはずなんですけど!」とむしろ強気に出てしまったんですよ。そうしたら、その方の上司がむしろ平謝りになりながら、代わりに対応してくださり、こちらのプレゼンを一生懸命聞いてくれるという不思議な展開になってですね……

ひと通り媒体説明が終わった後、先方の顔色が曇りはじめて、「あのぉ、うちビルの清掃会社なので、一般ユーザー向けにネット広告は出さないかもしれません」と言われ、初めてハッ!、と気づきました。
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―そんな天然オーラ満載の高橋さんが今後オールアバウトでトライしていきたいことはなんでしょうか?

「PMP」の話にもあったとおり、日本ではまだ少し早いかな、と思うような取り組みでも、効果がありそうな施策は積極的に導入していくことですね。やはりアメリカの事例は常にウォッチしているのですが、他の媒体社が横並びで導入する直前の早過ぎず遅すぎといった絶妙なタイミングを見計らって、先行者利益を獲得していきたいと思います。

あとは、「PMP」で動画広告において非常に良い結果を出せたこともあり、純粋なコンテンツとしても動画にはトライしていきたいですね。過去に何度かオールアバウトでも動画にはチャレンジしているのですが、やはりノウハウ系の記事と動画の相性の良さは、昨今のユーザーの動きを見ていても明らかなので。
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